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今年一番、「考え行い話し書いたこと」をまとめてみた件。

2022年の1番は、「5つ」が同率1位でした。

5つ、それぞれバラバラというよりは、「一連のこと」だったりするので、そういった意味では、1つのことを言っているのかも知れません。いずれにしても、今年、「新規事業を生みだすために大事」だと考え行い話し書いたことを、まとめてみました。(ちょっと長いです。5,014文字。途中で書籍のPDFデータプレゼントURL掲載あり)

【1】意志がすべて

5つのうちの1つ目は、「意志がすべて」です。「起業は意志が10割」という書籍を出しているくらいですから、「意志」という言葉は、本当によく使っています。

ただ、じつは闇雲には使っていなくて、とあることが原因でその回数が増えています。それは、「目的より手段が先、行動よりも理屈やテクニックばかリ、自分事じゃないから踏ん張りがきかない・・・」という一番大事な主従を間違っている人(会社、組織)に会うことが多く、その度に「手段や手法は枝葉。大事なことはソコジャナイ」ということで「意志」の重要さを伝えていて、勢い、機会が増えてしまっているのです。

人のマスターリソースは意志です。意志なき挑戦は、根を張っていない木と同じで、どんなに立派なものを生やしても、すぐに倒れてしまうのです。では、なぜ、そんな初歩的で当たり前すぎる部分を間違うのか?

それは、「本業の汚染」が原因の原因だと思っています。

就職するということは、たいていの場合、「本業がある会社に入社すること」と言い換えても良いのではないかと思います。「本業がある」ということは、商売が回っているわけで、だから会社は給料の支払いを保証しているし、だから我々は労働力を提供するわけです。

では、その「本業がある」ということを、別の角度から解像度を上げてみると、例えば、車を作っている会社に入れば、既知の事業の既知の領域で、車の部品を作る部署や工場に配属されて、決まった型に則り、担当範囲を誠実に遂行することが求められます。「細分化された特定の部分」の効率性を上げることや完成度を上げることを担うのです。もちろん、新入社員だけが「本業のパーツ」なわけではなく、先輩も、上司も、上司の上司も、取締役でさえ「管掌範囲を任期の間だけ」だったりするのです。

一方で、新規事業は未知の領域で、試行錯誤して生み出すことが求められます。「誰の、何を、どう解決し、どう儲けるのか」「コト、ヒト、カネ、あらゆるリソースを、いつどうやってどれくらい調達するのか」、これらすべてを全俯瞰しながら、自分事として向き合っていく必要があるのです。勝ち筋に至るまでには、試して、試して、試しまくることが基本行動。そして、それらが簡単にうまくいくことは少なく、頑張って、頑張って、頑張った挙句、どうにもならないこともあるわけです。だからこそ、事業を創るには、「意志」というマスターリソースが何よりも大事なのです。

この「本業と新規事業の真逆すぎる差分」が「本業の汚染」となり、意志なき起業という悪手中の悪手を生み出してしまうのです。

ちなみに、「とは言え、意志と言われても・・・」という方もいると思います。そのときは、「自力が難しいんだったら他力もあり」なんじゃないかと。どういうことかというと、良質な仲間がいる場所には、激しい上昇気流が吹き上がっている、ということです。激しい上昇気流が吹き上がっているのですから、自らが熱量を発揮して登り上がっていこうとしなくても、そこにいるだけで上の方に舞い上がっていけるのです。基本的に人はヒトに影響を受けるものなので、誰かの「熱」に魅力を感じたならば、一旦その「熱」を気にしてみる。一生懸命頑張っている人、つまりリーダーシップを発揮している人に、フォロワーシップを発揮してみる。話しを聞くもよし、手伝ってみるもよし。副業がOKなら正々堂々、副業がNGならボランティアすればイイのではないかと。もしかしたら、そうした中で「熱量」が移って、自分も頑張ろうと肚が決まるかもしれないですし、自分は別のことやろうと肚が決まるかも知れないのです。

ちなみに、この「意志」を中心としながら新規事業において大事なことを伝えている、「起業は意志が10割」の第1章「起業に大事な9つのポイント」の全文98頁(書籍の約半分)を、2023年1月3日までダウンロードできるようにしてありますので、ご覧いただけたら幸いです。

【2】おこなったようになる

5つのうちの2つ目は、「人は、考えたようにならない、おこなったようになる」です。意志を持つことで起点が定まったら、次に必要なことは「動く」ということです。起点も定まっていないのに動くと、それは「さ迷う」になってしまうのですが、自力であろうと他力であろうと「これをやろう」って思って動けば、さ迷うことはありません。だから、意志をもったら、サッサと動くが吉なのです。

では、「おこったようになる」とはどういうことか。

例えば、今日チャンスをスルーした人が、「今回はスルーしただけ、もっと良いチャンスがきたら、そのときはスルーしない」と言ったとします。しかし、そうはならないのです。スルーしたということは「チャンスを掴まないということを身に付けてしまった」ということなのです。チャンスを掴まないことを身に付けてしまったのだから、その後、人生最大のチャンスが訪れても、残念ながら掴まずに逃がすようになってしまうのです。逃がしグセがついているので。

とくに今は、時代の変化が早くなっているので、時代が進んだ以上に進まないと遅れていきます。思い切って進んでようやくトントン。留まっていたらたちまち遅れてしまうのです。変わらないためには、変わり続けていくこと。自分のためにも「動かないという選択を捨てる」ことが大事なのです。

【3】勝ち筋

3つ目は、「勝ち筋」です。勝ち筋はその事業が成長、成功するための戦略ストーリーのことです。だから、事業開発のプロセスは、勝ち筋を構築するプロセスだと言っても過言ではないのです。

「意志をもって動いても」、事業が成長も成功もしないような動き方は、ビジネス上は意味がありません。「勝ち筋」に、1歩でも2歩でも近づけるように、日々、頑張り、努力をする必要があるのです。

ちなみに、「勝ち筋」を因数分解すると、「勝利の物語+勝利の数式」に分かれます。「勝利の物語」は事業の成長と成功の肝を文章で表したもので、「勝利の数式」は数字で表したものです。これについてさらに詳しく知りたい方は、「ラクスルの初期の初期の勝ち筋の原型」について詳細を投稿していますので、ご覧いただけましたら幸いです。

勝ち筋とは

ちなみに勝ち筋は、「創って終わり」ではありません。事業立上げ初期における最大の問いが「勝ち筋が創れるか」だとしたら、確からしい勝ち筋を手にした後は、その勝ち筋を「磨く」ことが必要になります。勝ち筋を創るのは大変なことですが、勝ち筋を磨くのも、負けず劣らず大変だったりもします。なぜなら、磨くときに99%の可能性で「スケールデメリット」に見舞われるからです。これについても、気になった人は「スケールデメリット」のコト・ヒト・カネにまつわる失敗事例を投稿しているので、ご覧いただけましたら幸いです。

スケールデメリット

【4】解像度

4つ目は、「解像度」です。これは、これまでの3つ、「意志をもっておこない、勝ち筋を創り磨く」を正しく進むために欠かせない、とっても重要なことだったりします。そして、とっても大事で欠かせないことであると同時に、「自らが本当に解像度を上げたいと思い、そのために必死に動けば、解像度は自ずと上がる」という側面があったりもします。最終的に事業が成功するかどうかは、たくさんの運などに左右されてしまう、ということに比べたら、この確からしさは魅力的です。

だから「解像度はどうやって上げればイイですか?」という質問には、「動けばイイだけ」と答えています。お腹が減ったら食べ物を探すし、のどが乾いたら飲み物を探しますよね? そして、食べ、飲むことが出来るまで、いろんなことをすると思うのです。それと同じように、解像度を上げるためにあらゆることをすればイイだけなのです。顧客の解像度をあげたいなら、顧客の深いところを理解できるまで顧客に触れまくればイイだけなのです。なのに、動きもせずに解像度を低いままにしている人が多い。これもまた、「本業の汚染」だと思っています。

本業、つまり既存事業に携わる人たちは、もう既に事業の解像度がMAXまで上がっている環境なので、それを教えてもらい暗記して覚えることから入ります。本業においてはそれで間違いないのですが、その結果、「自ら解像度を上げること」を経験しない時間ばかりを過ごし、結果、上げればいいだけなのに「上げられない」という状態になってしまうのです。腹が減ったら食べ物を探せばイイだけなのに、目の前に食べ物が出てくることばかり望んでいて、やがて弱り、いざ探そうとしても、もはや探せない、ということになっているのです。

ちなみに、解像度には、いくつかの重要なアングルがあるのですが、そのなかでもとくに大事だと思っているのは以下の3つの解像度です。

①自分の解像度

②事業の解像度

③顧客の解像度

解像度に関しては、下記にも投稿をしていますので、気になった方は、ぜひ。

「解像度を上げるにはどうしたらイイですか?」の質問に答えてみた。

顧客解像度の最初の一歩

34分類、860パターン、800垓

【5】量稽古

最後、5つ目が「量稽古」です。そもそも新規事業は「多産多死」で、十中八九うまくいきません。しかしながら、十中八九うまくいかないということは、10個生めば、1個か2個はうまくいくということです。こんなに希望の持てる確度の高い必勝法はありません。

では、どうやって量を重ねていくと、より良い結果が得られるのか。

それは、「たまたま当たった1個に汎用性を求める」のではなくて、「みんなが失敗する8個や9個に汎用性を求めた方がいい」のではないかと思っています。多死を経験した末に見えてきたものを「やらなければいい」ということです。たまたまの1個よりも、みんなが経験する9個ですから、経験値を積みやすく共有もしやすいはずです。そうしていくうちに、うまくいく1個や2個に寄っていくことになり、最終的に十中八九ではなくて、2つに1つぐらいの割合で成功するようになっていく、そんなイメージです。実際、守屋は39社に投資(参画)をしているのですが、現時点で、7社上場、2社売却していて、8社が上場準備に着手しています。もちろん、今年投資(参画)した先もありますから、上場や売却の比率はもっと高くなるはずです。

ちなみに、量稽古でもう一つ重要なことは、「試して試して試し切る」試行錯誤の「桁」を間違えないことです。たとえば顧客へのヒアリングとして「3人の顧客に聞きました」とか。「いやいや100回くらい聞いてくれ」と思うわけです。1桁間違っているならともかく、2桁間違っています。「100件の顧客にヒアリングしましょう」というと、「そんなにたくさん・・・」と思うのですが、でも、新規事業チームが3人だとしたら1人33件聞けば良いだけです。1ヶ月30日なので1日1件聞くだけで終わるレベルです。このオンラインの世の中であれば、1日に5件ぐらいは聞けるので、だとしたら1週間で完了なのです。だから、100件は別に大した話ではないのですが、なぜか2、3件で終わらせてしまう。この「桁を間違えるな」というのは大事なポイントなのです。なにしろ、「量稽古」なので。

まとめ

ということで、「今年、一番、考え行い話し書いたことのまとめ」でした。全部で5つ、同率1位というか、セットで存在していることだからセットで考え行い話し書いている、ということなのかもですが。

「意志がすべて」「おこなったようになる」「勝ち筋」「解像度」「量稽古」です。そして、もう1つだけ、最後に。「意志ある先に道は拓ける。前に進む人の前に道は拓ける」

来年は、今年までの積み重ねのさきにあります。これまでの最高を更新する、より良い2023年とするためにも、残り数日の2022年の日々を、意志をもって歩んでいきましょー!


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