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今こそ「新聞広告」業界の闇を話したい

一体、いくらお金が・・・

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 現在、スマートフォン向けアプリ「Fate/Grand Order」(以下、FGO)の5周年記念広告として、47都道府県全ての地方紙に見開き2ページの広告が掲載されているところです。(6/25現在で近畿・中国・四国はまだみたいですね)類を見ない企画ですが、当方、某企業で新聞広告を出稿していた経験もあるのでざっと概算してみました。

 まず、新聞広告というのは、ざっっっっくり分けると以下の2種類になります。

A.広告を出す側が掲載日を決められる

B.新聞社が掲載日を決められる

 FGO広告は「A」にあたりますが、ここで重要なのはAの広告の方がBよりも2~3割ほど割高になります。(当然といえば当然ですよね)アプリゲームを楽しむ若年層が広告の対象である以上、多少コストをかけても掲載日を告知して新聞を見てもらおうという考えなんでしょう。

 さて、肝心の掲載料ですが(ここからはどんぶり勘定もいいところです)これは地方によって全くまちまちです。発行部数の多さが掲載料金の高さにつながりますからね。私の知っている範囲では、例えば某県(政令指定都市あり)の掲載料は600万円です。単純に47を掛けましょう。

600万円×47都道府県=2億8,200万円

 ええええぇぇぇ・・・(ドン引き)。首都圏や大阪・京都の地方紙はさらに値段が跳ね上がることを考えて掲載料は3億は下らないですね。ガチャ爆死に潰えた私の諭吉諸氏はここで報われたことでしょう。

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 ※ちなみに、私の推しは埼玉県のPR担当になっていました。

予算は減らされたのに今まで通り広告を出せ!?

 さて、ここからがある意味本題。広告業務をしていて小見出しのような無茶を叶えないといけなかったのが、辛い局面だったわけですね。まあ予算を減らされるのはよくあることですが、それに応じて広告の掲載回数を減らせばいいだけだと普通は思うわけです。(立場的には広告を出す立場の人が「お客様」なわけですからね)

 しかしながら、広告回数をおいそれと少なくできない「理由」があるわけです。なぜなら、あからさまに広告を出さなかった場合、新聞社にその会社またはその会社の事業を社説や記事の中で悪く書かれるリスクがつきまとうからですね。地域との共存共栄を第一に考える企業はこれが致命的になるわけです。

 なので、新聞社へ支払う広告掲載料は前年度を極力下回らず、ときには広告回数のノルマをクリアすべく、タイミング的に不必要な広告も掲載する必要があったわけですね。なんたる無駄なことか。オツキアイ、ダイジ。


 いかがだったでしょうか。山ほど話したいことのほんの一部でしたが何気なく新聞に載っている広告にも裏事情があると分かると少しだけ見方が変わるかもしれません。続編あるかもなあ。



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