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#455 山の頂上からの声は届かない

今、相手は何合目にいるのか。

先日の投稿で、今子どもたちに伝えていること、チームとしての仲間意識や周りへの気配りについての話について発信した。

今回は、それにも関わってくる話である。

どのように練習に向き合ったほうが良いのか、僕たちは知っている。目標を持って取り組むことの大切さを、僕たちは知っている。チームとはどのような雰囲気であったほうが良いかを、僕たちは知っている。今、サボることでどんな後悔が待っているかを、僕たちは知っている。なぜなら、僕たちは大人で、それなりの人生経験があって、その中で選択してきた行動による成功体験も持っているし、失敗体験による学びも持ち合わせているからである。

どれがよりベターな選択であるかという定義は、厳密には“知っている”というより個々の経験により異なる「それぞれの正解」として持ち合わせているものだが、要は大人はそれまでの経験による理想形をそれぞれに持っていて、それをベースに子どもたちを導こうとする。

これ自体が悪というわけではなく、それぞれの信念を持って子どもたちに関われば良いと思うのだが、気をつけたほうが良いと思うのはその理想形を合格ラインとして減点方式で子どもたちの現状を評価してしまうことだと思う。その理想形は一つの山の頂上で、子どもたちは今もしかしたら5合目、6合目を登っているかもしれないし、まだ1合目、2合目かもしれない。

8合目、9合目まで登ってきている人に対して、頂上から「ここまで頑張って登っておいで」と声をかけたら、あと少し頑張ろうと思えるかもしれない。しかし、まだ1合目や2合目にいる人に対して頂上から頑張れと声をかけても、まだまだ残る長い道のりに嫌気がさすだろうし、そもそもそんな遠いところからの声は届かないかもしれない。

子どもたちの成長段階が、現在山のどのあたりにあるのか。1合目、2合目ならそこまで登ってきていることへの評価をして、3合目からの言葉掛けをできているか。3合目まで登ってきたら、4合目、5合目からの言葉がけをする。そんな伴走を心がけていきたいと思う。

(了)

○この内容をもとにお話したstand.fmの放送は、こちらから聞くことができます


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