見出し画像

プレシーズンマッチを終えて

ヨーロッパの新シーズンもあと少しで開幕をする時期になってきた。マドリ―は、8月14日(現地時間)にUEFA・スーパーカップが行われる。そのスーパーカップに向けて、アメリカでツアーを行った。ユーロやコパ・アメリカが行われたため、全員が集まることはできなかったが、今シーズンは「こんなことがやりたいのかな」と思えるような戦い方をしていたため、そのことについて書いていく。



基本フォーメーション

基本フォーメーションは、4-3-3である。しかし、攻撃と守備で形を変えていた。

今季基本フォーメーション

守備時

守備時は昨シーズン同様、4-4-2である。中盤の3枚に加え、FWが1枚降りて4-4-2を作っていた。チェルシー戦では、ヴィニシウスとロドリゴが前線2枚で守備をしていたが、エンバぺが入ると、ヴィニシウスとエンバぺが前線に残ると予想される。

4-4-2での守備陣形


ただし、前線の選手によっては、4-3-3で守備をしていた時もあった。ミラン戦とバルサ戦は、ギュレルとブライムがWGを担当していたため、彼らがそのままサイドで守備をしていた。この時は、アンカーのマリオ・マルティンが高い位置まで出てプレスをかける場面が多く、4-3-3のように見えた。しかし、基本的に守備では4-4-2を採用していると思う。

4-3-3での守備陣形


また、マリオ・マルティンとモドリッチのポジションが入れ替えることが多かったため、インテリオールで起用される選手は、運動量が豊富で、前線と連動してプレスをかけることができる選手を重視するのではないかと思う。そのため、モドリッチは今シーズン、インテリオールよりもピボーテの位置での出場が多くなるのではと予想できる。


攻撃時

クロースが引退したことにより、後ろからの繋ぎが安定しなくなった。そのため、どのような攻撃をするのかを見ていたが、基本的に、背後を狙う攻撃であった。これまでもあったが、GKのクルトワからのロングボールからヴィニシウスに渡り、チャンスを作るシーンがプレシーズンでも見られた。また、後ろで細かく繋がず、チェルシーのハイラインの裏を突く攻撃が多かったため、相手の守備が整うまでに攻撃を完結するのが今シーズンの戦い方となる。

その時のポジションは、ヴィニシウスとロドリゴが近い距離でいることが多かった。また、ヴィニシウスがサイドに張って待つことは少なく、昨シーズン同様に、相手のCBとSBの間でボールをもらうことが多かった。

クルトワからのロングボール


ビルドアップが安定しないため、モドリッチもセバージョスも下がってしまい、後ろが重たくなってしまった。エンバぺが加入したことにより、前線3枚で完結することはできると思うが、引いて守る相手に対しては、崩さないといけない。そのため、ビルドアップは、DF+ピボーテで行うことが理想である。



気になった選手


エンドリッキ

ポストプレーをすることができ、ボールが入った後のスピードが速いため、スペインのサッカーのスピードに早く慣れてほしい。また、彼にボールが渡ることが多かったため、チームメートからも信頼をされており、今後の活躍に期待している。エンバぺやヴィニシウスとは違うプレースタイルであるため、ホセルのように背は高くないが、サブとしてアクセントを加えることができると思う。


ギュレル

昨シーズンは怪我で出遅れたため、出場時間が短かったが、プレシーズンを見ていると、今シーズンは出場時間が多くなりそう。マドリ―デビューした時は、ボールが欲しくて下がってしまい、バランスが悪くなった。プレシーズンでも同じように低い位置まで下がっていたが、昨シーズンとは異なり、ボールを捌くことができている。バルサ戦では左サイドに流れ、右のL・バスケスにロングボールを送るなど、クロースのような役割を行っていたため、今後もこのような役割になると思う。ユーロを見ても、中でのプレーやビルドアップに関わることが多く、インテリオールでも活躍しそうなため、試してほしい。


ミリトン

昨シーズンは怪我でほとんど出場がなかった。復帰した後は、コンディションが戻らず、よいパフォーマンスを見せることができなかった。しかし、プレシーズンでは、怪我をする前のパフォーマンスまで戻ってきているように思えた。チェルシー戦では、1対2となった場面で冷静な判断により、失点を防ぐことができていた。徐々にコンディションを上げていき、素晴らしいミリトンを見せてほしい。

今後の戦いについて

チェルシー戦では、CBのリュディガーとミリトンが、チェルシーのトップ下のエンクンクまでプレスをかけることが多かったため、昨シーズンまでできなかったハイプレスを今シーズンは行いたいと思う。ただ、リュディガーとコンビを組むと、ラインコントロールがうまくいかないため、ハイラインで守る時は心配である。また、前線のプレスがあまりハマっていないため、うまくいくかは疑問である。


攻撃では、ロドリゴが左サイドに流れた時、昨シーズンまではヴィニシウスが左サイドにいることが多かったが、チェルシー戦では、中央にいてセンターフォワードのような役割をしていた。エンバぺが加入したことにより、左サイドに流れる選手が多くなると予想できるが、全体的なバランスを考えた時には中にも右サイドにも人がいないといけない。柔軟な対応をすることができる選手が多いため、そこまで気にならないが、ヴィニシウスが中でもプレーできるようになり、得点を積み重ねることができれば、オプションを増やすことができる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?