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PTAは悪の組織なのか?本部役員を1年間やってみた話

実は昨年度、小学校のPTA役員をやっていました。
PTAって皆さんどんなイメージをお持ちでしょうか。

「任意団体なのに強制されるのが理解できない」
「平日の集まりが多くて共働きには負担」
「無駄なイベントや謎の作業が多くて意義を見出せない」

まぁできることなら避けたいものかもしれません。

実は私もそう思ってたんですけど、なんというか好奇心が勝ってしまいまして。
PTAって本当にそんなに悪の組織なの?」って気になりませんか?
ということで、どうせやるならと思って本部役員に立候補して、1年間PTAをやってみました。

結果として「PTAは進化してるし、やってみて良かったよ!」と感じているので、忘れないうちに、この記事に書き残したいと思います。

※PTA活動の内容は学校によってかなり異なると思われますので、その辺はご了承ください。

強制的な選出なし、委員の負担軽減も

PTA選出について語られるとき、よく聞かれる言葉。

「委員が決まるまで帰れない」
「くじ引きで委員になってしまった」
「仕事で忙しいのを理由にやらないのは許されない」

そもそもこの「強制的にやらされている感」がPTAにネガティブな印象を与えてしまっているように思います。

強制的なくじ引きは一切なし!

うちの小学校では強制的な選出は数年前に廃止され、今は立候補のみで募集していました。決まるまで帰れないとか、くじ引きやジャンケンは一切なしです。

6年間の中で一度は役員か委員をお願いするというルールは今も存在していますが、強制ではないので6年間一度も委員を経験しない方もいるかもしれませんね。
「そんなのずるい!」と思われる方もいるかもしれません。
でも、全くやる気のない人が委員になっても活動に参加せず他の委員に負担がかかるだけなので、個人的には仕方ないかな〜と思います。
だってPTAってボランティアですから、、!

「あなたまだやってませんよね?今年は逃げられませんよ???」とか言われてやっても、納得できないし全くやる気出ないですよね。
(そんなこと言われたら私なら退会すると思う)

本当に必要な活動を精査する

委員活動やイベントの見直しなどの負担軽減のための取り組みも徐々に進められてきました。保護者の負担が大きいイベントは中止したり、活動を停止したりすることで委員の数も減らしています。

例えば、広報誌の作成やバザー、役員の懇親会など。
中にはこれらを「やりたい!」という方もいらっしゃるので、中止に至るまでには結構議論があったのではと想像します。

しかし、共働き家庭が増えた今、PTAのなり手はどんどん減っています。
無理のない範囲で、やりたい人が多ければそういった方達で企画・参加するなど、持続可能なやり方を模索するのがいいんじゃないかなと思いました。

活動を見直し負担を減らしていくことで、本当に子供たちのためになる活動だけに集中するようになると、PTA活動に賛同する保護者も増えていきます。
実際、委員は立候補だけで定員を超えるので、強制的なくじ引きがなくてもスムーズに決まりました。

このように「強制的な選出の廃止」と「負担軽減」をセットで行うことで、PTAに対するネガティブなイメージがこれから払拭されていくといいなと思います。

想像以上に進んでいたPTAのDX

コロナ禍が始まる前からPTAのDXは少しずつ進められ、コロナによって一気に加速しました。

具体的にどんなことが行われていたかというと、次の通り。

①Googleドライブでの資料管理・共有
②お便りのメール配信
③アンケートはGoogleフォームを活用
④Zoomによるオンラインミーティング
⑤PTA総会のデジタル化
⑥Slackの活用

なんか仕事でやってることと変わらないな!?!?
これは本当に意外でした。
ここまで進んでいるのかPTA、、!

①Googleドライブでの資料管理・共有

作成したお便りや資料はGoogleドライブで管理して役員内で共有していました。過去資料が簡単に検索できるので、参考にしたいときに便利です。

また、次年度の役員にもそのファイルを共有すればいいので、引き継ぎの負担も軽くて済みました。

②お便りのメール配信

保護者へのお便りは印刷物ではなくPDFでメール配信。
全学年分のプリントを印刷するために平日の昼間に学校に行く必要がないのが本当に助かります!!!

しかしこれは、学校がプリントをメール配信しているのでPTAでも可能になったことです。逆に言えば、学校のプリントを今も紙で配布している学校では難しいかもしれません。

③アンケートはGoogleフォームを活用

保護者へのアンケートはGoogleフォームを使っていました。
ほんの数年前までは紙のアンケート用紙を印刷して配布して回収して集計して、っていう作業が必要だったんですよね。気が遠くなる作業…。無理…。

GoogleフォームならメールでURLを配信するだけだし、データの集計も楽。紙のプリントにQRコードを載せてもいいので、②よりは色んな学校で実践しやすいかもです!

ちなみに、委員の立候補もGoogleフォームで募集していました!教室で決めるプレッシャーがなくていいですね。

④Zoomによるオンラインミーティング

コロナの影響により、役員会、委員会は基本的にZoomでオンライン開催(土日)でした。

わざわざ学校に行く必要がないので、往復の時間を削減できる、低学年や未就学児のお子さんがいる方でも参加しやすい、職場からでも仕事を少し抜けられれば参加できる、時間になったらサクッと終わりやすい、などのメリットがありました。

ただ、実際に集まった時に比べると、気軽な相談とか雑談っぽい話がしにくいというデメリットもあります。

基本オンラインで、たまに集まるくらいのバランスがちょうど良いように感じました。

⑤PTA総会のデジタル化

こちらもコロナの影響で、なんとPTA総会もデジタル化されました。
メールで総会資料を配布し、Googleフォームによる保護者投票で決議。結果はメールで配信しました。

以前までは、体育館に先生と保護者が集まって開催されていましたが、リハーサルや会場のセッティング、終了後の懇親会など、役員の負担がかなり大きかったと噂では聞いています。

コロナでデジタル化(懇親会は中止)してみて、これでも問題なくできると分かったことは大きな収穫ではないでしょうか。

⑥Slackの活用

本部役員内の相談・共有事項はSlackで連絡を取り合いました。

以前は全てメールでのやりとりでしたが、メールって話題がどんどん埋もれていくんですよね。
いちいち開かないと見れないしファイルの添付も面倒だし、、ってことで昨年度の途中からSlackを導入しました。Slackを使ったことがなかった他の役員さんからも好評で、結果として大正解でした!

PTAへのSlack導入については、こちらのnoteが大変参考になりました。
メールやLINEではなく、なぜSlackがいいのか?どのように導入していけばいいのか?を丁寧にまとめてくださっています。

※2022年12月追記
現在はSlackの無料プランだと過去90日分しかメッセージを見ることができないので、他のツールと併用するなどの対策が必要かと思います。

DXを進める際に気をつけたいこと

PTAのDXを進めるにあたり、気をつけないといけないなと思うことがあります。

それは「パソコンを持っていない、パソコンでの作業が苦手な人もいるということを忘れない」ことです。

Webライターをやっていると、パソコンを使えて当たり前のように感じてしまいますが、世の中には全くパソコンを使わない人も結構います

そうした方でも無理なく参加できる形を作り、できること、得意なことを活かしてお互いに助け合う組織が理想です。
パソコン作業が得意な人、平日の日中に動ける人、意見をまとめて決断するのが早い人、交渉が上手い人、お金の管理が得意な人、それぞれの強みがあるはず。
苦手なことを嫌々やるのは違うかな〜と思います。
だって、PTAってボランティアですから、、!(2回目)

PTA役員、やってみて良かった

PTA不要論なんて言葉もよく耳にします。
確かに、従来のイメージであるブラックなPTA活動が続いていけばPTAを解散する学校はこれからも増えていくだろうなと思います。
うちの近隣の小学校でも、PTAが廃止されたという話を聞きました。
それはそれで時代の流れで仕方ないことなのかもしれませんが、実際には自治体からの予算が増えなければ先生たちの負担が増えるなど学校運営に影響が出てしまうのではないかと心配です。
かといって絶対必要!!!と断言はできないけど…

ただ、私は役員をやってみて、PTA自体は子供たちがより良い学校生活を送れるように学校と保護者を繋ぐ役割を果たす組織であり、意義のある活動だと感じています。
面倒な人間関係もなく、1年間総じて楽しく活動させてもらいました。
(年度末は仕事とPTAの繁忙期が重なって大変だったけど、、!でも本当大変だったのはそれくらいかな。)

謎の慣習やしがらみが多くて保護者の負担が大きい旧来のPTAからは変化してきています。

自分ができることを、できる範囲で。

積極的に参加したくなるようなPTAになるといいなと思います。

以上、1年間のPTA役員を経て思ったことを書き連ねてみました!
最後までお読みいただきありがとうございました!!!


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