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ゴームリー&ゲイフォード 『彫刻の歴史 Shaping the world』

★Facebookのポスト(2021年11月8日)の転載

アントニー・ゴームリーとイギリスの文芸誌「スペクテイター」の評論家マーティン・ゲイフォードとの対談で綴る彫刻全史、いや、彫刻美学の政治と世界のかたちのエコシステム。一昨日、知人にちらりと見せてもらいました。そして地域図書館へリクエスト。大判の美術書、美しい画集や写真集の公共図書館での蔵書が増えると利用者もきっと増える、若い人の書物との接触も。

ゴームリーですからとうぜん彫刻先史〜ギリシャ=ローマへの目端の効かせ方はユニーク。わたしの偏った趣味の範疇では、G&Gのリヴィング・スカルプチュアーズに始まって〜アブラモヴィッチ〜マーティン・クリード〜の「偶有のメディウムとしての人間」のラインに、大好きな「一分間彫刻」のエルヴィン・ヴルムを繋いでほしかった。

とにかく写真が大きい。で、このページでこの価格。お買い得かも。「彫刻」って、最近見ました?彫刻と思しき其れ、彫刻なのでしょうか?絵画とは違って、彫刻には消えかける制度的定義と実践を語る意思のうちに、まだかろうじて「問い」があります。そのしかめっ面が、この時代の人間の業と落胆の距離を実測する最適な尺度の一つだと思っています。

心持ち顎を上げて、とモデルに彫刻家がマイクロ・ポーズをつける。モデルが内心どれほどしょげていても。だから彫刻が好き。