ハンディーマルチルーターがクラフトスニーカーの救世主?
昨年からカップソールを施した、いわゆるクラフトスニーカーなるものをリリースしています。カップソールとはアディダスのスタンスミスなどにみられる、カップ状のソールのこと。
吊り込み終え、木型に沿ったアッパーを、カップソールと圧着するのですが、実はこれがまた大変な作業で、うまく着いてくれません。
試行錯誤を繰り返し、なんとか作業工程も落ち着いてきたので、忘れないために書き記しておこうと思います。
*ここからは随分ニッチな内容となります
□作業工程
まずはカップソールにバフをかけます。強力なルーターで本体の着く面全体を、しっかり荒らしていきます。
使用したカップソール705cは、側面も、底面もほんの少しガサガサとしているので、それを慣らしてツルッとさせるイメージでバフをかけていきます。
最中、ゴムが焼けて煙が出て臭いです。
荒れたカップの中面をプライマーで処理します。使用しているのは「ノーテープ・730」。
布にプライマーを取り、きつめに擦ります。これで汚れを取り、表面をただれさせて、接着強度を上げていきます。処理したところを触り、指に引っ掛かりを感じれれば、バフ、処理ともにOKの印。
処理ができたらいよいよ底付けです。
アッパーをカップにはめ、銀ペンで接着部分に線を入れ、アッパーがスムースレザーの場合はそこを荒らします(私はルーターを使います)。その後、アッパー、カップともに糊を塗布し、乾燥後圧着となります。
接着には「ノーテープ・9900」に「硬化剤UFE (私たちはデスモジュールと呼んでいます) 」を5%ほど混ぜたものを使用しています。*2液式の接着剤の方が強度があるため上記を使用。
□大事なこと
どれだけ強い糊やプライマーを使ったとて、バフがしっかりかかっていなければ、この効果を発揮することはできないです。今回のカップソールに限らず、ゴム系のほとんどのソールの処理は、バフ掛けが大切ですね。
・・・と。ここまで書いて、肝心のソールをつけるときの画像を撮り忘れたことに気がつきました。次回はその辺りを詳しく記していこうかと思います。
因みに私が使用しているルーターはプロクソンのNo.28473。馬力があります。そしてゴムをバフ掛けする時のハイスは同じくプロクソンのNo.26726。元々ゴム用ではないようですが、今のところ感度よく使えています。
よろしければ完成品をご覧ください。
しかしニッチだ。
誰かのためになっているのでしょうか・・・?
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