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#006 -Magentaの考察

TAKAHIRO MORIYAMA
"MADE IN HEPBURN/BOAT"

MADE IN HEPBURNとして2020年5月頃リリースした"Magenta マゼンタ"の事を当時のことを振り返りながら書き溜める。
リリース順にしようかと思ったが、スターウォーズとかマーベルの映画みたいに時系列を後々紐解いていく?のも面白いと思い、順不同に思い出すことにしました。

この曲について以前Block fmにコメントも書かせてもらったので読んで欲しい。

当時このコメントの一文がこれ
↓下記一部抜粋

オントレンドとかトラッドだとか
そう言ったテーマ性の楽曲が用意されて、
意図されて聴かれる日常の中で一種の違和感としてこの楽曲で遊んでもらえたら何よりです。
block.fm 自分のコメント一部

いやぁ、偉そうな事コメントしてますねえ。

ビートが良いとか、なんかチルいみたいな感じとかヒップホップ、シティ、アーバン、ネオ〇〇とかの括りとかカテゴライズ感が妙に気になっちゃう時期だったのでしょう。

めっちゃ分かりますね。
今も昔も同じ様なこと自分も誰かも友達とかもやっぱり思っちゃいますよね、音楽作ってる中での生理現象っす、もはや健全な思考。

そんなMagentaですが、
最初の方はもう少しtype beat寄りでサンプリングっぽさがある曲な記憶があったので
楽曲が出来上がるまでのボイスメモやスタジオで録音したテイク、歌詞のメモを色々と遡ると
そこには相当な数のお蔵入り楽曲が発見されました。(成仏するのかな)

その中で生き残って?いたのがMagentaと後にリリースされるpoolsideで、いずれも恵比寿のBATICAでイベントした時に初めて演奏したような覚えがあります。
書くにあたって色々思い出してたんですが、びっくりする程に思い出せないですね。2019年〜2020年前半の記憶。
こうやって記事にするの本当大事だわと、まさに実感しちゃいますね。


それもそのはずTouchという楽曲を書いてからというもの自分の中ではなんだかやり切った感?完成した感?が充満していて、Kenichiro Nishiharaさんとのリテイクバージョンのtouchedではボーカルも録り直したりして、自分の曲は自分だけのための曲では無いことを感じていきます。
順調?に自然?に音楽との向き合い方に変化を感じていた頃でした。
同時にその頃BOATが着々と発足されていきます。それが起因してか、ライブはやってたけど制作はしてなかった気がする。(いや、ブラックな謎仕事が大変だったのかもな)

そんなTouchを作ったあとしばらくまともに歌詞が書けなかった時期があって、その時に絞り出したのがこのmagentaでした。

意味なんて無さそうで隠れたメッセージがある風なキーワードが飛び交う作品ですが本当に言いたかったことってやっぱりそんなに複雑じゃなくて
どんな日でもまた色んな朝が来るよ〜的な。
そんなことを言いたいがために4分間くらい音に乗せて歌ってました。

特に"フレイバーテキストみたいな朝"っていう回りくどい言い回しが気に入ってます。
フレイバーテキストってカードゲームで使う言葉で、遊戯王とかMTGで登場するモンスターカードとかで、それ以外にゲームへの効果や影響が無いカードの説明欄にある謎のエピソードやカードの世界観やポエムみたいなののことなんだけど、
それぞれのカードにストーリーがあったり世界観に良いエッセンスがそれによって追加されるんです。
カードの世界なのに色々考察が広がっていいなと、そんな意味を含む言葉が突然歌詞に登場するの違和感あっておもろい!
絶対使お!
って思ったのがお気に入りの理由です。
なんかそもそも歌詞っぽいんですよね、色んなカードのフレイバーテキストそのものが。(気になる方は調べてみてね)

ほら側にあるさ 
案外フレイバーテキストみたいな朝なら
飛ばされたまま散乱して困る夜を手探る、そっと
フレイバーテキスト風に見る マゼンタの歌詞

そして、楽曲に関しても サンプリングとか音源データをベースに作曲とかにちょっと飽きてたところがあったんですよね、個人的に。(多分)

楽器が演奏できるメンバーばっかりいるのにわざわざサンプリングとかネットでわざわざシンセのフレーズとか入れ込まなくても、メンバーみんなでセッションした時のテイストを優先してやってみよっか?みたいな意識になってた気がします。
ボーカルのテイクも結構ラフ感ある感じで歌ってみたり
実験的なエッセンスは他にも色々あって、口笛入れてみたり、謎の二胡?シンセのリフがあったり、ずっと良い木のカチカチ的な音が陽気に入ってたりと。
なかでもJEFFのギタープレイが終始いい感じに謎めいてて光りますね。
グルーブを意識した結果浮かんできたギターフレーズな気がするんですけど
終始ドラムが休符の度に謎のフレーズがぶち込まれ続けられててオモロいですね、よくこれ考えたな〜と改めて聞くと実感します。

リリースにあたってジャケットをTODAY BY ARTくんに頼んだもこの作品がはじまりでした。
彼は自分でも公表してるのでここの記事でも書きますが
彼は色弱持ちでいろんな色がみんなとは少し違う色で見えているそうです。
そんな彼にマゼンタっていう色の名前がタイトルのジャケットを頼むというなかなかに畜生な自分ですが、彼が思うマゼンタをカラフルに描いてもらいたいとお願いすると快く作り上げてくれました。
ジャケットの下地はベージュでモノトーンベースな色合いで、そこに彼の描いた絵をスキャニングしてはめ込んでもらった時にめっちゃミスマッチ感が良くて感動したのを覚えています。

こうやって、意図的な?リリースまでの沈黙を、あらゆる形の違和感で表現しながらマゼンタは完成していきました。
でも、こんなコンセプトみたいなものって正直この曲を聞く上で一つも知っておく必要がないと思っているし自分は聞く人にそれを望んではいません。
3回は見た映画を見るときみたいな気持ちでマゼンタを聞くときに新たな発見をしたいときにでも、って感じです。

曲がリリースされるまでのエピソードって、やっぱり色々ドラマチックで良いもんですね。他の曲についても気が向いたら。。


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