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【そして思い出し笑い〜こんな子、育てましたけど】 #25 保育士をめざして

私が長女をA高に通わせたかったのには
もうひとつ、理由があります。

それは、
A高の上には短大があり、
その短大には幼児教育科があったから。

生協や子育てサークルなどの
活動をしていた私は
子連れで行動することも多く、

同じく、母親に連れられてきた
子どもたちと一緒に
遊んで待っていることの多かった
うちの子たちは、

小さい頃から
異年齢が集まる環境に
慣れていました。

中でも長女は、
年下の子の面倒を見たり
遊んであげたりするのが大好きで

いつしか、
将来は保育士さんになりたい…という
夢を持つようになっていました。

保育士になろうと思えば
短大や大学に行って
資格を取得する必要があります。

長女の教育に関して
あーでもない、こーでもないと
ずっと頭を悩ませてきた私

正直なところ、
もう一度、“受験生の母”をやるのは
勘弁してほしい…と思っていました。

できれば、受験することなく
ストレートで短大に上がれる高校を…と
思ったんです。

まあね。
そんなに甘くはありませんでした。

高校2年生の懇談で、
初めて進路の話が出た時、
担任の先生(若い女性の先生でした)に
こう言われました。

「アカネさんは、文章を書くのが
あまり得意ではないようです。

保育士になるには
実は、文章力も大切なんです。

保育実習に行くと
実習中、毎日毎日
膨大な量の実習記録を
書かなければなりません。

これがかなり大変で
毎年、必ずひとりかふたり
実習記録が書けなくて
脱落する子が出てしまうんです。

アカネさんは、
授業のまとめノート
(※文章力の向上のために
提出が推奨されているもので、
出すとシールを貼ってもらえます♪)も
ほとんど提出できてませんし、

実習記録を書くのは
ちょっと難しいんじゃないかと思います。

それと、
保育士の仕事というのは
子どもだけを観るわけではなく、
保護者との関わりも大切です。

小さい子どもは好きでも
人間関係が苦手なアカネさんには
しんどいのではないでしょうか。

お料理やお菓子作りが
得意だということも
お聞きしましたが

実際に調理の現場で働くとなると
時間に追われる仕事です。

時間を気にせず
丁寧にやりたいアカネさんには
向いていないと思います。

コツコツやるのは得意なようですし
歯科技工士の専門学校に
進学してはどうでしょうか」。

いや、もう、マジで、
この先生、スゴイ!!! と、感嘆しました。

まだ若い先生なのに
進路指導、完璧やん!

知識も経験も豊富じゃないと
こんな進路指導はできないだろうし、

何より、うちの子のこと、
めちゃくちゃ見てくれてる!

歯科技工士…

なるほどなるほどなるほど〜!

そんな選択肢があるなんて、
ぜんぜん思いつかなかった!

ええやんええやん、
手に職つけたら一生食べていける!!!

これに決まりや〜♪

って感じで
一瞬にして舞い上がった私でしたが、

やはり、長女には
ぜんぜん響いてませんでした。

歯科技工士?
なにソレ?

てなもんで。

人間、やっぱり
憧れってあります。

保育士さんになりたい♥︎って
思ってる人間が

いきなり「歯科技工士」と言われても
「は?」って感じになりますよね。

家に帰ってからも
「絶対アカネに向いてるって〜!」と
超強力に推しまくる私に

「そもそも歯科技工士って、何するん?」
「てか、そもそも人の歯なんかに
まったく興味ない」と
散々でした。

まあ、私も
歯科技工士って何するん?
と聞かれても
明確に答えることもできず。

その時は、まだ2年生だったので
すぐに結論を出す必要はなかったのと

当時、数学の成績がギリギリすぎて
進路より、まずは進級しなければ…
という緊急課題もあり

結局、進路の問題は
高校3年生になるまで
持ち越しとなりました。

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