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現代の子どもたちに起こっていること

公園を見れば多くの子どもが遊び
遊具があり、走り回っていた20年以上前。
現代では、遊具もなくなり遊ぶ人数も少なくなり
スポーツを行う人数さえも減ってきた。
だからと言って、命に関わるかと言われるとそうでもないし
じゃあすごいアスリートが生まれないかといえばそうでもない。
それが何を指すのかは全くわからないが
ただ、スポーツを指導する大人にとっては逃げられない事実であることを理解しておいていただきたい。

遊びが減った現代

平成の初期生まれぐらいの世代までは休みの日は外で遊ぶか習い事をするか
ということが普通で多くの人がそうしてきただろうと思います。
遊具でバンバン遊ぶのはもちろん
ボールを投げたり走り回ったり
自分達でルールを考えて遊びを作ったり
それはそれで今思えばすごく良い時間だったと感じます。

しかし、今は同じような状態ではなくなりました。
遊具は撤去され、すごく綺麗に舗装されたところで運動を出来る。
ここ数年では、コロナの問題がありさらに外で動く機会は減少した。
夏になると、異常な暑さにもなりなかなか外には行きづらいこと
負のスパイラルのように遊ぶ機会は減ってきたのではないか?
そんなことを感じるは良い年齢になった世代だけなのだと思う。

無視できない時代の変化

スポーツ界ではこんなことが言われています。
「判断が遅い」
「モチベーションが低い」
「止まれない」
「ボールに対する感覚が弱い」などなど
球技などにおいて考えると致命的な問題が多く起こっていると耳にします。

もちろん、前の世代が全員出来たかというとそうではない。
おそらく、できる側の人間と苦手な側の人間の比率が変化しているのかもしれない。
スポーツを行う母体数が減ってるので仕方のないことなのだが、、、

さて、ではなぜこんなことが起こり始めたのか?
それを紐解くには無数にある背景から考える必要があるのだが
今回は身体の機能に絞って考えると
やはり、「運動多様性」という問題は捨てられないのではないかと思う。
例えば、習い事で水泳をして野球やサッカーをして
体育ではバスケをしたりバレーボールをしたり
マット運動をしたり走ったり
スポーツをしてきた人の多くは幅広く身体を動かしてきた経験はありませんか?
これ、すごく大切なことなのです。

水泳の身体の動かし方とサッカーの動かし方は違います。
ボールを投げる競技と蹴る競技は全然違う。
様々な運動を繰り返す中で、人はその競技に応じた身体の使い方を覚えます。
そしてこれは脳に蓄積されるので、精度は落ちたとしても大人になってからでもある程度の動きが可能になります。
さらには、今思えばよくやっていたと思うが
遊具の上で鬼ごっこしたりボールを当てたり
そこから逃げて不安定なところで動き回ったりを繰り返すことも
身体は勝手にその動きをインプットしていきます。
この積み重ねが、特にジュニア世代には非常に大事であるのです。

現代では、少なくとも学校での動く時間は減り
どういう数値を示すかは定かではないが
多種目への関わり減っているかもしれません。
となると、無意識に脳が覚えていた「蓄積」が少ないので
咄嗟にどう動けば良いかわからない現象が起こります。
それが、指導者のいう「鈍臭い」という表現される1つかもしれません。
しかし、それは起こるべくして起こった問題でもあるのでしょう。
そういった背景を無視して、できるできないを判断するのは指導者は良くはありませんよね。

ジュニア世代でやりたいこと

日本スポーツでは中学生ぐらいになると「勝ち」にこだわります。
ほとんどの人が種目を絞り、専門的にそれだけを追求する。
練習は修行のように地味なことを繰り返す。
それ自体は大きな問題とは思いませんが
ジュニア期で「運動多様性」を失いつつある中で
競技に専念させることはケガのリスクにもなったり
パフォーマンスが上がりにくい要因になることを理解しておきましょう。

アメリカでは、例えば夏はバレーボールで冬はバスケをしたりするようです。
特に学生世代では1つには絞らず、様々な競技や遊びを通じて身体を動かしていくと聞いたことがあります。
もちろんそれをするのが体育といえばそれは否定しません。
ただ、そこまで多くはない時間にもなりますし
授業は評価が関わるのであまり楽しめない学生も多いのもあるかもしれませんね。

では、学生にはどんなことができるのか?
ここはやはり、そういう運動をどんどんやっていくことが一番です。
・アスレチックのようなところを作って遊びながら勝手に身体が動いていく環境
・普段しないような可動域で、でも楽しみながらできるような飽きない遊び
・トレーニングという名目でも、楽しみながらやる中で身体が勝手に変わっていくようなワーク
そんなことを取り入れてみてはいかがでしょうか?
時には考えさせることも大切ですが
気にせず思い切って楽しく遊ばせることもジュニア世代には大切です。

足を速くするために
ボールを強く蹴れるようになるために
バッティングを良くするために
力をつけるために
こんなトレーニングも大切なのは間違いありません。
ただ、ジュニア世代においてはそんなことしなくても身体が動いてくれば勝手に良くなってきます。
それは、ケガの予防にも繋げればパフォーマンスも上がりやすい身体にもなる。
何かをトレーニングするのは一見良く見えますが
それはその動きが変わるだけで結局多様性はありません。
違う動きが必要になった時は対応できないのです。
1つの運動で多くの効果を得ることができる。
その方が、良いですよね。

いかがでしたでしょうか?
「あの選手あかんなー」ではありません。
「鈍臭いなー」でもありません。
なんでそうなっているのか?
なぜ、それができないのか?
それを理解できないと解決はできません。
わからないなら専門家と一緒に考えましょう。
全てジュニア世代アスリートのために。

お読みいただきありがとうございました。

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