Shall we go to the movie?

　人から何かに誘われたい思いが強い。

　誰かから誘われたら自分が認められた気になってうれしいからだ。ご飯でも映画でもお泊りでもなんでも、自分は誰かに誘われるととにかくうれしくなる。ただ、実際のところ私は誰かに誘われることよりも誰かに誘いかけることのほうが圧倒的に多い。それは個人的に"誘われたかったらまずその人に誘いをかけてつながりをもて"と思っているからだ。

　でも時々人を何かに誘うことが億劫になる。相手のスケジュール、相手が乗ってきそうなコンテンツ、本命で呼びたいメンバーと仲のいい人を考慮すること、その中のいい人のスケジュール。考えることは山ほどあるぞ！自分の中にそれらすべてを考えきることができるエネルギーがあるときは問題ない。しかし、この条件のどれかで不具合が出ると、相手はその誘いに乗ってくれないだろうなと感じて弱気になってしまう。気が付くと、自分から誘いをかけたにもかかわらず、”相手に都合が悪そうだからまた今度ね！”とメッセージを送り中断してしまう。

　きっとこの根底には、相手にとって自分自身は魅力的でないコンテンツだと思っているからだ。例えば、（明石家）さんまさんから飲みに行こう！と誘われたら、多くの芸能人ははっきりと断ることはしない。それは彼が人間的に面白く、話も上手だから彼自身のコンテンツに興味を持っているからだ。もしくはここでさんまさんの誘いを断れば、彼の逆鱗に触れて自分が大御所の誘いを断る失礼な奴という印象が周りに伝播する、そういった恐怖に屈して飲みにいくかもしれない。この場合でも、さんまさんの権力の大きさというコンテンツを意識しているからこそその誘いに乗ろうとしているのだ。

　つまり、誰かを誘うにはそこに相手の興味のあるコンテンツがあるかどうかで相手の判断は下されるというのが私の持論だ。私は自分自身が強烈な個性を持つコンテンツを持ってると思っていないし、かといって相手の興味に沿ったコンテンツ（好きな映画や仲のいい人が一緒にいること）を提供できる自信もない。だからそのコンテンツが思いつかない限り誰かを誘うことを億劫に思い続ける。

　そんな私だが、先日私の友達がinstagramのストーリー上でコナンの映画を見たいと発信しているのを目にした。私もそれが見たかった。共通のコンテンツが見つかった今、その子に誘いをかけるべきか携帯を開き、LINEの画面上で悩んでいる。

　その子から、映画のお誘い来ないかな。