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ストレスチェック実施者養成研修を受けてきたまとめ

ストレスチェックとは
会社勤めの人は年に1回の健康診断を必ず受けていると思います(受けていないのは❌)。
この健康診断はフィジカル面を管理するもので、平成26年まではこれでしかお勤め人の健康管理をしてきませんでした。でも、過重労働などからくるメンタル不調の対策をするために必要だ、と施行されたのがストレスチェック制度です。健康診断もストレスチェックも労働者安全衛生法に基づいて行われるので、お勤め人の安全と健康を確保し、快適な職場環境の形成を促進するために企業が行うことになっています。
ただ、ストレスチェックは従業員50人以上の企業が実施対象なので、少数精鋭で過重労働している小規模企業には行き渡っていないのが現状の制度です。


ストレスチェック実施者とは
このストレスチェックを行える者には規定があり、事業主や人事権があるような人は実施者になることができない決まりになっています。国は実施者になれる有資格者を定めていて、医師、保健師、または厚生労働大臣が定める研修を修了した歯科医師、看護師、精神保健福祉士もしくは公認心理師が実施者としてストレスチェックが行える、とされています。
それで、今回はその厚生労働大臣が定める研修「ストレスチェック実施者養成研修」を修了してストレスチェックが実施できるようになってきました。

ストレスチェック実施者養成研修とは
ストレスチェック実施者養成研修は法定研修です。1日の研修なのですが、朝から夕方までみっちりと講義があり、とても厳しく管理された研修で 、遵守事項が守れない場合は、受講料を払っているにも関わらず、簡単には修了証をくれません。
まず、当たり前ですが、遅刻はご法度です。どんな理由であっても遅刻は論外なのです。それに派生して、休憩から戻ってくる時間も講師が指定した時間遅れると、その時間分の補習が必要です。私が参加した研修では、開始・休憩とも遅刻者は出ませんでしたので、補習がどうなっているかはわかりませんでした。
更に厳しいのが、講義中にいかなる理由があっても離席すると、その時間分は補習になることです。お腹が急に痛くなって離席してもです。
そして、携帯電話も鳴ってはダメですし、講義中は水分補給しか認められていませんので、MINTEAなども口にはできません。
1時間に1回10分間の休憩と昼休憩60分で午前2コマ・午後3コマの充実した講義でした。

養成研修の内容
講師の方が初めに言われたのが「養成研修は国が定めた内容の講義であって、実施方法などの講義ではない」との説明でした。
ストレスチェック実施者養成研修という研修なのに、実施方法の講義でないとは…ちょっと拍子抜けしました。実施方法や技法などやそういったエビデンスに基づいた研修かと思いましたが、それ以前の研修でした。
労働衛生関係法令の話、産業医や産業保健スタッフの話、健康管理の話、メンタルヘルス対策の話などが講義の内容でした。
これは、私は労働分野と福祉分野を掛け合わせた支援を行っていたので基礎的な話に感じましたが、医療分野だけ福祉分野だけから講義を受けられた方には労働分野は未知の世界で興味深いのではないかと思います。
後半に職場環境改善についての話があり、職場環境改善のためのツールの内容が障がい者の方の職場改善のためのツールに近いものでした。

ストレスチェック実施者として必要なこと
ジョブコーチや雇用支援をしていたこともあって、労働分野と福祉分野のバランスの難しさはよくわかっているのですが、今回の講義でも講師の方が何度か口にされていたのが「社損」という言葉でした。
メンタルヘルスの不調によって企業に及ぼす影響は人・経費・環境に大きく関わってきます。ストレスチェックをただ実施するだけでは「社損」という感情を招きかねません。実際にメンタルヘルスの不調を感じたことがある人でも、立場が違うと見方も違って、必ずしも不調な人に寄り添えないこともしばしば見てきました。
ストレスチェックを実施し、実施者やそれに携わる人たちは企業の部署のメンタルヘルスをより良く保ち、その対象者と企業が共により良い方向に行けるよう助けになれることが必要なことを改めて確認しました。

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