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紙芝居「チビ、ごめんね」の本文サンプルです

現在、クラウドファンディングサイトCAMPFIREにて、「高齢者×ペットの社会問題を題材とした紙芝居を作成したい」という企画へのご支援を皆様にお願いしています(一般社団法人とまりぎの会主催)。

すでにご支援くださいました皆様、CAMPFIREのページからこちらを確認しにいらしてくださいました皆様、ありがとうございます!

紙芝居のタイトルは「チビ、ごめんね」。
私が担当する文章部分はほぼ完成しており、クラファンが成功したら、イラストレーターさん(もしくは漫画家さん)とデザイナーさんに作業を依頼することになっています。
「原稿、できてます!」のご報告として、約三分の一をここで公開させてください。
ご支援くださった方へのリターンの中に、「『チビ、ごめんね』の電子版先行提供」というものがあり、ここで全文を公開するわけにはゆかず……申し訳ありません。
以下がその本文です。



チビ、ごめんね
   森 奈津子


ぼくは、白猫。
名前はチビ。
子猫だった5年前に、おばあちゃんに拾われた。

小さかったぼくを、おばあちゃんはチビと名づけた。
今はもう、ぼくは大きくなったけど、おばあちゃんから見たらチビなので、あいかわらず、名前はチビ。


おばあちゃんは優しくて、ぼくをとてもかわいがってくれる。
おいしいごはんに、ふかふかの猫ベッド。
思い切り使っていい、ぼく専用の爪とぎに、清潔なトイレ。
猫じゃらしで遊んでもらったあとには、おやつをもらえる。

「チビや。おまえは、なにをしてもかわいいね」
そう言って、おばあちゃんはぼくをなでてくれる。

一匹と、一人。
おばあちゃんとぼくは、とても幸せ。
おばあちゃんに拾ってもらえて、本当によかった!


だけど、ある冬の朝。
おばあちゃんは、ベッドから起きてこなかった。

ぼくは、おばあちゃんを起こそうと、顔にさわってみた。
肉球がヒヤッとし、ぼくはびっくりして飛びのいた。
おばあちゃん、病気なの?
だったら、もっと寝れば治るよね?


ぼくは、おばあちゃんが起きてくるのを、いい子に待った。
だけど、日が高くのぼっても、おばあちゃんは起きてこない。
日が傾いてきても、やっぱり起きてこない。

そのときには、ぼくのごはんのお皿は、空になっていた。
「おなかがすいたよ!」
ぼくはベッドに飛び乗ってニャーニャー鳴いたけど、おばあちゃんは目をさまさない。


次の日には、水もなくなってしまった。
「のどがかわいたよ!」
ぼくはまた、ニャーニャー鳴いたけど、おばあちゃんは起きない。

電話が鳴ったけど、ぼくは猫だから出られない。
ぼくが人間の男の子だったら、すぐに電話に出て言うのに!
「おばあちゃんが病気です! 助けてください!」って!

日がのぼって、また落ちて。
けれど、おばあちゃんはまだ、ベッドの中。

おなかがすいたよ。のどがかわいたよ。
ぼく、もう動けないよ……。

おぱあちゃんの足元で、ぼくは丸くなった。


「母さん! 母さん!」

男の人の声で、ぼくは目が覚めた。
それは、おばあちゃんの息子のたかしさんだった。

たかしさんは泣きながら、おばあちゃんを揺さぶっていた。
「母さん、起きてくれ!」
だけど、おばあちゃんはやっぱり、目をひらかなかった。

(続く)



現在の本文公開はここまでということで、ご了承くださいませ。
そして、以下は蛇足でございます。
この作品は、「高齢者の施設入所や死亡により、ペットが殺処分になってしまう問題を世に訴える」「そうならないよう、社会の皆様に対策を考えていただく」のが目的ですので、私が普段の仕事では書かないような作品となっています。
私が作家として発表しているレズビアンSMやらレズビアンSFやらを紙芝居にしても、しょうがないのです。
そんな大人向けの密やかなエロを世のお子様方に開示しては、私はたちまち社会的フルボッコでしょう。

クラファンが成功したら、紙芝居データを無料配布いたしますので、幼稚園や小学校、児童館や子供向きイベントで上演していただき、家族みんなでこの問題を考えていただければと、願っています。
また、紙芝居の動画化&You Tubeへの投稿も考えています。

実はこの夏、私は小学生の夏休みの自由研究の題材になるような動物愛護センター見学会を開催したいと目論んでいました。
「親子で学べる動物愛護センター夏休み見学会」みたいな感じで。
以前にもご協力いただいた某愛護センターは貴重な成功例であり、子供たちの自由研究に最適ではないかとも考えていたのでした。
しかし、新型コロナの感染が爆発的に拡大した流行第7波で、断念せざるをえませんでした。
がっかり……。
ですので、紙芝居企画は、「親子で学べる動物愛護センター夏休み見学会」企画の代替案でもありました。
しかし、現在、達成額18%……。
クラファン開始とほぼ同時に、私が気管支炎を発症し、二ヶ月間ゴホゴホと咳き込んでいて、思うように時間がとれなかったのも、PR不足につながってしまいました。申し訳ありません。

それとは別に、女性スペースを守るための活動というものにも、私は携わっておりまして、こちらにやたらと時間と体力を削られてしまいました。
欧米では、自己申告による性別変更が認められ、「私の心は女性」と申告して法的に女性になった男性が、女子トイレやスパの女湯、女子更衣室などを使用し、日本ならば性犯罪とされるような行為に及んでいます。
しかし、それを批判した者は「差別主義者認定」されてしまうのです。
有名なところでは、女子スポーツに「心は女性」と自己申告する二流三流の男子選手が出場し、賞や賞金・奨学金をかっさらっているというエピソードがあります。

トランスジェンダーの競泳選手 リア・トーマス 18年には男子選手として大会参加 21年からは女子選手で|日テレNEWS

日本でも最近やっとマスコミがとりあげるようになりましたが、決して批判的な論調ではなく、また、「心は女性」の選手が性別適合手術を受けてはいないことにも触れません。
彼がチームメイトの女子選手たちに男性器を見せつけ、けれど、コーチらは差別主義者認定されるのを恐れてなにも言えないという事実も、完全スルーです。
そして、こんな海外の風潮を批判した日本の政治家もまた、マスコミに叩かれました。

自民・山谷氏「ばかげたこと起きている」 性自認めぐり|朝日新聞デジタル

実は日本でも、本人が申告する「心の性別」によって法的な性別を変えよう(セルフID制という法的制度です。冗談ではなく)という動きが、一部の政治家・政党・マスコミにも見られ、実は、かなり危うい状況が続いています。
これに異を唱えるのが、女性スペースを守るための活動です。
ただ、顔出し・名前出しで活動できるレズビアンもしくはバイセクシュアルの女性がいないので(残念なことに、体よりも心の性別が優先されるべきと考えるLGBT活動家、左翼活動家やそのシンパからのいやがらせが非常に陰湿で苛烈なので、性的少数派の女性が怖がるのは当然なのです)、作家の私が最前線に立っているのです。
言いたいことがあっても言えないセクマイ女性は、多いのですよ……。
私は活動家や政治家になるつもりはないので、特にメリットはないのですが、この活動は、私をこれまで生かしてくれた社会への恩返しのつもりで、お引き受けしています。

しかし、ぶっちゃけ、女性スペースを守るための活動で自分が使ったお金は、丸ごとこの紙芝居企画に使いたかった……。
だって、女子トイレや女湯や女子更衣室に男性(本人は心が女性であると自己申告)が入るのを防ぐなんて、本来ならやらなくてもいいことですよ!
犯罪を防ぎ、女性や女児の安全を確保するのが「差別」だと糾弾され、いやがらせされ、デマを流されるのですから、超アホくさ!

……紙芝居の本文の一部公開のはずが、脱線しまくり、「クラファンのPRに時間をとれなかった言い訳」のほうが長くなってしまい、申し訳ありません。
改めてPRさせてください。

とまりぎの会|CAMPFIRE
「高齢者×ペットの社会問題を題材とした紙芝居を作成したい」

支援額は、500円からです。
どうか、皆様、温かなご支援をよろしくお願いいたします。

サポート金額100円ならマクドナルドで、300円ならスタバ等のカフェチェーンで、500円以上ならお気に入りの喫茶店でコーヒー飲みながら原稿執筆します。よろしくお願いいたします。