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akippa tech park #2 イベントレポート

こんにちは、akippa広報の森村です。
akippaでは2023年7月31日(月)に記念すべき第2回目となるエンジニアイベント「akippa tech park #2」を開催いたしました。
改めまして「関西のテックシーンを盛り上げたい!」という想いに賛同し、ご協力いただきましたBaseconnect株式会社さま、株式会社HACARUSさま、ありがとうございました!

2023年3月2日(木)に東京にて「akippa tech park #1」を開催し、今回はakippaの本社がある大阪での開催となります。
今回はイベントの様子をレポートで振り返りたいと思います。

「東京での開催の様子もぜひ知りたい!」そんな方はぜひ以下も見ていただけると嬉しいです。

akippa Tech Park #1のイベントレポートはこちら▼


今回、イベントが開催されたのはグランフロントに位置している「gusuku Ashibinaa OSAKA」。とってもおしゃれな雰囲気なのはもちろん、スペース名にもあるように沖縄の文化を取り入れた南国気分を味わえる空間でした。


今回のイベントテーマは「関西スタートアップエンジニアが語るサービス開発のここだけの話」。各社がサービス開発の裏側を赤裸々に語ります。

登壇者は各社以下3名になります。

akippa株式会社 バックエンドエンジニア 山下 太郎 氏
Baseconnect株式会社 VPoE 奥野 輔 氏
株式会社HACARUS データサイエンティスト 三嶋 渉平 氏

それでは登壇内容を振り返ってみましょう。


■Dive into 自社サ 〜ほどよくカオスを楽しむ〜(akippa/バックエンドエンジニア山下)


akippa(アキッパ)は「空きスペースを有効活用したいオーナー」と「外出時の駐車場を探しているドライバー」をつなぐ駐車場シェアリングサービスです。
2014年からサービスを開始しています。

akippaのここだけの話として「自社サービスって実際どうなの?」というところがよく聞かれるところかと思います。その際には以下の3つの要素に集約されると思います。

・チャレンジしやすい
・成長できる
・やりがいがある

2022年7月に入社をして、約1年間働いた実際のところ自分は、akippaは全て満たしてくれると思っています。

まず「チャレンジ」の要素です。
今まさに、プロダクト全体のリアーキテクチャを推進中で、新しいメンバーで昔の課題解決に取り組んでいこう、という声も上がっています。

続いて「成長」の要素です。
akippaでは日々いろんな案件が進行しているため、技術的な成長はもちろん、いろんなキャリアやバックボーンを持っている人が多いため、仕事の進め方など「こんなやり方があるのか!」と日々成長の材料が多いです。

最後に「やりがい」の要素です。
akippaはtoCのサービスのため、利用者の様々な声を聞くことができます。いい意見だけではなく耳が痛い意見もたくさん寄せられますが、そういった意見を改善のヒントにつなげることで、いい意見に変えることができます。そこが自社サービスならではのいいところですね。
結論、akippaは3つの要素が全部揃っていると私は考えています。

ただ、このようないい話をすることが今回の目的ではないので、リップサービスだけではない赤裸々なここだけの話をしたいと思います。

まずは「技術負債」ですね。
akippaには現役で稼動しているPHPフレームワークは3つあります。
そしてどれもバージョンは古式ゆかしきバージョンとなっています。

そして「予期せぬ障害」です。
技術面ではPHPフレームワークを3つ扱いつつ、インフラ面では休日でもアラートが飛んでくることもあります。

最後に「積み重なるバックログアイテム」です。
自社サービスが成長するとやりたいことがたくさん出てきますが、捌き切れていないのが現状です。これを解決するには自分たち自身が成長するしかありません。
挫折を繰り返しながらその都度立ち上がっている状態です。

今話したように、akippaは楽しい面だけではなく、厳しい面もあります。
弊社デザイナーが考えた言葉で「程よくカオス」というワードがあるのですが、みなさんも「なぜこんなことになってしまったのか・・・」と振り返る機会があるかと思います。

弊社の井上と1on1でそのような話がでたときにズバッと「それは自分たちがチャレンジしているからですよ」と言われて。嬉しかったし励まされました。すごく自分の心に刺さりましたね。
だからこそ、自社サービスは日々チャレンジしてなんぼ。その結果出てきたものには真摯に向き合うことが大事だと考えています。

自社サービスの醍醐味は「大変なことはあるけれど解決すべき課題が多くて楽しいところ」です。
じゃあその課題にどう立ち向かっていくか?
私は愛があれば大丈夫だと思っています。自社サービスや一緒に働く人、技術でも何でもいいです。何かしらの愛があれば自社サービスがある会社で働く上でいいと思います。

愛をもってたくさんの課題とどう向き合うか。正解はないので自分たちで考えていくしかありません。地道に実践してカオスを楽しむことがいいと思います。

物事を変えるときには、大きくドラスティックに動かすことも大切だけれども、それをブレイクダウンして結局は小さくフォーカスしてそれを地道に泥臭く前に進めることが大事だと思っています。
最後に私の大好きなイチローさんの言葉で締めたいと思います。

ー小さいことを積み重ねることがとんでもないところへ行くただ一つの道だと思っています

■社運がかかった1年を過ごしました!〜期限必達!実装膨大!課題過多!とあるベンチャーのドタバタ奮闘劇!〜(Baseconnect/VPoE奥野)


弊社では、営業リスト作成から営業管理までを一括管理できる法人営業支援データベースMusubu (ムスブ) を提供しています。

今回の発表では、Musubuを開発する上でのドタバタ奮闘劇の一部をご紹介します。自社サービスを開発されている方に共感していただけることが多いのではないでしょうか。工夫した点なども紹介できたらと思いますので、参考になれば嬉しいです。

2022年某日、社運をかけたプロジェクトが立ち上がりました。
このプロジェクトが立ち上がった背景には、「事業上コアな機能を開発する上での技術負債を解消」するという狙いがありました。
具体的な技術負債の例としては、マスターに使用していた「グラフデータベース」と検索エンジン「Elasticsearch」を同時に運用していたことによって、同期が複雑になっており、例えばPdMに「画面に1つ表示項目を追加したい」と言われても見積もりが半年以上かかる状況でした。

品質や開発スピードをあげることが難しくなっていたため、このタイミングでシステムを0から作り直すという、覚悟を決めました。

しかし、覚悟は決めたものの、課題は沢山あります。
まず、グラフデータベースでは機能要求に応えることができなかったため、データベースのスキーマ変更が必須となります。その結果、アプリケーションの全書き換えが必要となりました。
その他、BE(バックエンド)言語のRubyからGoへの変更や、データモデルと画面の完全刷新をこのタイミングで実施することも決定しました。

200本近いAPIを新規で実装する必要がでてきたり、インフラの作り直しAmazon EC2からAmazon EKSへの変更など、様々な課題を既存のお客さまが利用している旧機能の保守対応をしながらおこなう必要がありました。

弊社は2017年に創業したのですが、本プロジェクトは創業以来、初の大規模PJとなりました。
6ヶ月で実装本格化からリリースまで進める必要があったため、全社員の3分の1がフルコミットし、推進していきました。
ここからは、乗り切るために工夫した点の一部を抜粋してご紹介させていただきます。

まずは、新規開発にリソースを集中できる体制作りを行いました。開発の難易度から並列しての仕事が難しく、プロジェクトに関わるエンジニア全員が集中して進める必要があります。
そのため、お客さまへの対応や既存機能の保守運用をマネージャーが担うなどして、新規開発に取り組めるように体制を調整しました。

さらに、機能実装までの流れをアジャイルからウォーターフォールに寄せました。認識ズレをなくし、効率良く開発をしていくために、各機能ごとにドキュメントを作成して、全員が内容を確認したら実装する、という進め方を徹底しました。

その他、品質維持の時間に関しても、実装とテストを並行して実施するなどスピードアップに努めました。

そうして、無事にリリースを終え、ユーザーの方から嬉しい声をいただくこともでき、メンバー全員で盛大に打ち上げをすることが出来ました。

今回お話ししきれなかった詳細は今後随時「Baseconnect Tech blog」にて紹介していけたらと思うので、ぜひご覧ください。

■PMF、サービス開発を加速するノーコードツールの活用/HACARUS データサイエンティスト三嶋


HACARUS(ハカルス)は、『次世代の「はかる」をあらゆる産業に』をミッションとし、少ないデータで、抜本的な問題解決につなげる「AIソリューション」を提供しています。
 
HACARUSでは医療や製造業、建設業をサポートするサービスを展開していますが、今回は、労働安全支援サービス「HACARUS Workplace Safety」の新しいサービスを提供するにあたり、アイデアの提案から製品をリリースするまでの流れと、早期リリースのために活用したノーコードツールについてご説明します。

新しい製品は「HACARUS Workplace Safety for KY」です。
KY(危険予知)に対してのサービスとなります。

KY(危険予知)とは、主に製造業や建設業での事故や労働災害を防ぐために、どんな危険があるのか要因を予知したり、その危険をどうやって予防するのか対策を検討することを指します。
製造業や建設業の現場では作業を開始する前に危険予知を行う「KY活動」が実施されています。

では、KY活動とはどのようなことをするのかというと、同じ作業をするメンバーで集まり「KYシート」と呼ばれるシートに手書きで作業内容や危険ポイント、対策を記載してグループで話し合うというものです。

このKY活動には課題があります。
非常に属人化しやすく、形骸化しやすいというところです。
なぜなら、経験が浅い作業員や最近増えてきている外国人作業員の方は適切なKYができないためです。一方で経験豊かなベテラン作業員でも、KY活動に慣れてくるとマンネリ化してしまい、あまり危険を感じなくなるというのも課題の一つです。

そこで、手軽で良質なKYを可能にするサービスをつくろう、ということで2023年2月頃に今回のソリューション「HACARUS Workplace Safety for KY」が発案されました。

機能としては以下になります。
・AIが作業内容に対して危険なポイントを提案
・類似した作業で過去に起こっていた労働災害事例の表示
・アプリ上でKYシートの作成ができ、上長やチームに即座に共有できる

このサービスができるまでの道のりをご紹介します。
2023年2月にサービスが発案され、少人数かつ、他の案件と掛け持ちしながら開発をスタートさせました。
すぐさま2月中にはプロトタイプアプリを作成し、既存のお客様との打ち合わせや展示会などでのヒアリングを通してサービスの方向性を確認して「これならいけそうだ」という話になったため本格的なアプリ作成に取り組みました。
その後5月にはβ版アプリの提供を開始し、8月から製品版の提供開始予定となっています。※ 2023年8月現在、提供を開始しています。

最初のサービス提案の経緯について説明します。私と営業担当者は前職で製造業の経験があり、KY活動の課題を実感していました。
さらにこのKY活動をDX化するというソリューションもあまりなかったため、可能性を感じていました。
とはいえ、社内から「KYなんて聞いたことがない」という声が挙がるなど、我々が感じている課題が一般的なものなのかどうかはわかりませんでした。そのため個人的な経験ではなく、きちんとお客さまの意見を聞くためにヒアリングを実施することになりました。
結果、現場で実際に課題があることがわかりました。

そしてこの提案からヒアリングに入る段階でプロトタイプのアプリを作りました。
やはり実際に動くアプリがあると、例えば展示会では足を止めてもらいやすくなったり、図やイラストよりもサービスのイメージを持ってもらいやすくなるなど、ユーザー候補者に対しても社内提案の際にも訴求力や説得力は大きいです。

プロトタイプのアプリはノーコードツール「Adalo(アダロ)」で作成しました。
ツールは沢山ありますが、工数をかけずにアプリを作りたいと思っていたので、実装が非常に簡単なこちらを最初に使用しました。
プロトタイプアプリはログイン機能やデータベースにKY事例を登録して表示するといった最低限の機能に絞ったことで、ほとんど1日で作成できました。その後デモ動画を作成し、展示会で使用していました。
展示会や既存顧客の方へのヒアリングは好反応で、社内に対しても開発のスピード感を伝えることができました。

社内外から好評価をいただいたことで「これでいけるぞ」と確信を持ち、実際にユーザーに使っていただくことができるβ版アプリの開発に取り掛かりました。
プロトタイプで使用していたAdaloは実装できる機能の制約が多いためノーコードツールをBubble(バブル)」に変更し、複雑な処理に関しては「AWS Lambda」や「Amazon API Gateway」などを使用して、コストをかけずに実装しました。

β版アプリは1ヶ月半ほどで作成し、実際にユーザーに使ってもらったフィードバックを反映するなど、修正や開発を毎日のようにすごいスピード感で進めることができました。
Bubbleは本番環境へのリリース手順が簡単にできるのも特徴の一つです。
他にもログイン機能やメール通知など一般的にあって欲しい機能は備わっており、複雑な処理もできます。
また、ノーコードツールのため、動作確認やリリースもWeb開発の経験が少なくてもスピード感を持って進めることができます。
Bubbleは少し難しいと言われることもありますが、プログラミングの経験があれば誰でも習得できると思っています。
とはいえ、課題はあると感じています。変更差分がわかりづらく、思いも寄らない変更差分が生まれることもありました。その辺りは自動テストを導入して対応しています。
デザイン性に関しても今回は業務用アプリ、という形で問題ないという感じです。
スケーラビリティに関しても今の規模感であれば当面使い続ける、というところです。

まとめになりますが、サービス初期の開発においてはノーコードツールは悪くない選択肢だと知って欲しいと思いました。また0から提案したアイデアをユーザーに使ってもらう体験は新規サービスならではの楽しさだと感じています。

■懇親会

各登壇者の発表が終了すると、懇親会の時間です。
懇親会はBaseconnectさまに企画いただき、参加者の皆さまが関心のあるテーマごとにグループに別れて交流を深めました。

登壇者ごとにグループに別れて情報交換をしたり、PdM/PjMやエンジニアなどそれぞれ同じ職種で集まったりと、テーマによって様々な交流が生まれました。

こうして初の大阪開催となるakippa tech park#2は幕を閉じました。
BaseconnectさまやHACARUSさまの登壇はもちろん、参加者の皆さまとの交流は大変貴重な経験となりました。今後のイベントでもテック企業に関わる多くの方同士がつながり、気軽に情報交換ができるイベントを開催できればと思います!

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