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〈引っ越し日記5〉雨の日は出窓に難あり

九州北部は、梅雨入りだそうです。
新しく暮らしている熊本の家には出窓があって、外の様子がよく見えるので、我が猫の格好の居場所になっています。私が仕事に出ている留守中も、おそらく1日のほとんどをそこで過ごしているようで、帰宅すると大抵、出窓越しに目が合います。外にいる自分と家の中にいる我が猫が、ガラス一枚を隔てて見つめ合うのは、なんだか不思議な感じです。自分の猫なのに「あら、あんなところにかわいい子!」と心の中で呟きます、毎度。

あんまりにも出窓で過ごす時間が長いので、猫が丸くなるのに適当な籠を置いてあげたら、さらに気に入ったご様子。最近は夜も一晩そこで寝る日もあるほどです。しかし昨夜は、あんな状況でよく寝られるなと、我が猫の図太さに呆れ返りました。

話は梅雨入りに戻ります。昨夜はまさに、梅雨の始まりを告げる大雨の夜でした。外がそんな様子であれば、我が家は大変な騒音状態になることが判明したのは、引っ越してきて最初の雨の日です。最初の雨は、大雨というほどではなかったのですが、まさに、猫(以下、きなこ)が気に入っている出窓の方からバンバン、ガンガン、雨音が2倍にも3倍にもなって響くのです。出窓の屋根の部分は、トタンなのかなんなのか、とにかく雨音を響かせるのに最適な素材の様子。テレビの音もかき消すような、大きな音が家中に響きます。昨夜は一晩中そんな様子だったのに、寝る時間になってもきなこは寝室にやって来ず。一晩中、出窓から戻ってくる気配はありませんでした。あの雨音は、猫には聞こえない周波数だったりするんでしょうか。いや、そんなことはないでしょう。我が猫の、図太さの多和ものです。

まあ、出窓の他にもね、住んでみなけりゃわからなかったことには、日常の中で時たま出会うわけです。水道管の継ぎ手が古いらしく、しばらくは鉄錆のような物が水道水に浮いていたり(管理会社さん曰く時間が解決するとのこと)、もともと和室だった部屋なので照明のスイッチが無かったり。お風呂の蛇口も、温度調節がしにくいタイプで。昨晩は、きなこのごはんにアリが集っていてギョッとしたり。でもそれらを差し引いても、新しい家は気に入っています。

今日もほら、仕事が終わったら一目散に帰って、明るいうちに家のキッチンで缶ビールをプシュッと開けちゃおうなんて、そんなことで自分を「フレー!フレー!」としちゃっているわけです。






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