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化学のモノのスケール

化学の世界では「ナノ」や「マイクロ」といった小さいモノの大きさを表す言葉が出てきます。

これらがどれくらいの小ささなのか具体的なイメージがわくでしょうか?

ここでは、化学物質を作っている小さな粒である「原子」の大きさを基準としてモノの大きさを考えてみます。原子の大きさを知ることで、原子の組み合わせから成り立っているさまざまなモノの大きさがみえてくるはずです。

原子の大きさ

いちばん単純な原子である水素原子の大きさは、なんと0.0000000001 m(10のマイナス10乗メートル)ほどと非常に小さい。けれども、とても覚えやすい大きさです。原子の組み合わせでできている「分子」は、これよりも大きくなるだろうという基準になります。

ちなみに、小さい長さはm(メートル)の前に文字を付けた表し方があり、

・1 mm(ミリメートル)は10のマイナス3乗メートル
・1 μm(マイクロメートル)は10のマイナス6乗メートル
・1 nm(ナノメートル)は10のマイナス9乗メートル

ですから、水素原子の大きさをナノメートルとして表すと0.1 nm(ナノメートル)です。なお、原子の種類ごとに大きさは異なりますが、およそ0.06~0.6 nmの範囲になります。

原子の組み合わせからなるモノのおおきさ

酸素原子1個と水素原子2個からできている水分子(H2O)の大きさは0.3 nmで水素原子より少し大きいサイズ。

水分子よりも多い原子からなっている分子、たとえばアミノ酸の組み合わせからなるタンパク質数~数十nmの大きさです。

ナノメートルは分子のスケールです。

RNAやDNAとそれを包むタンパク質からなる構造のウイルスの大きさは数十~数百nm

自分で増殖するための部品を持つ細菌の大きさは、ウイルスより大きい数μmとなり、マイクロメートルのスケールになってきます。

ここまでの大きさのモノは目に見えません。

髪の毛の太さが0.08 mm(80 μm)程度だそうですが、この大きさになるとようやく見えてきますね。

まとめ

ナノスケールは原子や分子の大きさを考えられるスケール。

マイクロスケールは細胞などのスケール。

ミリスケールに近くなると目に見えてくる。

このように、原子の大きさからスタートしてモノの構造から大きさをイメージすることができます。

今回紹介した以外にも、モノの大きさが気になったらこの考え方を使ってみてはいかがでしょうか。


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