『ゲーム型タスク管理アプリ「Habitica」を「Done to Earn」と読む』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.1.7
■タスクをこなすとアバターが育つ! 新年からの予定管理はゲーム風の「Habitica」で
アバターといってもメタバースの話題ではありません。
タスクをこなすとアバターが育つというRPGのレベル上げ育成要素を組み込んだスマホ向けのタスク管理アプリです。
■「Habitica」の説明を「X to Earn」ゲームのつもりで読んでみる
スマホ向けタスク管理アプリなのですが、これを勝手に「タスクをこなすとトークンがEarnできる「Done to Earn」サービスのつもりで説明を読み替えてみると新たなweb3サービスに見えてきます。
タスク管理=Done to Earnがベースコンセプト
個人のタスクを管理するアプリとしては必要十分です。
タスク完了で経験値とゴールドを獲得
タスクを完了させると経験値とゴールドがもらえます。
経験値はアバターキャラを成長させる糧となりステータスが上がります。
ゴールドは「X to Earn」でいうところのユーティリティトークンにあたります。
タスクをこなして獲得したトークンを現金化すれば「稼げる」のですが、市場でアイテムを購入しアバターキャラの戦力を強化することもできます。
アバターを強くしてボスキャラ討伐
ボスキャラとの対戦が待っているので経験値を貯めてレベル上げもしなきゃいけないし、トークンを現金化せず装備アイテムを買って戦力を上げなければならない、というゲーム設計です。
そして無事ボスキャラを討伐できれば大量の経験値とゴールド、アイテムをゲットできます。討伐するまでに費やしたトークンを回収できるほどの報酬かどうかはトークノミクスの設計に依りますが、ゲームとしての楽しみが大きければ「稼げる」一辺倒の経済設計にする必要はなさそうです。
レベルアップやアイテム装備でアバターキャラの見た目も変化します。これをPFP NFTとしてMintしてTwitterなどSNSのアイコンにすればサービスのPRにもなりますし、タスクをたくさん完了させた自分の分身そのものなので愛着も高まるでしょう。
ゲームとしての課金要素も
サスティナブルなゲームとするためには課金要素は必要です。ボス戦を有利にする装備アイテムも、コツコツとタスクをこなしてトークンを貯めて買うだけでなく課金で短期間に手に入れたい人も多くいるでしょう。
■社会的意義を高める追加アイディア
タスクを完了させるとEarnできるとしても、自分で勝手にタスク登録してEarnできるはずがありません。Earnに足るタスクで、かつEarn原資を誰かが負担している必要があります。
この部分を煮詰めると社会的意義のある「Done to Earn」サービスに仕立てられそうです。
企業でのタスク管理&評価への活用
業務上のタスクをこなすと人事評価用のポイントが獲得できます。
Earnにつながるタスクは上長が定義します。上長は忙しくゼロからタスク設計するのは大変ですから、ある程度のタスクパッケージが欲しいですね。
普段からBacklogなどのプロジェクト管理ツールを使っている場合はタスクの完了判断は各自でもよさそうです。
個々人のタスク管理とするより、「プロジェクト」というラスボスを大勢で倒すチーム戦の方が楽しそうです。
Earn原資はタスク管理ツールとして採用する企業自身が負担します。評価ポイント制よりも現金が稼げた方が社員は盛り上がりそうです。
地域の課題をタスク化してみんなでやっつける
ビーチクリーンやお祭りの実行委員会など地域の活動をタスク化してみるのもよいかもしれません。
運営側と参加者とにわけて、運営側がやってほしいタスクを定義。
タスクを完了させたらEarnできるトークンなど報酬を決めます。
先述の「企業でのプロジェクト」のようにワンチーム化する以外にも、複数の参加チームを募ってグループ間の対戦にする「GvG」の方が盛り上がりそうです。
途中はGvGでチーム間での競争をしつつ、最後はモンスターハンターのように巨大モンスターをグループ共闘して一緒に倒すと連帯感も生まれそう。
アバターが1日で成長しきるくらいのイベントモードがあればこういう使い方ができます。
Earn原資は地域組織のほか、ビーチクリーンやグリーンアクションなどのイベントに協賛する地域企業の広告費もアリでしょう。
生きてるだけでエライ+人の役に立つタスク
毎日生活の中で発生するタスクをこなす、生きてるだけでも僅かながらEarnできる「生きてるだけでエライ」という人生応援システムをベースに、お金を払ってでも依頼したいアルバイトタスクを受注してこなすとEarnできる「人の役に立つ」という要素を追加するのもニーズがありそうです。
単発アルバイトのようにガチで稼ぐタイプのものであればUber Eatsのようなギグワーカーのマッチングサービスになりますが、感謝されるだけに近いふんわりしたサービスとも相性がよさそうです。
Earn原資は単発アルバイトの発注者ですが、お金だけではないタスクの方が映えそうな予感がします。
DAO内タスクでガバナンストークンをEarn
よりweb3に親和性の高いところでの活用案です。
DAOで日々発生するタスクをこなすとガバナンストークンがEarnでき、DAOに貢献したことを量的にも証明できるという仕組みとして導入できそうです。
育つアバターキャラもNFTプロジェクトのDAOコミュニティなら所有しているNFTがタスク完了によって育つことで、NFT購入後も自分だけのジェネラティブNFTに仕上げることができるというのも面白そうです。
タスクの定義やEarn量の設定が初期は中央集権的になりそうなのと、有限なガバナンストークンでは永続化が難しいという課題はありますが、これまでも恣意的なロール運用にならざるを得なかったところを量的に可視化できるという意味でも導入意義はありそうです。
■「Done to Earn」結構行けそうな予感
「Habitica」というRPG型タスク管理アプリを勝手に「Done to Earn」サービスに読み替えて、さらにサービス拡張案まで出してしまいましたが、案外本当に作れそうな気がしてきました。
暗号資産としての独自トークンを扱う難易度が高い現状はありますが、ゲーム内ポイントでの育成とアバターを既存NFTと組み合わせたりNFTとしてMintできるだけでもかなり面白そう。
企業向けでも自治体向けでもグローバルでも、結構大きなビジネスとしてやれそう。どなたかこれ作りませんか?