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ネーションズリーグをテレビで観た感想

バレーボール経験者ではないため戦術やスキルのことは分かりません。
あくまでも身体の専門家としての身体の視点で考察した内容です。
専門家の方の意見を否定するつもりはないことをご理解ください。

今年のネーションズリーグは男子チームの大躍進としてピックアップされました。
超強豪チームを破っての銅メダル獲得。
ここ数年で躍進し続ける男子チームの結果を象徴する大会になりましたね。
しかしながら、女子チームはおそらくもう一歩。
という結果に終わってしまったのではないかという印象を受けました。
パリオリンピックに向けて良い大会になっていることを願っています。
その中で、以前から感じていた世界との違いをいくつかの観点でまとめてみようかと思います。

海外との圧倒的なパッションの違い

バレーボールに限らずいつも感じることは
海外チームのジェスチャーの多さ。
監督であれば身振り手振りを大きく選手に伝えるし
感情表現もすごく豊かなのは印象がありますよね。
身体ごと表現したり、首を傾げたり表現方法は多種多様です。
かたや日本人はすごく静かな印象。
それが日本文化だからと言えばそうなのですが
これ結構大きな問題じゃないのかなーとも感じます。

1、日本人と欧米人の違い

日本発祥の競技を見ればイメージがつくかもしれません。
柔道・空手・相撲などが日本の文化として国技として実施されています。
特に柔道や相撲に関しては投げられたら終わり。
選手は技を狙いつつ投げられないように重心を落として耐えることも多いです。
その構えが美しく、日本人を魅了する典型が相撲かもしれませんね。
元々の日本はずっしり感が好きな人種だったのかなーと想定しています。
丹田という言葉が武道の中では当たり前となりますが
あれはおへその下になり、本来ある重心と近いところでもありますので
意識の面でもやはりお腹の下側を使った安定感たっぷり動くのが好きなことは想定ができます。

かたや海外の人。
日本の競技としての相撲を見学する方は多いでしょうが
腰高でスラッとして重心が高いイメージ。
なんか動きやすそうな、そんな印象を持つ人も多いのではないでしょうか?
前提としての身体の違いがあることは否定できませんが
生活スタイルであったり普段の意識が日本人とは大きく違うようです。
安定感ももちろん大切でしょうが、どこか自由で楽しんでいる。
それが海外選手の強みとして関わっていることは間違いないでしょう。

2、日本人の指導

指導者ではないため指導方法のことは分かりません。
ただ、トレーナーとして高校生の部活に関わったり先生として授業をさせていただく中で感じることがあることも確かです。
海外での教育を受けてはいないので、どういう違いがあるか明確にはわからないですが
「とにかく真面目」という印象。
特に部活動出身の団体競技、プラス女子学生。
すごく真面目に取り組んで、みんなで楽しく何かにチャレンジしていく。
素晴らしい時間を過ごしているのだと思います。

ただ、真面目すぎるからか顧問の先生やコーチが絶対になってしまっているのも受け取れました。
先生の戦術の考え方などがあるので仕方ないところはあるかもしれませんが
どこか疑問に感じることがあります。
例えば、球技でいうと
「相手を騙すこと」も1つ大切なポイント。
・セッターであればどこにあげるかわからない。
・その踏切でそっちにスパイクするのか。
・空いてるスペースにボールを返す。
・相手の嫌なことをする。
言葉では当たり前と思うでしょうが
先生の話をしっかり聞いて、真面目に取り組んでる人。
今の日本の形だと、チームをお決まりの型にはめて指導する印象が多く
自由の中で、遊び感覚をどこかで持ち、たまにトリッキーなプレーで楽しむ。
そんなことは生まれません。
そんなことが生まれないと相手がびっくりするようなプレーができない。
全てが枠にはまってしまう。
これはサッカーを見ていて特に感じます。

石川祐希選手、試合中笑ったりするのがすごく印象的でした。
たまにウインクもするし、フェイクセットも導入されたり
空いてるスペースに嫌なボールを返すし
それが他の選手にも定着してきた日本男子は強かったですよね。

日本の指導がだめだ。
ではなく、既存の指導方法にとらわれること。
球技においては真面目に取り組む中で型にはめてしまうのは
時としてプレーを妨げる要因になるのではないかということ。
日本同士であれば良いし、その中で厳しく練習を積み重ねるジュニア世代の日本代表が強い理由がそこにあるのではないかと思います。

3、ジェスチャーが表す意味

目に見えないものではありますが重心も高重心系と低重心系があると考えています。
これは意識的なものと動きの中でのものと分けて考えていますが
特にバレーボールはジャンプをするので上の意識が強くなることは誰でもわかるかと思います。
元々、身長に劣る日本人はボールを拾うことを意識した結果、低く構えていかにボールを下から拾うかを徹底したのだと考えています。
それによる弊害はジャンプ力が低くなる可能性があること。
ここでいうジャンプ力は最大到達点ではなく
最大到達点にいくまでのスピードとして考えます。

少し補足すると、バレーボールのジャンプ力が低いは何が良くないのかを考える必要があります。
・一般的な最大到達点の高さ
・ジャンプを始めてから最大到達点まで上がる速さ
・踏切からジャンプに切り替わるまでの速さ
・助走から踏切に切り替わる速さ
など複数の要素が関わりジャンプが生まれていることを忘れないようにしましょう。

話を戻すと、ざっくりいうとですが、低く構えることに慣れた日本人がジャンプで必要になるのは強靭な足の筋力です。
ずっしり構えることが好きなので、重くなったものを上に運ぶのは時間もかかれば強い力が必要になりますよね。
かたや、海外の人は、そもそも低く構えるのが苦手な人種なので常により高いところに意識もある印象。
低いボールは拾いにくいかもしれないが、上にあるものが飛び上がるので飛びやすい。
最高到達点までいくスピードも速くなります。
この時必要なのが腕の振り上げで身体の持ち上がりになります。

高重心民族は熱い想いを思いっきり伝える文化があります。
パートナーとのスキンシップなどもその類だと思います。
点を取れば叫んで盛り上がる。
納得いかないことがあれば身振り手振りで伝える。
上半身を使うことにも長けているのではないだろうか?
そんな人たちはジャンプの時だって腕を使いやすいですよね。

元々、低重心を好む日本人が高重心を操るチームと戦うわけです。
トレーニングはもちろん、日本の指導方法、あるいは学生と先生の関係性や
親と子どもの関係性すらも関わる要因になることは言うまでもありません。
全て大きな差となって現れてしまっていたりも考えれるわけです。
あくまでも持論ですが、、、

さて一見、国が違うからと思考を持つことすらしないところを考えてみるとこんなことになりました。
日本女子チーム、すごく静かな印象を持たざるを得なかった。
海外のチームの方が楽しそう。
日本男子チーム楽しそう。
もちろん、勝ってるからと言うのもあるかもしれないけど
一点を取った時の盛り上がり
試合中の表情
そんなところからも結果に影響しているのではないかと感じます。
上半身をよく使う競技だからこそ
もっと根底から身体を見直すと何かきっかけの1つにならないかなー
と感じるネーションズリーグでした。

お読みいただきありがとうございました。


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