蟹工船稽古初日

こんなコメディーな蟹工船あるか?!

……と思わず呟いた久しぶりの観劇(アーカイブ配信)は、先日上演(?)された「蟹工船稽古初日」。
第三舞台の小須田康人さん、新感線の粟根まことさん、キャラメルボックス西川浩幸さん、板尾創路さんという役者陣に、惑星ピスタチオの腹筋善之介さんが作演出。
この豪華なメンツで面白くないわけがない。

いやーめちゃくちゃ笑いました。
稽古初日をそのまま見せる、というコンセプトですが、まあ要は「稽古初日」というテーマのエチュードですね。
役者が稽古場に来るところから始まり、顔合わせして本読みして立ってみて……という中で腹筋さんワールド全開の無茶ぶり演出要求に振り回されながら芝居作っていくという。
その無茶振りに対する四者四様な反応に、もう酸欠になるくらい笑いました。

キャラメルではありえないぶっ飛んだ演出の要求に混乱しっぱなしの西川さんと、「これ(出演)キャンセルってできますか」と言い放つ板尾さん。
その二人と腹筋さんの間に立ち、演助というか通訳と化してる粟根さん。
腹筋さんの唐突なパワーマイム要求に即興で応える小須田さんと、それを見た西川さんの「これが劇研だ…!」という感嘆の呟き。ここで「第三舞台だ…!」じゃなく「劇研だ…!」とくるあたりがさすが西川さん(早稲田出身)。
ちなみに小須田さんはスリッパかつ最年長なのに、一番激しく動いてた。さすが劇研。

どこまで打ち合わせでどこからエチュードだったのか分からんけど、正直下手な芝居よりはるかにクオリティ高かった。めちゃくちゃ笑ったし名言(迷言)も迷芝居も飛び出しまくりだったけど、後半演技するとこはやっぱりしっかり決めてくるし。
エチュードがここまで仕上がるって、やっぱり役者さん達の技量が半端ないなとあらためて。

「稽古」の終わった後のアフタートークもあったのですがこれがまた爆笑で。
この世代の演劇人の方々のトークって、ほんと聞いてて飽きないわ。誰やねん目力でハガキ倒したんは。
小須田さんが「腹筋さんのパワーマイムを目の前で観られたのがよかった」と言ってたけど、ファンとしては小須田さんのパワーマイムというプレミアすぎるモノを見られたことがお宝です。

最後に自分メモとして名言(迷言)メモ。
「新宿西口で会ってます」
「(手)洗わなかった」
「カムチャッカですか?須磨ですか?」
「僕、防波堤やります」
「北秋田男子」
「稽古初日はスリッパでしょ!」
「おっちゃんが遊んでるみたいになってしまう」
「はしご降りてまーす」
「降り方が分かんねえ」
「これ、4人でないとダメですか」
「走馬灯?」

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