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廃漁網素材から製造した鞄の発表会レポート③

みなさん、こんにちは!広報担当のケイです。
昨今、企業と企業、また、企業と非営利団体など、セクター間の垣根を超え「ともにやろう!」というアライアンスの動きが盛んです。

“企業間アライアンス”というと少し難しい印象を受けますが、実は身近なところにも協力によって生まれたビジネスや商品はたくさんあります。
例えば、アニメキャラクター×お菓子、有名シェフ×スイーツなど…それぞれの特性を活かすと相乗効果も発揮されますね。

廃漁網素材からかばんをつくる」という取り組みは、まさにこの“アライアンス”があってこそ実現しました。

2回にわたってお届けしてきた日本財団主催イベント「廃漁網素材から製造した鞄の発表会 ~海洋ごみ問題への解決糸口~」のレポート最終回として、ともに協働する企業・団体のみなさまとのトークセッションの様子をお伝えします。

これまでのレポートはコチラ

アライアンスメンバーによるトークセッション

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トークセッションでは、NPO 法人グリーンズ理事 編集長の兼松佳宏氏の進行のもと、下記のパネリストがそれぞれの役割を説明し、議論を交わしました。 

※以下、五十音順
海野光行氏(公益財団法人日本財団 常務理事)
加志村竜彦氏(リファインバース株式会社常務取締役)
鉢嶺杏奈氏(消費者代表:女優・タレント)
堀口瑞穂氏(一般社団法人 Alliance for the Blue 代表理事)
増田大輔氏(住江織物株式会社経営企画室 グループリーダー)
森弘義(モリト株式会社 執行役員 事業戦略本部)

このプロジェクトには、本当に多くの企業・団体が関わっています。
「海を守りたい」という多くの人々の思いが集まり、高い技術をもった各企業がそれぞれ大切な役割を担い、次の工程へつなげることで「廃漁網再生素材からできた豊岡鞄」という素晴らしい商品が誕生したのです。

チャート図



北海道の漁師さんから始まったリレー

リレー

モリトは今回、廃漁網を原材料とした再生ペレット「REAMIDE™」から、ボタンや糸、生地をつくり、兵庫県鞄工業組合へ提供させていただきました。

リレー1

私たちにできることは、高品質・高機能パーツをものづくりの現場へお届けすること。北海道の漁師さんから始まったリレーのたすきを私たちならでは得意分野を活かし、次へつなぐことができました。

リレー2

これらのたすきリレーがスムーズに行えるよう、企業・団体の輪をつないでくださったAlliance for the Blueのみなさんにも大変感謝しています。ここに書ききれなかった方々も含め、多くの人の思いの結晶のようなプロダクト。それがこの廃漁網素材からつくった豊岡鞄です。

このかばんから、世界の海へ

世界の海へ1

だれが使っていた漁網を
どのように運び
どこでペレット化し
だれが布にして
どのようにかばんになったのか

これらをすべて明らかにするというのも、プロジェクトが大切にしてきたことです。するとどうでしょう。このかばんを手に取った人が、起点となった北海道の海、また、さらに大きく世界へと広がる海へ思いを馳せ、海洋汚染問題に関心を持つきっかけになるかもしれません。

かばんに込められた思いやストーリーがものを「大切に長く使う」動機へとつながったら… こんなにうれしいことはありません!

“サステナブル”をブームで終わらせないために

ブームで終わらせない

モリトのサステナブル関連プロジェクト「C.O.R.E.(コア)」(※)を立ち上げ、今回のイベントにも登壇した森は言います。

「サステナブル、SDGsをただのブームで終わらせたくないと思っています。一過性のものにしたくないからこそ、多くの人にこの廃漁網再生素材からつくった豊岡鞄を知ってもらい、手に取ってもらいたい。しっかりとした収益性のあるビジネスへと成長させたいんです。」

もりさん1

夢は広がります。
そして、新たな取り組みもスタートしています。

「私たちはこれまでも、みなさんの日常生活においてあたりまえの、なくてはならない商品・商材を多く取り扱ってきました。今後は、廃漁網由来の製品をみなさん日常生活に浸透させていくために、いろんなプロダクトへと形を変えてお届けできるようにしたいです。これからも様々な企業様・団体様と連携し、このアップサイクルの仕組みづくり、ものづくりを確立していきたいと思っています」。


※後日追記

C.O.R.E.は2022年10月、これまでモリトグループが地球環境を守るためにできる取り組み からさらに発展させ、
これからは「新たな価値を創り上げたい」と考えておられる方や企業と業種や業界の垣根を超えて、美しい地球を、資源を、未来に繋げる新しい価値を創造する取り組み へとコンセプトを拡張し、『Rideeco』と改名いたしました。


ともに成長する社会へ

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これまでになかった発想、新しい試みが試されるこの時代においては、業種・業界関係なくフレキシブルに協働できるこの“アライアンスの姿勢”がさらに必要となってくるのではないでしょうか。

一見難しそうですが、実はみなさんも普段からやっていることですよね。
家族間、友人間、社内外で「私の得意分野はこれです!」「その分野は私に任せて!」と各々がそれぞれの得意分野を活かして助け合いながら仕事をし、生活をしています。

個の成長から、ともに成長する社会へ。
私たちも歩みを進めて行きます。