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転職後の職場でのフィットと活躍のコツ

転職をするときのコツや秘訣はネット上でよく語られていますが、転職した先で、新しい職場にフィットして活躍するかの方がずっと大事なはずなのに、あまり語られることはないです。Xで、「転職したら最初はおかしなところを見つけても知らんふりをしたほうが良い」といった言説を見かけ、一理あると思いつつも、より良いやり方はどんなものなのか、私の複数回の転職経験や失敗も踏まえて考えていきます。
私は1年半程度での短期離職の経験はありますが、転職そのものに失敗したと感じたことはなく、どこの職場でも入社後に昇進もしくは昇進の内示をいただくことはできていたので、それなりに役に立つ部分はあると信じております。

(3/31追記、ポジティブな反応を多数いただいています、ありがとうございます)



私の失敗から

このようなnoteを書いていますが、実は私自身、ひどい失敗を過去に経験しています。転職ではなく、監査法人において新しいチームに入った時のことですが、全くうまくいかず、結果として私はチームを離れることになり、さらに、そのクライアントからはその後契約を打ち切られるという最悪の結果になりました。まずその時の話をしましょう。
監査法人時代に、私はアメリカで働いていた時期があり、それなりにアメリカの監査の手法を学んだつもりになって日本に戻りました。当時はまだ日米間では監査手法や調書管理などの厳密さにはかなり差がありましたが、その差を埋めていかなければマズいという雰囲気が日本でもだんだん濃くなってきていた時期のことです。帰国して、とある上場会社(A社)にマネジャーとしてアサインされました。ただ、このA社の置かれている状況がかなり厄介で、上場会社ではあるものの、ある会社の子会社といういわゆる上場子会社だったうえに、親会社は別の監査法人が監査しているという状況でした。もともとは親子共に私の勤務する監査法人で監査をしていたのですが、トラブルがあって親会社は監査人を変更、A社はかろうじて監査人を変えないでくれていたのです。
そんな状況も影響してか、監査チームはかなり緩い雰囲気で仕事をしており、調書はまともに作られておらず、協会のレビューにでも当たったら一発でアウトだな、という様相でした。アメリカから戻ったばかりでしたから、通常以上に私もナーバスになって、一気にアメリカレベルに近い形に直さなければと焦りはしたものの、部下たちは「なんだ、このアメリカかぶれの変なマネジャー?前のマネジャーは優しくていい人だったのに、最悪」という反応です。また、パートナーも社内政治的に私とあまり折り合いの良くない人でもあり、部下から総スカンの私に「お前何やってんだ?」という態度です。結局何一つ改善されないまま、私は急遽官庁への出向を命ぜられてこのクライアントから外れ、その年度が終わると、A社は監査人を親会社と同じところに変更しました。
今思い出しても、私の主張していたこと、部下にやらせようとしていたことは何一つ間違ってはいなかった自信はあります。しかし、結果として人を動かせず、部下たちの能力の向上にもつながらず(結局この時に部下だったメンバー4名でマネジャーになれた人はいませんでした)、仕事のクオリティも上がらず、契約を切られたのですから、実績としての評価は0点です。妥協してでも、少しずつ良い方向に持っていった方がまだマシだったわけです。
一番下の作業者ならともかく、管理職としてはこれではダメだと痛感させられた苦い経験でした。
なお、余談ですが、この時のインチャージは女性で、私の前任のマネジャー

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