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【そして思い出し笑い〜こんな子、育てましたけど】 #30 芸能人になりたい長女の就活は…

幼児教育科に通ったものの
保育士も、幼稚園教諭の資格も
取らなかった(取れなかった)長女。

「資格取得の単位はもう取ってない。
先生からは介護実習に行ったら、と言われた」と
カミングアウトされた翌日、

私は、ゼミのF先生に電話して
いろいろご迷惑をおかけしたお詫びと、
介護実習についてのあれこれを
お聞きしました。

F先生は、ピアノが専門の
キリッと美しい女性教授。

本当に、親身になって
話を聞いてくださいました。

長女が介護の仕事に就く、というのは
私にはぜんぜん
ピンときませんでした。

人付き合いが苦手で
これだけいろいろやらかしてるのに

がっつり人と向き合う介護の仕事が
長女にできるとは
とうてい思えない。

先生も、
「そうですよねえ…」みたいな感じで
お互い、途方に暮れてしまう展開に。

その先生、最後にひと言
「とにかく、私が責任を持って
卒業だけはさせますから!!!」と
おっしゃってくださいました。

ううう…
なんて親切な…

ここまでがっつり
親の話を聞いてくださって

せめて卒業だけは責任持ちます!って
宣言してくださる教授…

ありがたすぎます。

結局、介護実習には参加せず
一般の就職を目指すことになりました。

こうやって夏が過ぎ

秋の学園祭でのこと。

この頃、長女が仲良くしていたのは
ちょっとメンヘラ気味の
アニメオタク、Kちゃん。

Kちゃん、何を思ったのか
「一緒に学祭にエントリーしよう。
私がピアノ弾くから
歌ってよ」と誘ってきたらしく

長女、なんと、学祭で
アニソンを歌うことに…!!!

まあね。

小学校の時の応援団と言い、
芸能事務所事件と言い、

やっぱり、
人前で歌ったり踊ったり、
ホントは、やりたい子だったんでしょうね。

そんな長女を見たい!と
だいぶ食い下がったのですが

長女からは
「絶対に見に来たらアカン!!!」と
きつく言い渡されていたので
その日は行かず

翌日(学祭2日目)は、ゼミの模擬店で
揚げパンを売る…というので
ちょこっと覗きに行ったら

偶然通りかかったF先生に
呼び止められました。

「ちょっとお母さん!
昨日、来られてました?
娘さん、昨日
ステージで歌ってたんですよ!!!」

うん。驚かれるのも
無理はないです。

保育実習に行っても
挨拶もろくにできず、
とにかく「大人しい子」と
言われ続けてきた長女が

いきなり、黒のミニスカートはいて
マイク持ってアニソン歌ったら…

そりゃ、びっくりするわな(- -;;

「ああいうのが好きな子だとは
ちっとも知りませんでした。

こんなこと言ったら、お母さん
怒らはるかもしれませんけど

私、メイド喫茶で働いてる娘さんを
想像してしまったぐらいです」。

私、この言葉を
長女に伝えました。

「先生、めーっちゃ
びっくりしてはったで。

なんなら、メイド喫茶でも
働けるんちゃうか、やて(笑)」。

私はね。褒めたつもりだったんです。
ふだん、叱られてばかりの長女に
「なんか、すごかったらしいやん!」
って伝えたかっただけなんです。

なんだけど…

これは、大・大・大失敗でした。

F先生の、この言葉を伝えたことが
このあとの長女の就活を
ビミョーな方向へ向かわせたのでありました…。


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