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【そして思い出し笑い〜こんな子、育てましたけど】 #22 得意なことは、ひとつだけありました

これまで書いてきた長女像と言えば
あまりお勉強もできず
小学校ではイジメに逢い
閉所が苦手でエレベーターにも乗れず…

と、マイナスイメージばかりですが

ひとつ、得意なこともありました。

それは、
料理を作ること。

長女が小学校4年生だったある日、
私の仕事場でアクシデントがあり、
どうしても晩ご飯までに
家に帰れない事態が発生しました。

冷凍庫には
生協の焼おにぎりが入っているはず。

とりあえず、あれを
食べてもらうしかない…と思い、
長女に電話。

おにぎりをチンして
3人で食べておいてほしい。
おかずは、帰ってから
お母さんが作るから…
と頼みました。

で、帰ってみたら。

「おにぎり、チンして
3人で食べといたで。

ほんで、冷蔵庫にウインナーあったから
それもフライパンで焼いて食べてん。

あと、野菜も食べなあかんと思って
ボリボリきゅうりとボリボリ人参も
食べといたから」と言うのです!

ボリボリきゅうり、
ボリボリ人参というのは、
時間がない時の超お手軽メニューとして
当時、たびたび食卓に登場していた
野菜スティックのこと。
細長く切って、
マヨネーズを付けて食べます。

焼きおにぎりをチンして、は
私が指示しましたが

小学4年生なりにいろいろ考えて
ウインナーやスティック野菜も
テーブルに出していた。

驚きました。

ふだん叱ってばかりの長女を
この時ばかりは、
思いっきり褒めたのを覚えています。

「すごいやん、おかずも完璧やん、
お肉も野菜もあって
栄養バランスもばっちりやん〜」

てな感じで…。

そこから、長女は
ちょくちょく料理を作ったり
バレンタインデーには友チョコを作ったり

中学生ぐらいになると
「自分の得意は
料理やお菓子作り」と
言えるようになっていきました。

長女が料理にはまったのには
もうひとつ、理由があったのでは…
と、私は思っていて

それは、私が
料理が苦手だったってこと(^ ^;;

どうも、長女ってヤツは
母親に対抗心を燃やしているんじゃないか…
と思うことがあります。

お母さんは、昼間は仕事に行ってて
いつもバタバタ帰ってきて
いい加減な料理を作って、
家事はぜんぶ苦手、と公言してる。

でも、自分は
料理が得意かもしれない。

料理だったら
お母さんに勝てる!

…と、そんな風に思ったんじゃないかと
勝手に想像しています。

ちなみに、末っ子の長男は
お母さんにくっついていたい気持ちが大きかったのか
手伝って、と頼むと嬉々として
私の隣で手伝ってくれました。

長女は、
「手伝って」と言われるのはキライで
「なんでウチばっかり!」と
不満タラタラでしたが

私がいない時などに
「作っといて」というのはOKでした。

あれやこれや指図されず、
自由に作れるのがよかったんでしょうね。

大きくなってからは
本やネットでいろいろ調べて
私なら絶対に作らないような
野菜の肉巻きなども
作ってくれるようになり、

「そんな面倒くさいこと、
せんでええのに〜
野菜も肉もざくざく切って
炒めといたらええのに〜」などと言うと

「お母さんてさあ…

なんでそんなに
肉で巻くのが面倒くさいん?」

と、真顔で聞かれたりして。

とにもかくにも、この経験は、
大人になってからの彼女の人生に
大きな影響を与えることになりました。

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