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あの頃の漫画。

高校生の頃、私服の学校だったのをいいことに喫茶店に入り浸っていた。
漫画を読むことが目的では無かったが、そこに行くと必ずといって漫画雑誌を読みふけっていた。
当時は漫画を買う余裕はなかったが、今思えば、コーヒー代より週刊雑誌の方が安かったはずだ。まあ、それはおいといて。。。
その頃、スピリッツが月2回だったのが週間化されたり、チャンピョンは手塚治虫や石ノ森章太郎など巨匠が多かったり、ジャンプはよろしくメカドックや北斗の拳が目が離せなかったり、マガジンは「バリバリ伝説」や「1,2の三四郎」を愉しみにしていたり、サンデーが「うる星やつら」や「タッチ」が熱かったり、少年ビックコミックで「エリア88」や「岳人列伝」を、ビックコミックの「ゴルゴ13」やオリジナルの「あぶさん」も楽しみにしていた。GAROのダミー・オスカーも見ていたなぁ。

今の漫画どうのこうのとは言わないが、中学から高校にかけての頃の出会った漫画の影響は大きい。当時は本もよく読んでいたが、その喫茶店では漫画ばかりだった。自宅には1冊も無かったと思う。

コミックを買い始めたのは、その喫茶店が火事で消え、高校も卒業し、そのあと旅に出るので、帰国後、映画の学校に通うため東京に出た辺りからだ。
最初は今まで読んでいた漫画の続きが気になった。古本屋で映画の勉強のための本や面白そうな小説に加えてコミックを買うようになっていた。
東京にいたときもTVは無かったので、学校とバイトと映画館以外の時間は大概家で本を読んでいた。
そこからコミックが増えていった。小説に比べて場所を取るので、置く場所がどんどん無くなっていったが。。。

その喫茶店時代から、かなりはまっていた漫画のひとつに「軽井沢シンドローム」がある。

連載の途中から読み始めることになり、ラストも知らぬ間に終わっていたが、古本屋で見つけて懐かしく思い買いそろえてしまった。
当時はどのくらい人気があったのか知らないが、OVAや幻のドラマ化もあったらしい。(幻とはスタッフの死亡事故があり製作中止となった)

この漫画は、知っている人は少ないかもしれないし、当時からシリアスと2頭身キャラが入り乱れて話が進むので、わかりにくいとよく言われていた。
映画の勉強をしているときでもあったが、台詞回しが印象に残っていいる。
シーンが変わるときは、前のセリフがかぶって使われることがある。それがなんとも粋に感じた。
ところどころに出てくる他のアニメやヒーローモノのパロディもいい。
よく読むといろいろと隠されているのが、何度も読んでしまうところなのかもしれない。いってしまえば、マニアにしか受けない。

先日久しぶりに一気読みした。
漫画のことよりも、当時の朝の喫茶店や東京の小汚いアパートの日々を思い出した。
今の自分は、あの喫茶店とあのアパートの部屋で発酵して、旅で熟成していったのかもしれない。あの小さな場所にいろいろ詰まっているのだ。

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