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あゝ LAメタル!! その四

会社の知り合いで洋楽趣味で気が合った人は、オネスティーを熱唱した、やまさん(UFOの記事)や、キャロルキングをキャロキンと言ったコビちゃん(ジョンフォガティーの記事)等がいるけど、なんといっても、LAメタルで気が合ったのは、なごちゃんで、彼は最高だった。

なごちゃんとは、20代で知り合い、30代でライヴに一緒に行き、40代でも情報交換はしてたけど、合併やら出向やらだんだん疎遠になっていき、最後に会ったのは14年前。私の母の通夜の晩、なごちゃんが駆けつけてくれて、彼の顔を見た時、持つべきものは友だなと思ったのです。

細い脚10本

フィンランド出身のハノイロックスは、バットボーイ系ロックンロールの草分け的な存在で1985年に解散。ヴォーカリストのマイケル・モンローは、1989年の彼のソロから、Dead Jail or Rock ‘n’ Rollがヒット。この曲のミュージックビデオでは、ガンズンローゼスのアクセル・ローズと共演しています。

フィンランドと日本でだけ超人気

なごちゃんと初めて会ったのは 1991年。社内掲示板でロック好き集まれー、みたいな企画があって何人か集まった場で、私の自己紹介シートに最近行ったライヴとしてB級LAメタルバンドの名前を書いておいたら、彼だけがそれに反応してくれて、私達はすぐに意気投合したのです。
「えええ、プリティボーイフロイド行ったんですか!」「行きましたよ、モトリー・クルーの弟分って感じでしたよー」「すごいレアですよぉ〜俺も行きたかったなあ」

その頃はまだ、LAメタルはシーンでメジャーだった時代。世間では「ターミネーター2」を皆が劇場に観に行っていたし、その挿入歌はガンズンローゼスの先行シングルだったのだから。

1991年

なごちゃんの外見は、ムッシュかまやつ。
髪を伸ばしていて、会社にそんな人はひとりも居なかったけど、彼なら長髪もなぜか許されるようなオーラがあって、明るくナチュラル過ぎるキャラなのでした。
その集まりの時も何人かと親しくなると「バンド作りましょうよ、先輩はベースやってくださいよ」なんて言い出します。彼はほんとに性格が良くてポジティブなことを素直に提案するので、こっちもどんどん素直になっていける感じがするんです。
なごちゃんは何故かその時ギターを持ってきていて、その場で演奏までしました。おおおジョージリンチみたい。完全に80sメタルのギターソロだ!

会社でLAメタル好きなんて他に居やしないし、私達はその後も連絡を取り合い、ある時は退勤後の夜に、50キロは離れたそれぞれの職場から中間地点のデニーズで待ち合わせして、夜遅くまで音楽話をしました。

デニーズで一番爆笑して覚えている話は、前述のヒット曲のMVで、マイケルモンローとガンズンローゼスのアクセルローズが共演していて、二人でラインダンスみたいに足を蹴り上げるのだけど、「も〜アクセル、ぜんぜん足上がってなーいダサーい笑、マイケルモンローはキレキレでしょ!」「これは完全にアクセル負けてるわ〜」とその頃、神格化されていたアクセル•ローズをいじって爆笑していました。

マイケルのイケてる動きは 1:55辺り
アクセルのダサい動きは 3:30辺り ↓

「でもガンズも新曲のユークドビーマインはかなりイイですよ。それに新譜は2枚組って噂だから凄い楽しみだなぁ」
今日も明日も仕事だというのに、私達はまるで高校生みたいに、夜12時頃までデニーズでシラフで、LAメタルネタで話しました。

時代は90年代前半、まだウィンドウズ95が広まる前のアナログな頃。パソコンは無いので、人とつながる熱量が当たり前にあったのでしょう。楽しかった。

このアルバムが一番イイ

なごちゃんの話で、一番笑ったのは、40代の頃、彼はセンター長で「オレ、今のセンターに配属して来たら、すごい雰囲気悪くてさー、みんな何にも言わないの。だから俺、メンバーが営業から帰ってきたら、そいつの前でギター弾いてやるんです」「ええ!?事務所で!?」「そう。俺も自分で笑っちゃうんだけど、部下が帰ってきたら、そいつのとこ行って目の前でギター弾いて、今日営業どうだった?って聞くと、やっと笑ってくれて、なんか話しやすくなるんですよ」

「…す、すごいよ、なごちゃん」
営業から帰ってきても一瞥もくれずにお疲れ様とかパソコン見たまま言ってる上司より、ずっといいよ!!

彼はそれができる。ロッカーだから。
LAメタルのように軽くて明るいから。


2024年二月(つまりほんの先週です)
マイケルモンロー、来日してくれました!
61歳。素晴らしい!ライヴインジャパン↓

マイケル、変わらないでいてくれてありがとう!還暦の星だよ。

なごちゃん、もう時代も組織も変わり、事務所でいきなりギター弾き出すわけにいかないと思うけど、

いつまでも変わらないでほしい。



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