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part04黒木渚ライブ2021“死に損ないのパレード”に寄せて

2021.10.3に生ライブ、1ヶ月後11.6に凄まじい早さでエディット後の配信ライブを実施してくれた黒木渚のライブ感想文4発目。(part01  02  03

黒木渚はキラカードなんだよね、しかも裏隠しキラ。

プロ野球チップスのオマケとは違い、硬貨を入れるとストレートに景品が出てくるカードダスというものがありまして、今は鬼滅や呪術であるようですが。

なけなしの硬貨をスーパーマーケットに持ち出し通常カードはもちろんキラカード(※注)を目指してハンドルをグリグリしてた少年少女時代、ワタシにはヨシダ君という友人がいました。

(※注)キラカード:通常のカードと違って、プリズム仕様になったカード。ノンキラより枚数が少なくてレア。そして数値が高い。なんの数値かわからないけど高くて強い。あの数値で遊んでいた人いたのかな?ってくらい不明な高い数値で、もう収集することが目的になっていた。収集癖要請ギプスの象徴がキラカードだった。

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ヨシダ「森村知ってる?裏キラカード」

森村「おいおい、物騒な話だな何だそれは」

聞くと通常のキラカードは既に表面はプリズムになっているけれど、裏キラカードまたは隠れキラカードというものは一見ノンキラなカード。しかし最表面を剥がすと、その下にキラカードが隠れているという代物だった。
教えてもらうと確かに聞き覚えがあった。上級生の金持ちのボンボンがそれを自慢していたなんて噂が耳に入っていたからだが、まさかそんな物が現実に存在するなんて、にわかには信じられなかった。

裏・剥がす...当時、未成熟なワタシでも、その響きにえも言われぬ甘美さ・背徳感を覚えた。

ヨシダ君が「これが...」と取り出した数枚のカード。たしかにノンキラだが、何か違う。裏面の紙が心なしか濃度が違う。これは確かにいつもと違う圧力がある。

森村「ここじゃまずいな、今日の帰りに公園で剝がそうぜ」と、まるで×××で拾った×××を×××するかのように提案したワタシ。

しかし、ヨシダ君の返答は意外なもので

ヨシダ「価値落ちちゃうじゃん。これ通常キラ20枚分あるから、簡単に剝がしたくないよ。午後は忙しいし。おまえのキラ20枚と交換してあげるよ」

どういった計算か知らないけれど、1枚の隠れキラは複数枚の価値があるらしい。
ヨシダ君の交渉術は巧みだった。まるで20枚でも過小評価ではないのかと感じる説得力。
そんな経験をできるまたとないチャンスを、この友人は与えてくれるのだ。

しかもワタシは聞いていた、彼は今日の終業式をもって引越することを。

別れの日に、なんと優しい友だろう。旅立ちのはなむけを渡すべきところ、こちらに友情の証として素晴らしい提案をしてくれるなんて!

ワタシは走った。式が終わり、自宅に戻り、手にキラカードの束を握りしめてヨシダ君の家へ向かった。
同級生が何人か集まっていて内数人は私と同じようにキラカードを握りしめている。

みなと別れの言葉を交わしながら、カードを交換して行くヨシダくん。紡いだ思い出を1枚のカードに込めて彼との惜別に至った。


・・・・彼を見送り、まもなく。言葉もないまま誰ともなく、各々がカードを剥がす。

・・・・剝がれない。

後に分かったことだけど、ヨシダ君が渡していたカードはただ裏面が色褪せた通常カードだった。この野郎。ヨシダ。きっと今頃大物になっていることでしょう。

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黒木渚はキラカードなんだよね、しかも裏隠しキラ。

普段SNSやファンコミュニティサイトでは通常カード。
酒を浴びたり、チンゲンサイの化身みたいな恰好で笑いながらYOUTUBE配信をしているのに、
歌手黒木渚、表現者黒木渚はプリズムで溢れてくる。

その輝きが最高潮に達するのがライブアクトなんです。しかも今回のライブは溜め込んでいた黒木渚のやりたいことを詰め込んでくれたライブ。

1枚はがせば、もう眩しくて眩しくて仕方ない。そんなライブを先日提供してくれました。

衣装が今回は第3形態まであると告知があったんだけど、大掛かりなチェンジというよりは徐々に変わっていき、最後に”惑星を落とす用のユニット”を装着する感じ。その変化する様は、ゆっくりと表面の紙を剝がしていく感じ。甘美。

ミューズ黒木渚が剥がれ落ちてなお輝いていく舞台。ぜひ映像で見て欲しい。
ヨシダ君みたいな騙しはないです。騙されたと思って見て欲しい。

アーカイブは11.14(日)23:59までみられるとのこと。

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