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森てく
2022年8月18日 18:40
「救世主!!」 商店街で福引の順番を待っているときのことだった。 僕は白い息を吐きながら、主婦たちと一緒に何色の球が出るか気にしていた。 声が聞こえたのはそんなときだ。 一人の老人がこちらに矢のように向かってきた。 真っ白な頭髪はきちんと後ろになでつけ、鼻の下に上品な白ひげ。執事が着るような黒のスーツ。 僕の前でスッと止まる。 「お待ちしておりました」 「え?」