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【そして思い出し笑い〜こんな子、育てましたけど】 #32 もし、就職できなかったら…

なんとか軌道修正させながら
彼女のスカタンな就職活動は
続いていました。

並行して、私は
このまま就職できなかったら…
という最悪の事態を仮定して
動き始めていました。

うちの場合、学校には恵まれていました。
小学校も中学校も高校も短大も
先生方が親身になって
相談に乗ってくださる学校ばかりで、

お勉強はできないながらも、
どうにかこうにか進学してきました。

でもね。

学校と社会とはちがいます。

学校では、お客様でした。
社会では、そうはいきません。

社会人になれない、
ということは
自立できないということ。

何かしらの社会的な援助が必要だ、
ということです。

知的障害のある娘ちゃんをもつ友人に
長女の就職活動の様子なども話し、

このまま仕事が見つからなかった場合
どうすればいいのか相談して、
地元の障害者支援施設を教えてもらいました。

「あそこの先生方なら、
すごく親身になって聞いてくれると思うよ」
と、電話番号を教えてもらい

私は、その電話番号を握りしめたまま
長女の就職活動
(そのころにはもう、バイト探しでした)
を見守り続けました。

3月に短大を卒業しましたが、
4月にはまだ決まっていなかった、と
記憶しています。

5月になって、ついに
ある居酒屋のチェーン店のキッチンで
バイトできることに!!!

いやあ、うれしかったですね。

どうにかこうにか、
自分で収入を得る道を
見つけてくることができたんですから。

そこは、朝5時まで営業している居酒屋で
仕事はそこそこハードでした。

でも、そんなことより
この子も自分で
収入を得られるんだ!!! という喜びが
大きかったのを覚えています。

もちろん、
続けられるかどうかの心配はありました。

でも、とにかくまず
バイトに出ることに成功した!

この子も、自分自身の力で
収入を得ることができるんだ!!!

思うに

子育てで一番しんどいのは
「待つ」ことと「見守る」こと。

長女の教育に関しては、
ひとりでやらせるのは
ちょっとハードかな…という場面も
いっぱいあって

必要以上に
手を出してきた私だけれど

それでも結局は、
本人の心からの納得がなければ
物事は動かない。

仮に、親の思い通りに
育てることができたとして

そのために、「本当の自分」を生きることができず、
「私はこれでいいんだろうか?」という思いを
抱えたまま大人になった人が
あまりにも多すぎる…。

長女の場合は、
高2の担任の先生の
「歯科技工士を目指したら?」という提案も
私の「工場勤務とか、向いてそう」という意見も
ぜーんぶ無視してもがき続けたわけですが

そのおかげで、最終的には
自分の納得できる職場を
見つけてくることができて

親のコネで就職口を紹介したのでは得られない
貴重な成功体験を手にすることができたのでした。

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