哲学
工業高校の建築科に進んだ僕は建築史の授業で知ったバウハウスに惹かれ、哲学に関心を持ち始めた。
初めて読んだ哲学書がヴィトゲンシュタインの「論理哲学論考」だった。
その本は散文詩的で美しかったが、内容はサッパリだった。
そこで論理学を知ろうとラッセル卿の「哲学入門」を原書で読んだりした。
高校3年になり、同級生達は次々と就職が決まっていった。僕は哲学が勉強したい気持ちが募り、ひとり受験勉強をしていた。
当時、バンド活動に夢中だった僕は就職には興味が無かった。
初めての大学受験は惨敗だった。高校を卒業して僕は駿台予備校の国立大学コースに入った。私立大学に入る余裕は無かった。
バンド活動が2年を過ぎた頃、哲学者の森有正氏がI.C.U.で教鞭を執る事を知り、半年猛勉強してI.C.U.を受験した。
当時I.C.U.の学費は私立大学の中では一番安かった。ロックフェラー財団が経営に参画していたからだ。
I.C.U.に入った僕は森有正氏が亡くなった事を知り、愕然とする。大学のチャペルでは氏の学葬が執り行われた。
大学でも僕は学友達と組んだバンド活動に夢中だった。
ジュニアになって哲学を専攻した。サブで美術史を選んだ。
原書を読む為にドイツ語、フランス語の授業も取った。
その頃僕は恋をしていた。
いろいろあって僕たちは学生結婚した。
大学を卒業したら就職しなければならなかったので哲学の勉強は二の次になった。
今になって改めて、もう一度哲学を勉強し直そうと思う。
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