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神の国、ワインと日本酒

週末を利用して和歌山県を旅してきました。

今年の前半は、静岡の母の急逝を筆頭にとてもハードなことばかり続いて、私の心はヘトヘトになっていました。

8月にたったひとつ「ワインエキスパート1次試験合格」という良い事があり、娘が「JALのマイルが貯まってて使わなきゃならないから、合格のお祝いにお母さんを旅行に連れてってあげる」と殊勝なことを言ってくれたので、青い海・パンダ・世界遺産の森と神社・美味しい魚を求めて、母娘でおでかけすることになったのです。

ここでは宿泊したホテル2軒についてまとめてみようと思います。

「2泊目のホテル浦島では高度成長期を、1泊目のホテル川久ではバブル期の日本とは何だったのかを知る」つまり、母の駆け抜けてきた時代を娘に語りつくすというテーマ設定でしたが、最終的に1泊目はワイン飲み比べ、2泊目は日本酒飲み比べという美酒堪能の旅になりました。

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行きの機内から見た真夏の富士山。神々しいです。


1泊目の宿「ホテル川久」

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南紀白浜空港から車で10分の海沿いにある全室スイートのホテルです。総工費400億円で建てられ30年前のオープン当時は、完全会員制でひとり1泊数十万円というようなものだったらしい。現在は普通のホテルになっていて、2食つきでロイヤルスイートルームでも2人で6万円で泊まれます。世界中から取り寄せた貴重な建材で贅を尽くされた館内には、サルバドールダリや横山大観の絵画なども飾られ、歩いているだけでも面白くてびっくりすることが盛りだくさん。白浜温泉も素晴らしい。

私たちは館内にあるワインセラー見学を16:30に2名で予約しました。

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ホテル川久は、とちゅう債務返済が滞ったりしてオーナーチェンジがありましたが、ワインセラー責任者の岡村さんはオープン当初からずっといる重鎮です。「うちはワインスペクテイター誌で東洋一の収蔵庫だと表彰されたこともあったのですよ」

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どんなお宝があるのかひとつひとつ拝見します。

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フランス革命の年のマデイラ

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とあるパーティで年末に開封されるのを待機しているペトリュスは、半年かけて澱を動かしています

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フランスのシャトーからお預かりしているワイン。数百年前から使われてきたシャトー地下カーブのワインセラーは湿気が重要で、このような状態で黴が全体に生えるのは良い状態の証拠

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セコンドと同年のラフィットが並んで保管されているのは世界でもここだけではないか

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川久は自社ブランドでワインを生産しています。中身はフランスのコート・デュ・ローヌで作られているけれどボトルはドイツから取り寄せており、しかも500mlという謎サイズ。ワインセラー見学をすると3,300円のボトル1本がお土産にもらえます。

レストランのワインは岡村さんが準備していらっしゃると聞いたので、夕食のビュッフェ(いままで見たどんなバイキングより内容が良いものでした。おそらく冷凍食品は皆無です)に、「13種類の世界のワイン飲み比べ3,000円」をつけることにしました。これが大当たり。

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「はい、お母さん次はこれだよ。どこの国の赤ワインだと思う?」1杯ずつ娘が運んできてくれる。「うーん、ニュージーランド?」「ぶどうの種類は?」「メルロー!いや違う、テンプラニーリョ?だとすればスペインか」「はい、大外れ。チリのカルメネールでした」という具合にブラインドテイスティングを繰り返す。カリフォルニアのピノノワール、イタリアバジリカータのグレコフィアーノ、ロンバルディアのバルベーラ、シシリーのネロダーヴォラ、ことごとく外す母。「いかん、このままではワインエキスパート2次全然合格しないじゃない!」

今年合格しないわけにはいかない。試験日の10月18日を目指して、厳しい学びを継続することをかたく心に誓う。

「そうだ。ワイン以外の酒も本番では出る。日本酒や梅酒のことも学ばなければならないね」


2泊目の宿「ホテル浦島」

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ホテル浦島部屋の窓から勝浦港を見る

浦島は建物が4つもある巨大なホテルです。黒潮がざざーんと打ち寄せる天然の洞窟内に、ふんだんに湧き出ている硫黄質の温泉が素晴らしい。お風呂は6種類もあって、山の上の客室から一番遠くのお風呂まで歩いていくと15分もかかってしまいます。

館内にある「海つばめ」という居酒屋がとても評判がいいようで、19:30の予約が取れたので、ホテルのビュッフェディナーはつけないことにしました。

日本酒と梅酒を学ぶ。

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日本酒6種飲み比べ。これで1,800円

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梅酒3杯1,000円は娘と半分ずつにしておく。

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なにがすごいって、刺身の盛り合わせである。

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これで2,800円。その場で写真を撮って、ひとつひとつの説明を書き込んだものを手渡してくださる。

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海つばめの予約が取れて、アドベンチャーワールドの赤ちゃんパンダ楓浜を見られる抽選に当たったら、再び南紀白浜勝浦の旅に行かなければならない。2次試験の前にもう一度、川久の岡村さんがご用意くださる過酷なワイントレーニングも受けなければならないだろう。



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