#453 すぐ効く魔法ではなく、実践と信じる心
呪文一つで身も心も一瞬で変わる。そんな魔法を使えれば。
近頃、ジュニアクラブの練習で子どもたちにかけている言葉。それは、チームとして仲間意識や周りへの気配りなどを促すような内容がほとんどになってきている。先日、友達と仲間の違いについて考える内容を投稿したが、まさにチームとしての仲間意識をどのように醸成していくのかが直近の課題だ。
まだ10年経っていない若いチームとはいえ、世代によってカラーは異なる。人数の多いとき、少ないとき、明るいとき、物静かなとき、負けん気が強いとき、穏やかなとき、様々だった。今のチームは、明るいところが長所で、友達感覚が強くて締まらないところがあるのが課題だと捉えている。
卒業していった世代の子達は、対内的にも対外的にもライバル意識の強い子が多かった。とはいえ仲が悪かったわけではなく、それをチームとしての目標意識に転換できるところが強みになっていたように思う。裏を返せば、僕(と他のコーチを含む大人たち)は子どもたちのそういった部分に頼ることができたということでもある。こちらからけしかける必要が特になかった。
今のチームのメンバーが持っている雰囲気は、子どもたちが元来持っている気性である。なので、それを責めるのは以ての外であり、競技者チームとしての課題が見えるのであればそれをどのように導いていくのかを考えるのが我々の役目だろう。
では、今のチームが何も変化してきていないかといえば、そんなことはない。去年の、それも後半ぐらいまでは、挨拶の大切さや声を出してプレーすることについて言い続けていた記憶があるし、それが今どうなっているかと言えば、自分から挨拶できる人が多くなったし(対外的にどうなのかはわからないけれど)、練習中や試合の時に声が出るようになってきた。
思えば、去年のそのころは「言っても言っても変わらんなぁ」と少し気疲れしていたような気がするが、半年も経ってみれば本人たちの年齢的成長も伴って変化を感じられるようになっているものである。僕の中でも、子どもたちの成長を信じられている時と、心配になってブレるときを繰り返しながら、それでも信じていくというトータルでのベクトルが変わっていなかったし、その方向で実践し続けてきたことが現在への変化に少しでも寄与できていたなら嬉しい。
結局、子どもたちは成長する。即効性のある魔法は使えない。けれど、その先に確かな変化と成長があることを信じて実践すること、そんな“じわじわ”と効いてくる魔法なら、僕にも使えるのかもしれない。
(了)
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