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【保存版】んで、禁足地って怖いの?【民俗学】

めくるめくめぐるの世界へようこそ、書店員vtuberの諸星めぐるです。
みなさんは「禁足地」という場所、ご存じでしょうか?
実は日本各地に点在し、現在でも【立ち入ってはいけない】場所はたくさんあります。

今回はそんな禁足地について『民俗学的視点』から、紹介していきます。
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それでは、みなさんいってらっしゃい

禁足地=怖い は間違い


そもそも、禁足地(きんそくち)とは、何らかの理由によってその土地や地域そのものに「人が足を踏み入れられない」場所のこと。

そうやって聞くと、なにやらヤバそうな雰囲気だが、実はかなり日常の中に「禁足地」は存在している。

ここからは、そんな禁足地の有名どころと「禁足地にいたる理由」を解説してお腹いっぱいになってもらいたい。

禁足地になる主な理由

禁足地にいたる理由は本当にさまざま。

「聖域(廟)である」 「過去祟りが起こった」 「危険性が高いから」 「理由不明・諸説あり!」

という、実はいろんな理由があるのだ。
たいていのイメージとして「オカルト」「祟り」などという強い言葉と怪しさが先行しがちだが、実は一概にそうでもない。

民俗学とは「歴史に刻まれなかった日常」をめぐる学問である。
ぜひ、その視点から以下の場所を考察してほしい。

怪しさは確かに魅力的だよね


禁足地紹介


①「オソロシドコロ」<長崎県・対馬>

名前からして他者を「拒否」している印象

名前からして
八丁郭のほか、裏八丁郭、多久頭魂神社の不入坪の3カ所のことを指す。

名前からして恐ろしいのだが、ここが禁足地なのは「聖域だから」である。

対馬はかつて対馬固有の「天道信仰(太陽崇拝)」があり、龍良山(たてらさん)は、天童法師が神事を行っていた山とされ、山全体が「天道信仰」の聖地である。

そんなここには、八丁郭=天道法師のお墓と、裏八丁郭=母のお墓がある。
1300年ほど前から仏僧や山伏以外は、立ち入り禁止だった。
この「八丁郭」は、地元の人たちから「オソロシドコロ(おそろしいところ)」と呼ばれ、立ち入ると祟りがあるとされていたそう。



②「フボー御嶽(うたき)」<沖縄県・久高島>

禁足地はいずれも「興味本位」で立ち入ることはあかんぞ


琉球開闢(かいびゃく)の祖「アマミキヨ神」が最初に創ったとされるのが久高島である。​​
沖縄本島東海上の周囲8kmの小さな島の土地は、神様からお借りしているものだと考えられていて、島の集落のほかは聖域とされている。
この島には「フボー御嶽」や「カベール岬」などの、御嶽や拝所などの祭祀場が点在している。
フボー御嶽は琉球王府が国家として重視していた御嶽とされ、国指定文化財の名勝にも指定されている。
現在は、男女ともに何人たりとも立ち入り禁止




③「八幡の藪知らず」<千葉県・市川>

町中にある違和感

市役所の近くにあり、横には駐輪場もある。
人通りも多い市街エリアに突然現れる森が、「八幡の藪知らず」である。

禁足地になった根拠は、日本武尊(ヤマトタケル)の陣屋説をはじめ、平良将の墓所説、平将門の墓所説、将門の家臣の墓所説など諸説あるため、理由は不明。

それもそのはず、江戸時代から既に「禁足地」となっている。
しかし、水戸光圀も迷わされたという逸話まで残っている、異空間な感じが面白い。



④「有毒温泉」<北海道・上川郡>


有毒温泉は、北海道上川郡「大雪山国立公園」の御鉢平カルデラの底部にあるという。
御鉢平カルデラには、数カ所の湯だまり(有毒温泉)が確認されている。
ここが禁足地。
強力な毒性を持つ硫化水素のガスが噴出しているため、立ち入り禁止となっている。
このため、その湯だまりに近づくことはできない。(当たり前である)
こんなタイプの「禁足地」もあるのだ。


⑤「辰ノ島」<長崎県・壱岐市>


クルージング船が出ている「禁足地」


無人島のこの島には、上から見ると剣のに見える池「剣の池(ケンの池)」があり、壱岐の支配者だったカザハヤ王の宝を沈めたという伝説が残っている。
この池は呪いの池であり、池をのぞき込むと、その人の欲しいものが池の真ん中に浮かび上がり、それを取ろうとして池に入ると、そのまま池の中に引きずり込まれるらしい。
また、池の近くには「水晶谷」といわれるスポットがあり、そこの水晶を持ち帰ると、祟りがあるそうな。
人をつくづく試してくる島である。



⑥「立石様」<東京都・葛飾区>


公園の中に普通に存在している禁足地。
病気療養などのために削られたりして今の姿になっているらしいが、住民の意向により、発掘調査は行われていないので詳細も不明。



⑦「入らずの森」<石川県・氣多大社>


これは「入れない」よね。。。


広大な境内の中にある原生林は「入らずの森(いらずのもり)」として、古代から人の入れない神聖な禁足地とされている。
気多神社の社叢は、神域「入らずの森」として神聖視され、神官も年1回、社叢内の奥宮の神事を勤めるために目かくしをして通行するのみといわれる。
ここにきて禁足地に「見てはいけない」がプラスされている。



⑧「沖ノ島」<福岡県・宗像市(むなかたし)>


最後は、沖ノ島。
ここは島全体が信仰の対象となり、人々の間に厳しく入島を制限する禁忌などの慣習が根付いてきた。入るときにはが必要となる。

ここ沖ノ島では、見たり聞いたりしたものは、他言無用とされている。
また、沖ノ島からは一切何も持ち出してはいけない

古から守られてきたこの理により、今でも「謎」は「謎」のままである。

さいごに


いかがでしょうか。
禁足地にいたる理由は時代や目的により違えども、文字をもたなかった人々の思いがそのまま現在に「伝言ゲーム」されてきているような禁足地。
それらの理由や今なお保存され語り継がれる「呪い(まじない)」に思いを馳せてみませんか。

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それではみなさん、さよなら×3