見出し画像

ウシュバテソーロをなぜ応援するのか〜ウマ娘から競馬にハマっちゃった30代女〜

今晩(31日午前1時〜)に競馬レースのドバイワールドクラシックが行われる。そこにウシュバテソーロという日本の馬が走る。去年このレースを優勝し、今年は連覇を目指している馬である。私はこのウシュバテソーロという馬が大大大すきである。

そもそもなぜ競馬を見るようになったかというと、携帯ゲームのウマ娘がきっかけである。競馬で実際に走っていた歴代の馬たちを美少女キャラクターにしてレースで走らせ、優勝するとライブのセンターで歌わせるという、競馬とA K●48の人気投票、日本の厄介な文化を1つにまとめた暗黒のゲームである。このゲームがなぜか、当時疲れた会社員をしていた30代女の私に刺さり、かれこれ2年くらいプレイしている。

※Cygames, Inc  ウマ娘プリティダービーウェブサイトより

つい最近、このウマ娘でオルフェーヴルという馬がキャラクター化された。オルフェーヴルという馬は、ディープインパクトに並び日本競馬歴代最強馬の1頭に数えられる馬で、競馬レースで最高レベルのG1レースを6勝している。とても強く、また気性が荒かったとも言われる。話が逸れたが、そのオルフェーヴルの子供がウシュバテソーロである。

このウシュバテソーロの経歴が面白い。競馬レースには主に芝のレースとダート(土)のレースがあり、馬によってどちらかが得意か、適性がある。日本ではどちらかというと芝のレースが人気があり華があるようである。(競馬歴2年の浅い知識で語るため曖昧)ウシュバテソーロは初め芝のレースでデビューしたが、あまり戦績が良くなかった。22戦って勝ったのはたったの3勝。全く勝てないわけではないけれど、パッとしない成績。
そんなウシュバテソーロは5歳になってダートに転向する。すると次々と勝利を納めていき、10戦しか戦っていないのにそのうち8戦は1着に!!七歳になった現在G1レースを4勝するスーパーホースになっている。現役走っている馬で賞金獲得1位になり、現役ダート最強では?という声も呟かれる。
私はこの経歴を見て震える。
なぜなら一流の競馬の馬にとって5歳という年齢は、引退を考え始める年齢だからである。去年引退し芝で活躍した世界最強馬と言われたイクイノックスは4歳で引退した。年末に行われる日本で最も大きなG1レースのひとつ、有馬記念で優勝する馬は3歳馬や4歳馬が多い。ダートの馬は芝の馬よりも現役の年数が若干多いらしいが、やはり競馬の馬のピークは3歳〜4歳くらいと考えるのが一般的であろう。そこを5歳でダートに転向し、勝ち続けているのである。
個人的な話になるが、私は35歳で仕事を辞め、20年以上住んでいたアメリカから日本に引っ越した。小さい頃から絵を描き、絵の仕事をしたかったのだけれど、自身のなさや、アメリカにいるにはビザが必要な関係でそれまで別の仕事をしていた。30半ばで好きなことを追求してみようと思って今に至るが、常に、今からじゃ遅いんじゃ、、、という脳裏で囁かれる声を必死に無視している。そうした背景もあってか、5歳で方向転換し七歳で大活躍しているウシュバテソーロを見ていると泣きそうになってしまう。

私がウシュバテソーロが初めて気になりだしたのは去年のアメリカで行われたブリーダーズカップクラシックである。残念ながらこのレースではウシュバは5着に終わる。が、レース前、ウシュバに乗るジョッキーのインタビューが印象的でそれ以来ずっと応援している。とにかく調教が嫌い、出入り口を見つけると帰ろうとする、「他の馬もやってるよ」と宥めてやっと調教できる、など
とてもやる気がない
でも共感できる人間臭いエピソード
が語られていた。わかるよ、、、。できることなら家でいつまでもダラダラしたいよね、、。
競馬レースの前には、パドックといって観客の前を馬たちが周回する場所がある。ここで観客は馬の馬体や歩き方を見て馬の調子ややる気を見極める。他の馬たちが首をあげてシャキシャキ歩いているのに対し、ウシュバテソーロは首をだらんと下げて歩いている。

ファンからは「月曜日のサラリーマン」「やる気のないチョコボ」と言われている。実際には集中しているからこそ下を見ているらしいが、側から見るとやる気がなくてトボトボ歩いているようにしか見えない。

こんな練習嫌い、すぐ帰りたがるウシュバテソーロであるが、レースになるとめちゃめちゃ強い。しかも勝ち方がかっこいい。
レースの中盤まで最後方で走る。後ろすぎて、終盤まで画面に映っていないこともしばしば。が、最後の直線、他の馬から発生する大量の砂を顔面で浴びながら、一匹だけぐんぐんスピードアップし、バッタバッタと他の馬をごぼう抜きしていく
最後のカーブまでいつも後ろの方にいるので、届くのか?!流石に今回は届かないのか?!と観客をドキドキさせられるが、最後はきっちり勝つ。その姿が本当にカッコいい。

今年2月に行われたサウジカップでもこの走り方で勝ちに行ったのだが、なんと最後の最後にセニョールバスカドールというアメリカの馬に僅差で差されてしまった。(差す=追い抜く)いつも後ろから差している馬が、まさか後ろから差されるとは誰も思わなかった。

今晩のドバイワールドカップには、そのセニョールバスカドールも走る。ウシュバテソーロにとって連覇をかけた戦いになるだけでなくリベンジマッチになるのだ。
がんばれウシュバテソーロ!世界一目指して

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?