朴の花の香り


ここ数日、林内を散歩していて
自然のものとは思えないほど
甘くうっとりする香りと出会いました。
一体どこから?
本当に香水のような。。。。
それは朴の花の香りでした。

朴の木は樹高が高いので、
直接花を見る機会はあまりありませんでした。
昨年までは気にも留めなかった森の香りの一つです。

身の回りにたくさんある樹なのですが、
開花期間が3日程度と短く、
そのタイミングを逃すと嗅げません。
遠くから香ってくるそのアロマは、
日本の森に似つかわしくない
ホワイトフローラルの香りです。
重厚感あるこっくりとしたミルキーな甘さのなかに、
熟した果実を思わせるフルーティさも。
いつまでも足を止めて嗅いでいたい香りです。

一方で花に10cm程度まで近づいて嗅ぐと
印象は変わります。
まず強烈にジャスミンティーの香りがします。
えっ?!森でジャスミン!?
と叫んでしまったくらい。
「ホワイトフローラル」というジャンル
としての香りから、ジャスミンという種まで
鮮明になりました。
ジャスミンと同じくらい強く感じるのは、
土ほこりを被って何年も放置された
屋外の犬小屋のような香り。
ようは、不快な匂いです。
またサロンパスの香りである
「サリチル酸メチル」も同じくらい強く感じます。
熟したフルーティさも感じます。


これらの、強烈で脈絡の無さそうな香りが
一体となって漂うと、
なぜあんなに良い香りが生まれるのか、
不思議すぎて考える気も起きません。

ジャスミンはバラ、スズランと並んで
「世界3大芳香花」と言われています。
日本の森とは縁遠い世界と思っていました。
まさかこんな身近に世界最高の花の香りのひとつ、
ジャスミンを感じられるとは思ってませんでした。
田舎暮らしの豊かさをまた一つ手に入れた気がします。

ちなみに花芽を天ぷらで食べたことがあります。
世界中でそこそこいろんなゲテモノを
食べてきましたが、
個人的に2度と食べたくないものランキングで
ぶっちぎりの1位は朴の花芽です。

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