夫婦経営をスタートしてから5年半。「信頼できる他人」がいたからこそ続けられた。
おはようございます!Morning Labo取締役の井上(@kojijico)です。
代表・中村と私は経営パートナーでもあり、夫婦関係。お互い26歳で挑戦し始めた「夫婦経営プロジェクト」はお互い30代に突入し、5年半が経過しましました。
成果を出すしかない、1年目。
出産前後の、2年目。
コロナ禍で子育てと会社経営のバランスに苦しんだ、3年目。
対話を重ねに重ねた、4年目。
会社のメンバーが3人から6人になった会社拡大期の、5年目。
今も絶賛奮闘中ですが、特に3年目からは、子育て×経営を掛け合わせた「新しいパートナーシップ」の構築が求められ、ハードな時期もありました。
周りからは「どうやって対話してるんですか?」と聞かれることも多い中で、ヘルシーに両立できるようになってきた理由の大きな一つは、「信頼できる他人」がいたからといえます。
このnoteでは、私たちが夫婦コーチングから経営アドバイザリーまで相談している、合同会社事業人の共同代表、西村晃さんとの関わりについて紹介したいと思います。
夫婦経営がなぜ難しいか
「夫婦経営って素敵ですね」と言われることが多い反面、現実は正直毎日ハードシングスの連続なんです。大きく大変なポイントは3つあります。
①多重関係であること
夫婦経営では、お互いが経営パートナーでもあり、夫婦でもあり、子の両親でもあります。多くの役割を二人だけで多重に担うとなると、良い面だけでなく悪い面も突き合わせないといけない場面もあります。心の切り替えや、割り切りが必要なときも、気持ちが追いつかないこともあります。
②感情の逃げ場、吐け口が無い。
たとえば妻に「仕事がつらい」といわれた時、旦那として共感するようなコミュニケーションをとると「あなたも仕事にちゃんと向き合ってほしい」と言われ、共感が仇になることも。一方で経営パートナーとして解決的コミュニケーションをすると、「ただ『つらい』という気持ちに寄り添ってほしかった」と、解決ではなく共感を求められているというケースもある。公私が一緒であるからこそ、色々な要因が混ざり合いすぎていることで、衝突を生むケースが多々ありました。
③ 息抜きとなる場がないこと
オンとオフを「家庭」と「職場」だったり、「オフィス」と「家」だったり、空間や人間関係など、時空間をまたぐことで、切り替えている人も多いのではないでしょうか。しかし私たちの場合、どこにいても何をしていても、だいたいお互いが同じ場にいます。意識しないと「一人時間」が取れないことで、リフレッシュ不足を感じることもありました。
特に妊娠出産とコロナ禍が重なった2020年から数年は、初めての子育て、経営の試練、ソーシャルディスタンスなどの閉塞感が重なり、会社解散を視野に入れたこともあるくらい追い込まれていました。
「モニラボの良いところ」を思い出させてくれた一言
子どもが1歳になり、ようやく子育てにも少し慣れてきた頃。久しぶりにモーニングをしたのが、西村晃さん(以後あきらさん)でした。
あきらさんは私がモニラボに入社する前からの関係で、社会人2年目でキャリアに悩んでいた時から定期的に相談をしていた良きお兄さんでした。
「夫婦経営プロジェクト」を始めた際も応援してくれて、定期的に壁打ちをする関係性でした。しかしコロナもあり、2年ほど会わない間に会社がピンチになっていることは、伝えられずにいたのです。
「おい、こーじ。顔死んでるけど大丈夫?」
再会後すぐに見破られてしまったこともあり、正直に現状をシェアしたところ、あきらさんから核心を突く一言が。
「なんでもっと早く相談してくれなかった? モニラボで城を築こうとしているのはなんで?モニラボの良いところは牧場経営でしょ」
確かに夫婦経営がスタートした直後は、色々な先輩に会いに行き、仕事を紹介してもらったり、採用活動を手伝ってもらったりと、良い意味で「社内と社外」に壁を設けない牧場経営スタイルでした。
ただ、少しずつできることも増えていき、社外を頼らず社内で物事を解決する「城スタイル」を築こうと格好つけてたのかもしれません。
「助けてください….」
私たちのヘルプをあきらさんは受け取ってくれ、そこから隔週90分のMTGがスタートしました。
内容は「事業の話」ではなく、まずは「夫婦のパートナーシップ」から見直すことにしました。
なぜ夫婦の問題から手をつけることになったのかというと、経営もプライベートも土台になっているのは「パートナーの信頼関係」であり、ここが脆いと全てが積み上がっていかないからです。
経営の相談を第三者にするケースは聞いたことがありますが、夫婦関係について第三者に開示していくのは少し抵抗感もありました。ただ、海外では夫婦カウンセリングや夫婦コーチングは一般的なこともあり、抵抗感や恥ずかしさよりも、問題解決を優先したい思いもあり、あきらさんにオープンに話をしていくようになりました。
MTG中には、家事分担の話と事業の役割分担の話をごっちゃにして感情をぶつけていることもしばしば。
「おいこーじ、取締役として覚悟が足りなすぎないか?こーじの成長ポイントって今だぞ」
なんでこんなに向き合わないといけないんだ。と逃げそうになったときに、あきらさんが本気で叱ってくれたこともありました。
経営していると上司もいないので、自分の足りない部分をちゃんとフィードバックしてくれたことが嬉しかったのと、自分の不甲斐なさと悔しさなど色々な気持ちが混ざって号泣しました。
その時の状況を振り返って、あきらさんにもコメントを頂戴しました。
「第三者」が入ることで、家族も経営も、素直にがんばれるように
通常、ここまで向き合わなくても夫婦関係は継続できますが、夫婦経営はどんなときも一枚岩になる必要があります。2人だけでは向き合えなかった課題にあきらさんが中立の立場で入ることで、絡まりすぎていた糸が1本1本解けていく感覚がありました。
たとえば、あきらさんから提案してもらった中でも、対話の工夫としてはじめて良い結果を生んでいる「DOs/DONTs」という仕組みがあります。DOs/DONTsとは、相手へのしてほしいこと・してほしくないことを整理し、明文化したもの。
お互い共有してみると、喧嘩の原因の9割が、どちらかがDOs/DONTs を守れていなかったことにあることがわかってきました。
今でも喧嘩が始まると、ふとDOs DONTSに立ち返り、「宣言したことができてなかったね。ごめんね」「また、ついこのクセが出ちゃった」と、クールダウンすることが多々あります。(あきらさんとの2on1も、Dos/DONTsの振り返りから毎月話がスタートします)
ちょっとしたズレや、どうしようもない感情を、あきらさんという第三者がいるMTGで吐き出す。これは夫婦喧嘩を超えた、柔道や剣道のような「武道」のような感覚に近いかもしれません。
フェアな立場で受け止めてくれる、あきらさんがいる。客観的に関係性を見てもらいながら、対話が進む。「お互いをわかりあおうとすること」を前提に、自分自身と相手の思考・行動の癖を理解していく。意識的に自分を中庸に戻して判断・行動・発言する機会が少しずつ増え、これは経営者としての成長にも繋がっている感覚があります。
あきらさんの存在があることで、ふたりの関係が変わっていき、そして会社の組織も変わっていきました。2024年に入ってからは、あきらさんの役割を広げ、社員全員の1on1にも入ってもらうようになりました。
成長は螺旋階段
去年の今頃は「夫婦の対話」に向き合うことが多かったのですが、1年経って、夫婦の感情のズレなどに時間を使うことは極端に減りました。
「またDOs/DONTsのアレ、出てるよ」
「あ、気をつけるわ。報告ありがとう」
こまめに言葉をかけあって、絡まった糸もすぐほぐす。1年前に比べるとお互い、めちゃくちゃ大人になったなと感じることも増えました。
今はあきらさんと共に、「組織」をどう成長させていくのか、という話し合いを中心にMTGをしています。たまに、1年前の課題に戻っているのでは? と感じる時もありますが、そんな時にもあきらさんが「1年前とは全然違う次元で課題に向き合えてるよ」とコメントしてもらえることで、励みになります。
「同じ景色がまた広がっているように思えるけど、螺旋階段みたいに上に上がってるから安心しよう。成長は螺旋階段だから」
あきらさんの言葉で印象的だったこと。この2年、一進一退の状況が続くなかで、心が何度も折れそうになりました。でも折れなかった理由は、信頼できる「他人」がいたからでした。
あきらさんがいることで、会社について第三者視点からコメントももらうことができ、客観的な視点からモニラボを見ることができるようにもなりました。
今回、noteを書くにあたって、あきらさんからコメントももらったので、ここにご紹介させていただきます。
社員も3人から6人に増え、MorningLaboも創業10年目となりました。
社員・業務委託・クライアント・友人。会社内外の壁を設けずに、牧場経営的にいろいろな関係性を大事にしながら、これからも「あったらいいなはきっと叶う」に共感する仲間と共に、MoringLaboは進んでいきたいと思います。
夫婦経営プロジェクトもアップデートしていくので、また共有できたら嬉しいです。これからも応援、どうぞよろしくお願いします。
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