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空き家斜面地の活用〜贈与型住宅、次世代が暮らす〜

南町ヴィレッジオープンハウス

長崎市の不動産会社 明生興産 さんが取り組む南町ヴィレッジを訪問しましました。
長崎特有の坂と161段の階段を登った先にある53年の空き家をリノベーションし贈与型住宅として提供する物件です🏠 
長崎市の斜面地は素晴らしい景観と暖かな日差しが差す一方で、空き家の増加などの課題も多くあります。道が狭く車の乗り入れが難しく、立て直すにも建築コストがかかります。また所有者が不明など貸主と借主のマッチングも課題の1つです。

161段の階段を登る
階段の先に広がる平屋



今回の贈与型住宅は、明生興産さんが買取リノベーションした物件にまず賃貸住宅(月2万9千円)として住み続け、10年後に質貸のまま住み続けるか贈与で譲り受けるかの選択が自由にできる仕組みでした。借主としては気軽に負担なく賃貸でき気に入れば定住できるという夢の様なシステムです。

家の記憶を素敵に残し、新しく住む人の余白がある建物

家に着くと長崎らしい景色が広がり鳥の声が聞こえます。建物内は素敵な建具は残され、日常使いする場所は綺麗にリノベーションされていました。全てを作り込まずDIYも出来るようになっており、新しく住む人が関わる余白がある家だなとおもいました。全く新しいものでなく建物の記憶が残る愛着ある物件です。きっと以前の持ち主と建物と対話を重ねられたのだと思いました。

入った瞬間色んな可能性を感じました。
オープンデーでは作家の作品販売も
家の記憶


子育て世帯のために

今回の贈与型住宅ですが、子育て世帯の養育費負担が大きくなる大学進学時等の10年後に、家賃負担が無くなる仕組で、ひとり親世帯はじめ子育て世帯の方々に住んで頂けるよう考えたそうです。
明生興産 さんの「未来の子供たちの為に持続可能な循環型建築社会の市場創造」という理念が素晴らしいと思いました。建て壊しというスクラップ&ビルドではなくサスティナブルな住宅が常識化することを考えられています🌳

居心地良く色んなお話をさせて頂きました。いつも暖かい雰囲気が好きです。壁はDIY可能。

再開発の表裏にある営みと文化

100年に1度の変化を掲げる長崎市。高度化し効率の良い再開発は都市の利便性向上と発展に必要なことです。一方で都市の合理性の中で効率が悪いものは淘汰される傾向にあります。
果たして自然の流れに任せて淘汰されて良いのか地方都市、歴史文化都市長崎はどうなるべきか対話をし続けることが大切です。今こそ再開発の表裏に存在する営みや風景にも想像力を持ち、持続可能性あるまちづくりに取り組むことが重要だと考えます。

長崎らしい暮らしとは?
対話することから始まる

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