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おばあちゃんの家 (韓国映画)

あらすじ(ストーリー解説)引用  ※ネタバレあり

あらすじ「起」

サンウと母は山奥のヨンドン村に向かっていた。ヨンドン村は母の故郷で、サンウは生まれてから来たことがなかった。バスの乗客は小麦色に焼けた肌で、都会では目にすることがない人々だった。

おばあさんの家は村から更に離れた所に建っていた。古めかしい民家で3ヶ月間過ごすことに、サンウは拒否感を覚える。母がソウルに戻ってしまうと、か口を利けないおばあさんと静かな生活が始まる。娯楽が極端に少なく、幼いサンウには退屈で仕方ない。そして祖母が何か奇異な存在に思え、サウンは心を開こうとしなかった。

近隣の少年チョリが、おばあさん宅に立ち寄る。同年代のサンウにも好意的に接するが、人見知りのサンウは自己紹介もせず部屋にこもる。サンウはずっと一人遊びをしてきて、同世代の子どもには緊張してしまうのだった。

サンウの唯一自の息抜きであるゲーム機が故鄣する。原因は電池切れで、サンウは必死でおばあさんに電池代をせびる。しかし、ジェスチャーの反応だけでお金はもらえなかった。我慢できないサンウは、家中金を漁る。が、どこにもへそくりはなく”腹いせ”に
おばあさんにいたずらを仕掛けだす。

あらすじ「承」

サンウは電池を買うため、おばあさんが寝ている間にかんざしを盜んで村の店まで売りに行く。店を一軒一軒回るが目的の電池はどこにも取り扱われていなかった。帰り道は
迷ってしまうが、通りがかったおじさんに家まで連れて行ってもらう。まだかんざしをおばあさんに返すことはできないでいた。

反省したサンウは、おばあさんと徐々に意思疎通を取るようになった。それでも都会っ子のサンウは、フライドチキンが食べたいとごねる。おばあさんは鶏をもらって調理するが、できあがった料理は蒸し鶏だった。サンウは食べるのを拒否するが、夜中に空腹で目覚めると、ためらわずに肉に食らいついた。

翌朝。昨晩雨に打たれて帰宅したおばあさんは、熱を出して寝込んだ。サンウは台所を荒しながらも、おばあさんに食事を用意してやる。眠るおばあさんの頭を見ると、かんざしの代わりに木の棒が使われていた。サンウはようやくここで、盗んだかんざしをおばあさんの髪に挿し直した。

あらすじ「転」

サンウが散歩に出かけると、チョリ暴れ牛に追いかけられていた。早く逃げろ、と声を上げていたのは少女ヘヨン。チョリは何とか暴れ牛をまき、サンウたちはー緖に喜んだ。そのとき初めてヘヨンと口を聞き、サンウは顔真っ赤にする。

おばあさんに気を許しだしたサンウは、仕事を手伝うようになる。二人は、町の市場に野菜を売りに行く。そこでサンウはヘヨンを見かけた。可愛らしい服を身に着けた少女ーに、サンウはときめくばかり。ヘヨンに見られるのを意識して、サンウはおばあさんの商いに手を貸せなかった。

商いの後。おばあさんはサンウト昼食を取らせたり、新しい靴を買ってやったりした。
決して収入は多くないのに孫を満足させようという祖母の思いを、サンウははっきりと感じ取る。おばあさんはハンデを持っているが、周囲の人々からは慕われていた。
おばあさんのジェスチャーに、人々は優しく反応する。

ヘヨンたちと先に帰宅したサンウは、おばあちゃんの帰りを待つ。しかしなかなか姿を現さず、サンウは、いよいよ不安になって くる。しびれを切らした頃、おばあさんが帰宅する。サンウは最初の頃とは違って、寂しさを祖母に素直に表した。

あらすじ「結末・ラスト」

サンウはへヨンに淡い恋心を抱き、会いに行く。だが、へヨンはチョリと手をつないで歩いていた。芽生えた初恋はあっさりと終わり、サンウはチョリに嫉妬する。チョリが気に食わないサンウは、暴れ牛が来たと噓を教える。チョリは焦って逃げるが、本当に暴れ牛が現れる。

それ以降もサンウの”暴れ牛脅し”は続くが、チョリはサンウのいたずらに気付く。年上のチョリは手こそ上げないが、サンウに無言の圧力をかけてくる。怯えるサンウは、謝らずに逃げ出してしまう。途中、ヘヨンと出会ってサンウはすぐに機嫌をよくする。

色気づいたサンウは、身だしなみを気にして鏡の自分を見つめだす。ヘヨンの家に招待され、サンウはおばあさんに髪を切ってもらう。数ミリのカットでいいと伝えるが、おばあさんはベリーショートに整えてしまう。サンウはショックで、大泣きする。

ヘヨンの家からの帰り道。サンウは一変してルンルンとした気分だった。道中、出くわしたチョリが暴れ牛を教えるが、サンウは嘘だと思って聞かない。しかし、本当に暴れ牛が迫ってきた。チョリが間一髪でサンウを助け、サンウはこれまでのいたずらを謝罪した。チョリは、謝らなくていいよ、と穏やかに否定して去る。

サンウは、出かける際におばあさんから渡された包み紙を取り出す。ゲーム機と電池用のお金があり、サンウはおばあさんの心遣いに涙を流した。そして、家で待っていたおばあさんに初めて甘えたのだった。

母からの手紙が届き、サンウがソウルに戻る日が近づく。サンウは手紙が出せるようにと、おばあさんに簡単な読み書きとフレーズを教える。「困ったときはいつでも僕が飛んでくるからね」とサンウが言い、二人は別れを惜んだ。

母が迎えに来る。サンウはおばあちゃんにお気に入りのポストカードを贈る。サンウたちが去った後、おばあさんはカードの裏面を見る。それにはイラストとサンウが教えたフレーズが書れていた。これでいつでも、サンウに近況を知らせることができる。
娘家族を見送って、おばあさんはゆっくりと家へ帰っていく。

とても心に残るおばあさんと孫の「温かい」交流を描いた素敵な作品でした。
涙もろい私は号泣してしまいました。

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