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【内容一部公開①】ベストセラーを次々と生み出す著者による、待望の教科書――近刊『ロヴェッリ 一般相対性理論入門』
2023年7月下旬発行予定の新刊書籍、『ロヴェッリ 一般相対性理論入門』のご紹介です。
売上累計7万部超の『時間は存在しない』など多数のベストセラーを生み出している理論物理学者カルロ・ロヴェッリが、ついに、一般相対性理論の教科書を執筆!
単純な計算過程は省略し、アイデアに焦点を当て、理論の本質を鋭く掴む!
同書の一部を、発行に先駆けて公開します!
(内容見本もこちらで公開中!)
著者紹介
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カルロ・ロヴェッリ(Carlo Rovelli)
相対性理論と量子力学の統合を目指す「量子重力理論」を研究する理論物理学者。
『すごい物理学講義』(河出書房新社)、『世の中ががらりと変わって見える物理の本』(同)、『時間は存在しない』(NHK 出版)、『世界は関係でできている』(同)など、世界的なヒット作を数多く生み出した。
難解な物理学書でありながら多数の読者を惹き付けた驚くべき手腕から、「物理をセクシーにした男」("The man who makes physics sexy")、「ホーキングの再来」("The next Stephen Hawking")などと称賛されている。
「ループ量子重力理論」の提唱者の一人で、入門書や専門書を多数執筆しているほか、講義動画も公開している。
1956年、イタリア・ヴェローナ生まれ。1986年にイタリア・パドヴァ大学で博士号取得後、イタリアやアメリカの大学勤務を経て、現在はフランスのエクス=マルセイユ大学教授。
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序文
世の中には、私たちを強く感動させる絶対的な傑作が存在する。モーツァルトのレクイエム、オデッセイ、システィーナ礼拝堂、リア王———これらのすばらしさを理解するには、時として見習い期間が必要になるかもしれない。しかし、これらの作品は純粋な美しさをもち、しかもそれだけではなく、私たちに世界の新しい見方を与えてくれる。アルベルト・アインシュタインの宝石である一般相対性理論は、そのような傑作の一つだ。
この薄い本書では、一般相対性理論を、その概念的な構造と基本的な結論を含めて簡潔に紹介する。
アイデアに焦点を当てた説明をすることにして、詳細は省いている。主要な結果は、長い数式による計算を行わずに、もっとも単純な形で導き出す。私の独自の考察がいくつか含まれていて、いくつかのトピックは、ほかの本では簡単に見つけられない独自の観点から説明されている。最後の章では、量子重力に関する基本的な考え方を紹介する。本書は、一般相対性理論の重要なアイデアと結果を学ぶのに適している。ただし、その膨大な内容を熟知する専門家になる野心のない人向けだ。
また、この本は、概念の明確さを添える意味で、多くの他書の補足としても使うことができる。本書では、私がいま理解している形で一般相対性理論を説明する。私は、これが理論の量子的側面に取り組むための最良の視点を提供するものと信じている。
数式と数式の間の単純な計算過程は省略し、代わりに[示せ!]というテキストで示す。物理学者が数学をたどるときによく行うように、読者は著者を信頼して結構だし、実際に計算を行って技術的能力を習得することもできる。そのように自分で手を動かす学生は、相対性理論の技術を実際に体験していくことになるだろう。練習問題が好きなら、一般相対性理論の問題集がいくつかある。本書で*付きで記載したところは、メインとはいえない境界上のトピックだ。
多くの訂正とテキストのイタリア語への翻訳をしてくれた、Pietropaolo Frisoniに感謝する。最初の原稿で多くのタイプミスや間違いを見つけてくれた、Aymeric Dervilleにも感謝する。ミスはもっとたくさんあると思う。もしあなたがそれらを見つけたら、私に指摘していただければ幸いだ。
最近のノーベル物理学賞が、一般相対性理論に関連した物理学に対して授与されている(重力波2017年、宇宙論2019年、ブラックホール2020年)のは、この並外れた理論であるアインシュタインの宝石の、現在の活力と繁栄の証だ。ここでは、この宝石のもとにあるアイデアの輝かしい美しさとシンプルさを明らかにしようとしている。
著者による日本語版への序文
本書は、一般相対性理論のアイデアに焦点を当てている。 私自身が到達し得たアイデアを最大限に明快に伝えることは、結構たいへんなことだった。本書が日本語に翻訳されているのを見るのは、私にとって喜びであり、名誉なことだ。日本の学生、学者、そして関心のある人々が、この比類のない美しい理論を理解するのに、本書が役立つことを願っている。また、若い読者がこれらのアイデアを発展させ、自然に対する理解を深めていくことを願っている。
2022 年 10 月
Carlo
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目次
Ⅰ 基礎
一般相対性理論とは何か?
Chapter 1 物理学:重力の場の理論
1.1 特殊相対性理論
1.2 場
Chapter 2 哲学:時空とは何か?
2.1 相対性とニュートン時空
2.2 アインシュタインのアイデア:ニュートン時空は物理的な場である
2.3 アインシュタインのヒント:加速度は何に対して?
Chapter 3 数学:曲がった空間
3.1 曲面
3.2 リーマン幾何学
3.3 幾何学
Ⅱ 理論
Chapter 4 基礎方程式
4.1 重力場
4.2 重力の影響
4.3 場の方程式
4.4 場の方程式の源
4.5 真空の方程式
Chapter 5 作用
Chapter 6 対称性と解釈
6.1 一般共変性と微分同相不変性
6.2 時間とエネルギー
Ⅲ 応用
Chapter 7 ニュートン力学の極限
7.1 計量のニュートン的極限
7.2 ニュートンの力
7.3 一般相対論的時間の遅れ
Chapter 8 重力波
8.1 物質への影響
8.2 発生と検出
Chapter 9 宇宙論
9.1 宇宙の大規模幾何学
9.2 基本的な宇宙モデル
Chapter 10 質量の場
10.1 シュヴァルツシルト計量
10.2 ケプラー問題
10.3 太陽による光の曲がり
10.4 地平面近傍の軌道
10.5 宇宙論的な力
10.6 カー – ニューマン計量と座標の引きずり
Chapter 11 ブラックホール
11.1 地平面のところ
11.2 ブラックホールの中
11.3 ホワイトホール
Chapter 12 量子重力の概略
12.1 量子重力の経験的で理論的な基礎
12.2 分解:空間量子
12.3 時空形状の重ね合わせ
12.4 遷移:ブラックホールからホワイトホールへのトンネルとビッグバ ウンス
12.5 結論:時空の消滅
より詳しく学ぶための書
訳者あとがき
索引
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いかがでしたか?
本の中身も見てみたい!こちらにて内容見本を公開中です!
ぜひご一読ください!
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