経営理論の読み上げに効果はあるのか?

前書き

私の会社では毎朝の朝礼の時に会社の経営理念を読み上げている。
そのため入社した当初は経営理念を暗唱できるように何回もテストが行われている。

内容としては「お客様第一主義の全員営業」や「社員第一、お客様第一主義の徹底実行」などといったものだ。

私も現在、一社員として当たり前のようにやっているが一つ疑問がある。
「これって意味があるのだろうか?」

確かになぜやっているのか理解はできる。経営理念を読み上げることによって「どんな社員であって欲しいか」を覚えてもらい日々の業務で徹底して欲しいのだろう。

では仮に自分が社長の立場に立ったらどのようなことをするだろうか?

①もっと短くする


社員にこうあって欲しいという気持ちはわかるが私の会社の経営理念は全て読み上げようとすると10分くらいかかる。
この量の文章は必要だろうか?

量を増やすことで様々なことに対応できるようになる。
しかしその代償として本当に伝えたいことは薄れてしまい、不明確になってしまう。

理念を掲げるのならば覚えやすく、実行しやすくするためにも5つくらいにまで絞った方がいいのではないだろうか?

また、ドナルド・サルの「simple rules」の中に興味深いものがあった。

ここではシンプルなルールのもたらす影響について書かれており特徴としては
・ルールの数が少ないこと
・使う人によってカスタマイズできること
・具体的であること
・柔軟性があること

とある。
この考え方は非常に参考になるのではないだろうか?

②憲法のようなものにする


理念を打ち立てるときは憲法のような役割にしていくのはどうだろうか?
つまり社員に向けた文章ではなく経営者に向けた文章にするものだ。

例えばお金の使い方として「稼いだ分は少しでも社員に給料という形で還元していく」のか「社員に長く安心して働いてもらうためにも内部留保を意識する」といったように対立する意見が出た時に経営者としてどちらを大切にするか判断する基準として経営理念を立てるのはどうだろうか?

③社員としての行動の模範にする


こんな状況を想定してみたい。
ある喫茶店の前で交通事故が起こったとする。その時、店員が被害にあった人に対して無償でコーヒーを提供する。これは褒められるべきか咎められるべきか?

社員としてどっちの行動をとるか迷った時に判断する材料として「全てのお客様に安心してくつろいでもらう」理念があれば店員は胸を張って人助けができる。

このように社員がどちらを優先するべきかわからなくなった時に迷わないように経営理念を使うのはどうだろうか?

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