マネーフォワードのQAらしさ〜プロダクト開発のパフォーマンスを最大化する攻めのQA〜
こんにちは!マネーフォワードで人事労務領域(以下HR)のQAエンジニア(品質保証)をしています、森田(写真右)です。
3回に分けて、インタビュー形式でマネーフォワードのQA組織についてご紹介しております。
1回目はこちら👇
2回目はこちら👇
最終回は、マネーフォワードのQAらしさについてご紹介します。
「マネフォのQAにはどんな人がいるんだろう?」「マネフォのQAはどんな想いで業務を行っているんだろう?」
そんな疑問をお持ちの方々に、少しでもマネーフォワードのQAが感じている課題認識や共通の価値観についてお伝えできればと考えています!
村田:西條さんにお聞きします。現在どのような取り組みを行っているのか、また、その取り組みにあたって部内の目標やビジョンをどのように設定していますか?
西條:プロダクトの品質と開発チームの生産性を高めるというミッションがあります。その目指すべき姿の具体的な内容として2つコンセプトがあります。
1つ目は、プロダクトチームのパフォーマンスを最大化する攻めのQAです。一般的な話にはなりますが、要件定義で見つけるべきだった不具合がリリースされてから見つかると、修正コストが200倍くらいになると言われています。
その工数がかかることによって開発者のパフォーマンスが落ちていくので、そこをまずなくしたいと考えています。
2つ目は、少し認識の齟齬がおきやすいワードではありますが、ゲートキーパーとしての責務を果たすQAです。テストをすることでゲートキーパー的な存在になる、最後の防波堤みたいなイメージでプロジェクトに関わるのではなく、組織全体を通して品質を向上できる施策を行っていき、不具合をリリースしないようにするところを目指してその責務を全うしていくという意味で定義しています。
これらのミッションや目指すべき姿をもとに、3年後には部門全体に対して品質向上の施策を打てるように頑張っていきたいです。
品質コスト、シフトレフト
村田:プロダクトチームのパフォーマンスを最大化する攻めのQAというところで、森田さんがかなり頷いていました。koriさんもわかる、という表情でしたね。
kori:おっしゃる通り、QAはテストだけでなく、上流から入り、できるだけ開発の早い段階で仕様・実装漏れなどのリスクを低くすることで品質コストの削減を達成したい、という同じような目標があります。
村田:経費チームの方でも今まさに同じことを思って取り組んでいるんですね。
西條:今いるみんな全員同じような気持ちかなと思いますね。テストをより上流の工程に、シフトレフトするという言葉もよく耳にしますよね。
村田:先ほどの、リリース後に見つかった不具合を直す工数が200倍になるというのは、なるほどと思いました。
西條:お客様へのお知らせを作ったり、CSさんの対応コストとかも入ってきますし、自分たちだけではなくなるのでコストが膨らみますね。
森田:お客さんから、CSさんからこういう不具合が起きたんですというところから調査が始まり、原因を特定するのもコストがかかるところですよね。
西條:そうそう。直すところによっては他所への影響調査の必要性も出てきたり、全部テストしなおさなきゃいけない可能性もゼロではないので、格段に増えますね。
村田:シンプルに倍になっていくんですね。みなさんうんうんと力強くうなずいておられて、そこはまさにその通りなんですという、共通の課題認識があるということなんですね。
立ちはだかる壁ではなく、伴走したい
村田:先ほどのゲートキーパーとしての責務を果たすQAというところで、前置きとして認識齟齬を生みがちな表現だけれどもというお話がありました。
QAが一番最後に「これじゃ出せません!」と言うと、開発メンバーの人たちと敵対関係になりがち、というお話を聞いたことがあるのですが、皆さんもそういうのにはならないように、敵対関係性ではなく、開発のプロセスに入っていって品質を変えていけるようにというところを意識されてたりするのでしょうか?
一同:(うんうん)
kori:まさにそうですね。福岡拠点では1人目のQAとしてジョインしました。福岡メンバーはQAと一緒に働いた経験がない方が結構多いようで、QAがどういう役割なのかあまり知らない方も多そうですね。
QAとは何をする人なのかという説明をして、一緒に現在の開発プロセスにおけるQAの在り方を考えながら模索しています。コミュニケーションを取る時は相手へのリスペクトや言葉遣いに心がけたりしています。
森田・西條:わかる。
kori:課題を解決するのが目的でチーム全員が一丸となって気持ちよく仕事を全うすることができたらという気持ちで動いてます。
一同:(大きくうなずく)
西條:従来の最後で突っぱねるやり方だと時代遅れ感もあるし、リリーススピードも遅くなってしまいます。だからシフトレフトというワードが流行っているのだと思います。上流工程で品質を作り込むことができれば最後に突っぱねる必要がないので、円滑に進められるようになるはずです。
村田:マネフォだから、というところではないのかもしれませんが、皆さん本当に違うフェーズで違うプロダクトで業務をされているにもかかわらず、共通の想いをもってやってらっしゃるんだな、とお話しながら感じました。
注力していることやビジョンについての話で、koriさんがまさに同じところを意識してますというお話もありましたが、経費チームの注力ポイントやこういうビジョンを持って行っているというものはありますか?
kori:福岡では、クラウド経費のように数年続いているプロダクトもあるし、新しいプロダクトもあるので、どこから着手していくかという話が最初にありました。
これまではマネフォワード Pay for Businessのリリースに向けて主に活動していましたが、次はクラウド経費の品質管理にも参画していきたいと考えています。マネフォワード Pay for Businessについては、開発全体チームと伴走し、良い品質のサービスを提供することを目指しています。
そして、既存プロダクトの課題としては、品質が見えていないことではないかと思います。リリース前に開発者や他部署の方による受け入れテストが行われていますが、その過程や結果があまり蓄積・活用できていないと伺っています。そのため、まずは品質の可視化から取り組みたいと考えています。
村田:タイミングとしては防波堤に近い段階かもしれませんが、できるだけ前のプロセスからや、今からでもやれる取り組みをしているというところですね。
kori:そうですね。各プロダクトの開発プロセスが多少異なるので、それぞれに適したQAサポートやフローを考える必要があります。マネフォワード Pay for Businessである程度QAを入れた開発サイクルが回るようになったら、クラウド経費の方でその経験を活かして徐々にQA体制を構築できたらと考えています。
究極的にはQA組織はいらない
村田:森田さんは以前のインタビューでも、最終的にはQA組織がない状態を目指したいという話を発信されていますが、他の皆さんはどうお考えですか?
kori:はい、同感です。QA≠テストする人だと考えていて、究極的にテスターがいなくても開発チームと一緒に開発者自身も品質担保できるような組織を作りたいです。
西條:いつになるかは分かりませんが、チーム一丸となって品質について考えられるようになった時には、QA組織はなくなっていくのかなと思っています。組織がなくなったとしても、QAエンジニアが不要という話ではないですし、個人的には、QAエンジニアがPOやスクラムマスターになるキャリアパスもありだと考えています。
大倉:個人的な考えですが、QA組織はなくても、QAロールの人は絶対無くせないと思っています。QA活動は基礎教養だと考えているので、プロがいないと基礎が上がらないと思うんですよね。
村田:さきほどの敵対関係にならない、というところもみなさん頷かれてたんですが、意外と開発エンジニアの人は、QAなる存在と一緒に働いたことがない人がいるということがわかりました。
また、QAないしテストエンジニアのみなさんが、なんのために、どういうことを思ってここに存在しているのか、という点をチームに伝播していき、共通認識を持っていく、というところも、皆さんすごく意識していらっしゃるんだなとあらためて感じたところでした。
テストというよりは、プロダクト品質を高めたい想いのある人と働きたい
村田:ビジョンや課題感は部門ごとで違う部分ではあると思いますが、特に今こういう人に仲間になってもらったら嬉しいなというのはありますか?
西條:テストに主眼を置くのではなく、プロダクトの品質を高めていきたい、その手段としてテストがある、という考えの方と一緒に働いていけたらと思っています。
加えて、能動的に課題を見つけて解決していける方とは、同じ方向を向いて働けるのではないかなと思うので、ぜひ来ていただきたいなと思っています。
村田:HRはいかがでしょう。
森田:マインドの部分は西條さんがおっしゃったところに共感です。この半年でペアテストやテストケースレビュー、不具合の可視化などを行ってきました。
次に強化したいと考えているのが、単体テストの整備・推進です。単体テストはRSpecを使って開発エンジニアが実装しており、どこまでテストするかは、個人に委ねられている状況です。現状で充分なのか、どこまでカバーできてるのかというのが見えていません。そこを可視化したり、カバレッジを基準にすべきなのかしないべきなのか等、議論すべきところもあって、こういうところに興味がある、ご経験がある方に入っていただけると凄く嬉しいです。
QAエンジニアとしてキャリア積んできた方だけでなくて、開発エンジニアで品質にも興味ある方と一緒に働けると、HRのQAグループとしては更にパワーアップできると思っています。
村田:koriさんは、入ってもらうとしたらこういう人が入ってくれると嬉しいな、というものはありますか?
kori:西條さんと同じ意見です。あとは、社外の勉強会に参加したり、品質にすごく興味がある方がいいなぁと思っています。やはり自分だけで黙々と作業していると、なかなか新しい発想がなかったりとかするので、そういった一緒に切磋琢磨できる仲間が欲しいなと思っています。
村田:大倉さんはいかがでしょうか?
大倉:プロダクト価値を追求したい人と是非一緒に働きたいです。関西のチームは特にそういう色が強いと思っています。本当にこれがユーザーのためになっているのかを根っこから考えられる人がカルチャーとしては合うと思います。
あと、SETのような、E2Eテスト自動化の仕組み作りからTRYしたい方にもジョインして頂きたいです。リグレッションテストの自動化のために、各スプリントで開発している機能のテストを自動化するのか否かを判断し、E2Eテストをどう育てていくかをリードして頂けると嬉しいな、と思っています。
村田:今日色々とお話をお聞きするなかで、組織のフェーズや取り組みはさまざまですが、全チームとにかく「プロダクトの品質に向き合いたい」という共通した熱い思いがあり、それがマネフォのQAらしさなんだろうなと感じました。みなさん、本日はありがとうございました!
さいごに
実はインタビューはたったの1時間だったのですが、皆さんの熱い想いが溢れ出し、記事3回分の文量になってしまいました!
「1人目QAのさまざまなバックグラウンド」から始まり、「マネーフォワードQA組織の歴史」、そして今回の「マネーフォワードのQAらしさ」。いかがでしたでしょうか?
QAエンジニアとして活躍されている方々、マネーフォワードのQAに興味がある方々に、プロダクトに対する想いやメンバーの雰囲気が伝わったのであれば嬉しいです。
マネーフォワードでは、QAエンジニアを募集しています。ビジョンに共感していただける方、品質に関する課題を解決したい方、まずはカジュアルにお話だけでもしてみませんか?
Work illustrations by Storyset
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