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「感動して泣いた!」という研修を受けてはいけない

ダルビッシュ選手のこの記事が物議を醸しています

アメリカには根性論のような考え方がないのに、なぜそんなに優秀な人材が生まれるのか。それってきっと、人生でたくさん訪れる苦しい場面を乗り越えていくための打開策を、自分自身で考えているからだと思うんですよね。

私は、この考えに全面同意で、自分がつくっている研修プログラムも、根性論を排したカリキュラムにしています。

徹夜した!感動して泣いた!は、ブラック企業の入り口

研修プログラムには、道ばたで大声ださせたり、山ごもりさせたりと、参加者を精神的、肉体的に追い込んで感動させて、洗脳するプログラムがあります。

以前、餃子の王将の研修の動画が公開されて物議を醸しましたが、こういう研修はいわゆるブラック企業がよく使います。
仕事のしかたに疑問を持たず、長時間壊れるまで働いてくれる人材を使い捨てるのがブラック企業だからです。

学生向けの海外研修プログラムやスタディツアーにもこういうものがあります。
参加者の感想が、
「徹夜で頑張った!」「発表会で感動して泣いた!」「生まれ変わった!」
みたいなことばっかなプログラムは、大体これです。

やることを詰め込み、睡眠時間を減らし、判断能力を落とし、一度本人を否定し、懺悔・告白させ、最後に褒めると、生まれ変わったような気になるのです。

このようなプログラムで、燃え尽きて、帰りの空港で自殺者がでたことがあるという話も聞いています。


じゃあ、何を学べばいいの?

私は、体力を使って、たくさん業務をこなすことで突破口を開くことを完全否定しているわけではありません。一時的なハードワークが必要になるときもあります。

しかし、ハードワークをする前にやらなくてはいけないことがあります。
方向性を決め、やり方を考えることです。
どの道を走るかを決め、その道を整地してから、全力疾走するべきなのです。

例えば、私がやっているサムライカレーで、コンサート会場で販売をしたのですが、初日全く売れなかったということがあります。

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売り上げ目標達成のために「翌日、朝から晩まで売りまくる」なんてことをしても、きっと目標は達成できません。
大切なのは、なんで売れなかったかを考えることです。

最初に、マーケティングの4Pという要素を教わっており、それら一つ一つの要素に問題がなかったかを考えていきます。

Product 製品
商品(焼き鳥)は前日の試食会で概ね好評。焦げがある部分を嫌がる人が多かったので、焦げ目もなくした。

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販売当日も、無料で試食をしてもらう分には好評なので、問題ない。

Price 価格
売れなかったので、原価ギリギリまで下げたが、売上数量は変わらず。
周りの競合店も同じくらいの価格のため、問題はない。

Place 場所
初日はコンサートの前夜祭だったため、人は少なかった。
2日目は本番のため、人手は改善される見込み。

Promotion 販売方法
1万人くらい人が来るコンサート会場では、外国人は我々だけ。
来ている人も、外国人慣れしていない人が多く、英語も通じない。
そのため、お客さんが我々を怖がってあまり近寄ってこない。

ここまでわかれば、改善策は見えてきます。
お客さんとのコミュニケーションがネックになっているので、それを解消するために、カンボジア人を雇えばいいんです!

実際、試食会に来てくれたカンボジア人に声をかけてバイトとして雇い、彼らにお客さんへの商品説明をしてもらい「これは日本から来た学生がつくった日本の焼き鳥なんだ」ということを伝えてもらったら、販売数は爆増しました。(1日目の20倍売れた)

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もちろん、販売時は、雇ったカンボジア人と一緒に会場じゅうを歩き回るという形で体力も使っています。
しかし、大切なことは、闇雲に行動量を増やすのではなく、何をすれば一番効率よく目標達成できるのかを考えてから、行動することなのです。


考えない人はブラック企業に行く

ものを考えず、行動しかしない人は、ブラック企業からしか内定がもらえません。
そして、きちんとものを考える人は、ブラック企業の労働者を集める面接では落とされます。
まともに考える人がいると、その人が考え、扇動するようになった場合、ブラック企業内で革命を起こされかねないからです。

考える方法を習い、それを実際に実行し、効率よく仕事をした実績さえあれば、効率よく働く人を求めているホワイト企業に入れるのです。

社会人になってからも、毎日徹夜して、心揺さぶられて感情的になりながら仕事したくない人は、インターンシッププログラムに参加する前にも、しっかり頭を使いましょう。


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