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面接する人、される人 転職・採用活動のヒント

X(旧Twitter)でnoteで書いてほしいテーマとして興味があるもののアンケートを取ったところ、一番希望が多かったのは「転職活動・キャリア関係」でした。私は30代後半から3回の転職を経て現在は独立しています。転職した企業はいずれも誰もが名前を知っている大企業で、さらにそれらの全ての会社で中途採用面接にも携わりました。よく、人事系を名乗るアカウントがSNSで面接のコツなどを書いているのを見ますが、的外れで、インプレッション稼ぐ目的のものが多いという印象です。そもそも人事部門は中途採用の場合、面接にそれほど大きくかかわってこないのが一般的ですので、あの手の話をあまり真に受けないほうがよいでしょう。
このnoteでは、私の経験をベースに、中途採用面接に臨む場合のコツと、面接官として採用プロセスにかかわる場合のコツについて述べていきます。転職先のターゲットとしては外資・日系の大手企業をイメージしています。スタートアップやベンチャーの場合は、また違ったコツがいろいろとありそうな気もしますが、私の知見が乏しいのでスコープからはちょっと外れます。
なお、個人的な経験ベースの話が多く、あまり不特定多数に広めるのも、という思いもあるので、一部有料とさせていただきます。


一般的な中途採用プロセス

中途採用の窓口は、人事部門の採用担当が担うケースが多いです。中途採用を行いたい部門(以下、現業部門と称します)が、どういう人材が欲しいかというペーパーを作成して人事の採用担当に提出し、採用担当がそれを契約しているエージェントに共有、エージェントからの候補者を採用担当がスクリーニングして、候補となりそうな人の職務経歴書などの情報を現業部門に連絡、現業部門側で良さそうと思ったら面接のアレンジが始まります。また、エージェント経由以外でも、会社が自分のウェブサイトで募集するケースも多いです。現業側としては、エージェント経由かウェブサイト経由かはあまり気にならないので、良さそうな案件があったら、ウェブサイトから直接応募したほうがスピーディーなこともあります。
面接はおおむね、募集ポジションの直属上司、直属ではない管理職、人事担当、直属上司の上司(部門長クラス)、執行役員クラスが担当し、2~4回に分けて行われるケースが多いです。やはり、直属上司と部門長クラスの意向が大きく影響します。正直、人事担当の意見が重視されるケースは少ないと思います。
最終面接を終えて内定と言われても、雇用条件(給料等)を明記したオファーレターをもらうまでは油断せずにプロセスを進めていくべきです。

職務経歴書の準備

1.職務経歴書の基本

転職活動をするには、まず職務経歴書を用意しなければなりません。特に様式はなく、Wordに自由に記入するスタイルが一般的ですが、何を書いたら分からない方はビズリーチなどのサービスでテンプレートが用意されているので、まずはそういったものを利用すればよいと思います。職務経歴書の内容は、これまでの職歴のサマリー、一つ一つの職歴の詳細、学歴・保有資格等の3つを含めるようにします。「自己アピール」みたいなものを書く場合もありますが、正直読んでいてちょっとつらいので、職歴の説明で自分のできることや得意分野がきちんと伝わるようにしたいところです。

2.上手な職務経歴の書き方

特に監査法人からの転職を検討されている方の場合「そうは言っても会計監査やっていただけなので、職歴なんて書きようがない」と思われる方もいるでしょう。しかし、監査エンゲージメントであっても、クライアントごとに課題や自分の果たすべき役割はまちまちだと思いますので、うまく具体的な強みが分かるエピソードに落とし込んでいきましょう。

例)「東証プライムの売上規模1兆円の製造業の財務諸表監査に従事。」
このような記述は職務経歴書に書かれがちです。監査法人では大規模クライアントにアサインされていること自体が一種のステータスだったりするので、本人としてはここから自分が優秀な人材であることをアピールしたいのかもしれませんが、読み手にはなかなかそこまで伝わりません。例えばこんな風に書き換えてみましょう。
「東証プライムの売上規模1兆円の製造業の監査に従事、担当として約50社の海外子会社の連結パッケージのレビュー及び主要な会計論点への対応状況の確認と、タイムリーな修正のために会社担当者との緊密なコミュニケーションを実施し、毎期大きな監査差異を発生させずに監査を終了させることに貢献した。」いかがでしょう、連結に強そうとか、海外とのコミュニケーションもある程度できそうとか、色々な強みが見えてくる職務経歴になるかと思います。

3.職務経歴書は応募先ごとに書き変えよう

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