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雨どいをひっぱったり、石塀をいじったり

京都に来る外国人観光客が民家の雨どいを引っ張ったりするらしい。
材質や強度を知りたいという好奇心らしい。
わからぬでもなし。
わたしもイギリスの湖水地方で石塀を触った。平らな石をつなぎや固定剤なしに積み重ねているように見えて、信じられなくなったのだ。
だってこれじゃ、人の手でも解体できそうだし、車が突っ込んだら崩れそうだし、何より地震があったら跡形もなく瓦礫の山になってしまうし…。
ここが地震のない土地だということは知っている。
だけどこんな無防備な建築物ってあり得る??
本当に見た目通り??
と、思って一番上の一枚を取り上げたら、本当に石塀からひょいっと持ち上げることができた。
他人の家を壊してしまったようで怖くなってすぐに元に戻したけれど。
自分の常識ではにわかに信じられない生活を見た時、ついつい好奇心によって物をいじってしまったのは、京都で迷惑がられている観光客もわたしも同じだ。
だって「外国人観光客」だから、地元の人にとってはなんでもないことがすごく面白いのです。ごめんなさい。

こんなことをするのは世界に自分ひとりだけだろうと思っていた。だから、たいした迷惑になってないはずだと。
だけど無数の人間に触られ続けたらたまったものではないですよね。

2024年6月15日中井治郎先生の講義を聞いて

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