【妄想脚本】二階堂ふみと池松壮亮で作品を作れるとしたら

登場人物

松島夏美(二階堂ふみ)…大学4年生。家庭環境はあまりよくない。一人暮らしをするためバイト漬けの日々。

斎藤和哉(池松壮亮)…バーのお兄さん。のらりくらりと生きている29歳。定職にはついていない。今は東京で一人暮らし。

ゲンさん(柄本明)…お酒大好きなおじさん。下北で飲み歩いている。

場所:下北沢

シーン1 【夜 バー】

夏美「こんばんはー」

夏美、おじさんと共にバーに入る。

ゲン「ここ? なっちゃんオススメのバー」

夏美「そう」

和哉、入口の方を見る。

和哉「こんばんは。どうぞ!」

目の前のカウンターにコースターを置く和哉。

夏美とおじさん、座る。

夏美「えーっとねー」

和哉の後ろに並べてある酒瓶を見る夏美。

ゲン「強いのいっちゃいなよ! テキーラある?」

和哉「テキーラっすか? ありますよ」

和哉、テキーラのボトルを手に取る。

夏美「私ジンライムで良いや」

ゲン「えー、もったいない」

夏美「もういっぱい飲んだもん。ジンライムください」

和哉、酒棚を見て、

和哉「あー、ごめん。もうライムがないんだ」

夏美「分かりました。じゃあ、私もテキーラで」

ゲン「良いねぇ」

和哉、ショットグラスにお酒を注ぐ。

和哉「お姉さん、前も来たことありますよね?」

夏美「はい、何回か」

和哉、2人の前にグラスを置きながら、

和哉「何て言うんです? 名前」

夏美「夏美です。松島夏美」

ゲン、テキーラを一気に飲む。

ゲン「なっちゃん」

和哉「なっちゃんね」

ゲン「俺はゲンさんっつーんだ」

ゲン、ショットグラスを差し出し人差し指を立てる。

和哉「ゲンさん、大丈夫です?」

夏美「そうですよ。もうだいぶ酔ってる」

ゲン「まだまだだよ! お兄さんの分も!」



シーン2 【夜 バーの外、バー】

和哉「ありがとうございます! 気を付けて」

ゲン「また来るよお」

ゲン、千鳥足で歩き始める。

和哉、店の中へ。

夏美、その様子を見ている。

和哉「大丈夫かなぁ。なっちゃんは帰んないの?」

カウンターに入る和哉。

夏美「もうちょっと飲んできます」

和哉「実家暮らしって言ってたっけ? お母さん心配するよ」

夏美、オレンジのカクテルを一口飲む。

夏美「一人暮らししたい」

和哉「へぇ。何で?」

夏美「その方が、気楽じゃないですか」

和哉、夏美をじっと見る。

グラスを拭き始める。

和哉「良いじゃん。しちゃいなよ」

夏美「まだお金が足りないんです」

和哉「お金かぁ」

夏美「あー、早く出たい!」

和哉、グラスを片付ける。

夏美「お金借りるのも悔しいもんなぁ」

和哉、笑う。

和哉「良いんじゃない? 別に」

夏美「良くないですよ~」

和哉「俺だって借金してるし。すげー電話かかってくるよ」

夏美「えっ! ちなみにいくらくらいしてるんですか?」

和哉「100」

夏美、目を見開く。

夏美「それはヤバい」

和哉「だろ? でも大したことないよ。ちゃんと楽しく生きてるしさ」

夏美「そうかぁ」

和哉、夏美の前に水の入ったグラスを置く。

和哉「ま、オススメはしないけど」

夏美「しませんよ、そんな」

和哉「そういえばさ」

夏美、水を飲みながら和哉を見上げる。

和哉「大丈夫? 毎回違うオッサン連れてきてるけど」

夏美「あれ、別に大丈夫ですよ。 ここで飲んで終わりだし」

和哉「なら良いけど、おじさん心配だよ」

夏美「おじさんって。というか、やっぱりお客さんのことちゃんと見てるんですね」

和哉「うーん。ま、そうかもね」

和哉「そろそろお店閉めるけど?」

夏美「あ、ごめんなさい」

夏美、グラスを返す。

和哉「良いよ良いよ。楽しかった」

夏美、和哉の顔をじっと見る。

和哉「…何?」

夏美「この辺住んでるんですよね」

和哉「うん」

夏美「4軒目」



シーン3 【夜 居酒屋】

深夜だけど、ザワザワしている。

和哉「でさぁ、俺が高校生の頃はバイトばっかしてさぁ」

夏美「分かる。東京行きたかったとかでしょ」

和哉「そう! もう登校日数足りてないしさぁ、授業中爆睡しちゃうしさぁ」

夏美「ダメじゃないですか」

和哉「本当に親に申し訳ないよなぁ。ま、今楽しいから良いんだけど」

和哉、日本酒を飲む。

夏美「なんか良いですね」

和哉「憧れちゃダメだよ、こんなんに」

夏美「楽しいんでしょ?」

和哉「あぁ」

夏美「じゃあ良いじゃないですか」

和哉「そういうわけでもないけどさ~、まぁそうかぁ」

2人、楽しそうにする。


夏美「ねぇ、カラオケ」

和哉「行くかぁ!」



シーン4 【夜 カラオケ】

夏美「寝てらんねぇよー! イエー! どうしたらぶっ潰せるのーこのクソみたいな自分のことベイベー!」

和哉、ぼけーっと見てる。


夏美「次、入れました?」

和哉「俺以外の男の前でも歌ってる? それ」

夏美「いいえ」

和哉「もっとさぁ、あるじゃん。aikoとか」

和哉、デンモクを画面の方に向ける。

夏美「aikoって感じじゃないもん」

和哉、マイクを持って立つ。


夏美、ぼけーっと見てる。

和哉「汗だらけのままでー舐めあおー! 納豆ご飯食ってからチューしよー!」


和哉、マイクを置きながら口ずさむ。

和哉「甘くて危険なー、夢を見てたいーの」

夏美「なんですかこれ」

和哉「銀杏BOYZだよ! 知らねぇのか!」

夏美「あー、なんか聞いたことある」

夏美、マイクを持って立ち上がる。


夏美「×× ×××のシンボルマークのA! そいつに!よく似た!」

和哉、ぼけーっと見てる。



シーン5 【明け方 外】

和哉「あー、スッキリした!」

夏美「良いですね、銀杏BOYZ」

和哉、伸びをする。

和哉「俺んち来る? すぐそこだけど」

夏美「はい」

和哉「じゃあ、コンビニで飯買ってくか」

2人、セブンイレブンの方に向かって歩く。



シーン6 【明け方 部屋】

和哉、タバコに火をつける。

和哉「汚いっしょ。寝たくなったらそこの布団で寝ていいから」

夏美「ありがとうございます」

夏美、布団に入る。

和哉「早速かい」

和哉、タバコをふかしぼーっとする。

夏美「バーの人が集客のためにお客さんを惚れさせようとするって聞きましたけど、アレって本当ですか?」

和哉「どうしたの、急に」

夏美「お兄さん、私のこと惚れさせようとしてましたよね」

和哉、むせながら

和哉「なんでそうなるんだよ!」

夏美、無言。

和哉「あれ、もしかして俺のこと好きだった?」

和哉、ニヤニヤしながら夏美のいる布団の方を見る。

夏美、無言。

和哉、呟くように

和哉「好きなヤツの前であんな歌うたわないか」

再びタバコを加える和哉。

和哉「なっちゃんさ、男友達多いタイプでしょ」

夏美、相変わらず返事をしない。

和哉、四つん這いで布団の方に近付く。

和哉「もう寝てんのか」

布団をめくろうとする和哉。

夏美、布団を引っ張る。

和哉「起きてんじゃん」

和哉、布団を引っぺがそうとする。

夏美「タバコ! 危ないから!」

和哉「図星なんだろー」

布団がはがれる。

2人、目が合う。3秒くらい。

夏美「おやすみなさい」

夏美、布団をかぶる。

和哉「おやすみ」

和哉、もとの位置に戻る。

夏美「また行きますね、バー」

和哉「おう。いつでも」

和哉、タバコを灰皿に押し付ける。

夏美「友達として」

和哉「今までは何だったの?」

夏美「ファン」

和哉「なんか下がってない?」

和哉、2本目のタバコ。

夏美、布団にもぐったまま、

夏美「女の子の前で歌う曲は選んだ方が良いですよ」

和哉、タバコをふかす。

和哉「そのまま返すよ」


ED曲 『ドストエフスキーを読んだと嘘をついた』忘れらんねえよ

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