リスキリングの先はLearn or Dieとなるのか

先日日経新聞でAI開発企業のプリファード・ネットワークス(PFN)の代表兼最高研究責任者の岡野原大輔さんの記事を読みました。
人間発見というコラムのなかで連載されているのですがそのなかで特に印象に残った箇所がありました。

AI開発を進めながら痛感するのが、技術の中身や使われ方がすさまじいスピードで変わっていくことです。この世界でインパクトのある成果を出そうとしたら、自分たちも変化し続けなければなりません。そこでPFNが行動規範(PFN Values)の一つとして掲げているのが「Learn or Die」。日本語では「死ぬ気で学べ」です。


政府が2022年にリスキリングに対して今後5年で1兆円と発表し、学び直しとその後のキャリアアップを促しています。では何を学びなおすのか、どういうキャリアを目指すかをググってみると、DX時代の人材になるとか、AI時代のデジタル人材だとか、ものすごく雑にいうと、PFNで働ける人だったり、PFNがやっていることを理解できるような人を増やしたいのだと思えます。その、リスキリングしたの先にいるような会社、PFMの行動規範が1つが「Learn or Die」(死ぬ気で学べ)なんです。

これを読んで木下さんと小宮山さんの対談が思い浮かびました。

この対談と若干数値が違いますが、改めて統計データを確認したところ、2022年12月公開のデータ(令和3年社会生活基本調査 生活時間-全国(調査票B)第13-1表から3表)によると、働いている人(有業者)のなかで、学習・自己啓発・訓練に割いている時間は1日平均3分だそうです。この「平均」の内訳は、全体の2.3%が学習等をしていて、その平均学習時間が132分である一方、学習をしていない人が97.3%にのぼるので、全体の平均でみると3分というとてつもなく低い数値になります。

最先端にいる人たちが死ぬ気で学べと言われている一方で、そうでない人の大半が学ぶことができていない、もっと言うと学ぶ気がないのです。
学んでいない人は学ぶことの必要性に気づかずに学ばないままで、学んでいる人は学ぶ必要性を感じて更に学び続ける。どんどんその差が広がっていくのです。

日本全体で考えると、97%の人が新しい学びを得ようとしていない現状に暗澹となりますが、個人単位で考えるとチャンスしかないようにも見えます。

リスキリングの促進で、この割合や学びに対する認識がどのように変わるのかその後の数値が気になるところです。


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