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【韓国ドラマ/愛の不時着】韓国にしかできないドラマ

韓国でtvN歴代ドラマ視聴率1位だったヒョンビンとソン・イェジン主演の愛の不時着。

Netflixでは韓国での放送終了後に配信が始まるドラマが増えてきてうれしい。

2月23日の配信開始から一気に見終わり、この記事を書き始めたものの下書きに保存してある間に日本でもとても話題になった。

まず、この記事はレビューというよりは個人的な感想を含む気になったことや調べたことについての備忘録なのでネタバレになるような内容も含まれる。
まだ見てない方がいたらご注意を。

最近私が見ていたドラマといえば、働く女性の恋愛や結婚事情などわりと親近感のあるものばかりだったので、久しぶりにこういう大胆でオーバーな設定の韓国ドラマ見たなぁ…と、まず思った。

あまりに有り得ない設定のドラマだとなかなかストーリーに入り込めないタイプだが、これは有り得なさすぎて面白かった。


愛の不時着を観る前によく奢ってくれる綺麗なお姉さんのソン・イェジンを観ていたので、役の変貌ぶりに最初戸惑う、、女優ってすごい。

お金持ちの財閥令嬢の設定はもちろん禁断の愛の規模がなんといっても北朝鮮と韓国。

放送中の韓国では北朝鮮を美化しすぎなんて意見も出たらしいが、これは現代のファンタジーとも言える。

南北統一って現実的じゃないと思ってたけど素敵かも…なんてつい思ってしまうほど。ドラマだから実現できた夢のような話かもしれない。

特別出演やくすくす笑っちゃうわかる人にはわかる小出しのネタも韓国ドラマ好きにはたまらない演出だった。

そういった面でもこのドラマは韓国人が見たら相当面白いんだろうなぁ、と思う節々がたくさんあった。

北朝鮮の言葉も新鮮で、韓国語とは違う北朝鮮独自の言葉も多く字幕に注釈にと目で追うのが忙しかった。

覚えている限り気になったものをメモ。

●北朝鮮では韓国のことをナムチョソン(남조선 )(直訳:南朝鮮)と呼ぶのに対し、韓国は北朝鮮のことをプッカン(북한)(直訳:北韓)と呼ぶ。
呼び方が統一していないのが不思議。

●名字の李(이)は韓国では"イ"と言うが北朝鮮では"リ"と言う。

「李」という姓は、元々朝鮮半島では「리(リ)」と表記され、話されていました。その後、韓国が「頭音法則」というものを採用し、「ㄹ」で始まる言葉を「ㅇ」にする法則を立てたため、「이」になった訳ですが(北朝鮮では「李」さんは、「리」さんです)、その名残が若干ある。

他にもユン・セリ(ソン・イェジン)と北朝鮮のアジュンマ達が本貫(姓氏が誕生した土地)について話しているところも分断国家ならではだなぁと思った。

●シャンパンは韓製英語では"シャンペン"というが北朝鮮では日本の和製英語と同じ"シャンパン"と言っていたのが気になった。

●名前の後につけるドンジ(동지)は社会的地位や階級が高い人目上の人に対して使いドンム(동무)は年下や年が近い人に対して付ける。
※ドンジの直訳は「同志」、ドンムの直訳は「友」

●大丈夫
北朝鮮語では일없소 (イロプソ)
韓国語は괜찮아요(ケンチャナヨ)  
※일(이) 없다は韓国語では「用事がない」という意味だけど北朝鮮では「大丈夫」という意味

●愛してる
北朝鮮語では사랑하오 (サランハオ)
韓国語は사랑해요(サランヘヨ)  
サランヘヨの響きって素敵だけどサランハオはさらにやわらかい印象が加わる感じがする。

他にも社会主義国ならではの言葉や聞き慣れない言葉が多くて「ん?今の言葉なんだ?」っていちいち一時停止して見ていた。

それから韓国ではチメク(チキンとビール)という言葉と習慣があるが、ドラマの北朝鮮ではタラメク(干し鱈にビール)で家飲みをしていたのも面白かった。

▼まさにタラメク中の場面


のちに必ず紹介したい私の人生ドラマと言える大好きなドラマ、応答せよ1988。
応答せよ1988にも出ていたキム・ソニョンさんも出演してたからなおさらこのドラマのことを思い出したのかも)

このドラマは1988年のソウルを舞台にしたドラマ。
現代には失われつつある近隣住民とのふれあいやまだケータイがない頃の恋愛など情緒あふれるシーンが多く描かれている。

日本でも韓国でも経済発展とともに便利に暮らせるようになっていくにつれ、人とのつながりが希薄になっている。

愛の不時着でも、北朝鮮の平壌は都会で現代の様子と違和感はないのに、市外の村では現代では考えられないほど簡素な暮らしが描かれている。

ドラマを観る前に買ったPenの北朝鮮と韓国の特集でも北朝鮮の今の写真はノスタルジックな印象だった。関連記事はこちら。

応答せよ1988愛の不時着で描かれる北朝鮮の村も日本でいう昭和のような懐かしさを感じた。(平成生まれなのであくまで雰囲気)

愛の不時着の場合、88年ではなく現代を描いているのに、近隣住民との助け合いやお節介がむしろ豊かに見える。

日常にも恋愛するにも今では必須のスマホも北朝鮮では自由に使えない不便さがまた昔のような情緒を感じる部分でもある。

現代にアナログな恋愛をしているところはとにかくロマンチック。
頻繁に起こる停電も素敵な演出となっていた。
(実際は不便だろうけど、、)


それが実際の北朝鮮なのかはわからないが、脚本には北朝鮮の脚本家も参加したようなのである程度忠実に再現しているよう。

どこまでがリアルでどこまでが演出なのか、調べたらキリがないので詳しくは調べてないが、こうやってドラマでまだ謎の多い北朝鮮を知ることで興味深く観ることができた気がする。

このドラマは韓国ドラマ特有の禁断の愛、出生の秘密、事故という三大ポイントもしっかりある王道の韓国ドラマで、もちろんいいドラマだったけど、正直な話このドラマは個人的に北朝鮮のシーンの演出がとにかく興味深く、1番面白かった。

ずっと軍服姿だったリ・ジョンヒョク(ヒョンビン)がソウルに行ってからのスーツ姿もかっこよかったけど。


私は韓国ドラマの特別出演が大好きなので、一番テンションが上がったのはやっぱりチェ・ジウですね。この時妊娠中です。優しい。美しい。


しかも天国の階段のクォン・サンウのパロディ。笑った。

このニット帽もこの泣き方も覚えているよ…


愛の不時着の脚本家がプロデューサー星から来たあなたの方なのでどこかで出るかなと期待していたキム・スヒョンも映画「シークレット・ミッション」の中のドングのキャラクターで登場。


またtvNのドラマは映画のような映像の綺麗さや撮り方もとにかく美しくてスイスの映像も綺麗だった。
一体制作費はいくらなんだろう。
トッケビ太陽の末裔あたりからtvNのこの手のドラマは規模が大きすぎて観ているだけで本当に贅沢な気持ちになる。

OSTもユン・ミレ、Davichi、Crushから10cmにIUまで。

南北分断という特殊な環境だからこそできたこのドラマは韓国ドラマ史上特別なドラマだと思うし、これぞ韓国にしかできない韓国ドラマだと思った。

おまけ

韓国にしかできないドラマで思い出したドラマがある。

サバイバー 60日間の大統領/60일지정생존자 

韓国:2019年7月放送 tvN

日本:Netflix

キャスト: チ・ジニ、イ・ジュニョク、ホ・ジュノ、カン・ハンナ、ペ・ジョンオク、キム・ギュリ


あらずじ
大統領、首相、大臣たちが一堂に集まる国会での大統領の施政演説中、突然、国会議事堂が爆弾テロにより崩壊するという大惨事が発生し、その場にいた大統領、首相をはじめ、政府要人の大多数が死亡してしまう。大統領補佐の継承順位12番目にあたるパク・ムジン(チ・ジニ)は、60日間の大統領権限代行に指定される。パク・ムジンは戸惑い、苦悩しながら、大統領権限代行を務めるが、そんな中、生存者はゼロと思われたいた現場から国会議員のオ・ヨンソク(イ・ジュニョク)が救出される。一方、国家情報院対テロチームの分析官のハン・ナギョン(カン・ハンナ)は、爆破テロに巻き込まれて死亡した婚約者の残した手掛かりから、テロ事件の真相を暴いていく。


アメリカABC放送局の人気ドラマ「Designated Survivor(邦題:サバイバー: 宿命の大統領)」(キーファ・サザーランド主演)を韓国の状況に合わせてリメイクしたtvNのドラマ。
アメリカの方は見たことないけど、多分こっちの方が面白いと勝手に思ってる。

こちらも少し北朝鮮が絡む話になっていて、独特の緊張感や雰囲気がある。政治問題とテロ捜査が絡み合いながら進んでいくストーリーにどんどん引き込まれていく。
誰が味方で誰が敵かわからない面白さと、俳優たちの演技も素晴らしい。

パク・ムジン(チ・ジニ)の自分の信念を曲げずに潔白な政治をしようとする姿にはぐっとくる。韓国の政治事情も知れる面白い作品。

さて、Macbookを手に入れたので記事をどんどん書いていく予定。

열심히 하겠습니다…(がんばります…)




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