見出し画像

『ChatGPTが国会にも登場。立法と行政でのAI活用』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.3.30

■ChatGPTが国会にも登場、質問案を作成 岸田総理 vs.AI で答弁の比較も

AIチャットbot「ChatGPT」が話題になる中、国会議員がChatGPTで質問を作成し、岸田文雄内閣総理大臣に問いかける事例が登場した。

「憲政史上初」と今回ChatGPTを使って質問文を作成した中谷一馬議員は謳っていますが、既に官僚が作成する答弁台本もChatGPTを使って作られていたりして。


「何を質問すればいいか・どう回答すればいいか」はChatGPTの鉄板

「何を質問すればいいか」「どう回答すればいいか」はChatGPTの得意分野です。

国会だけでなく会社で日常的に行われている定例会や客先での商談、採用面接などどんな会議のシーンでも
「何を質問すればいいか」
「どう回答すればいいか」

この2つをChatGPTに投げる癖をつけておくと、圧倒的にデキル人になれます。


国会質問のプロンプトを添削する仕事が生まれそう

「あなたが日本の衆議院だとした『新型インフルエンザ対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案』に関して岸田文雄総理大臣へ国会でどんなことを質問すべきだと考えていますか」

とChatGPTに質問したそうですが、

#設定
・「あなた=日本の衆議院(議員)」にもっと具体的なペルソナ、政治的信条や過去の発言録などを与える

#論点
・『新型インフルエンザ対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案』に対して、どの部分に課題があると考えているのか、民衆や関係者からヒアリングした要望などの具体例を示す

#質問する相手の情報
・「岸田文雄総理大臣」の部分にももっと具体的なペルソナを与える。

と予備情報を与えた上で

#内容
・「岸田首相から具体的に引き出したい言質」が得られる質問を考えてください。

と項目を分けてプロンプトを書いていくと、もっと解像度が高く狙い通りの質問文を作りやすくなります。

シャープ(#)を使って区切ってあげる部分は実際にそのように書きますが、ChatGPTへのプロンプトを書きやすくするための入力フォームとして「設定」「論点」「相手の情報」「内容」などが用意されているとChatGPTを使うのが初めての人でも使いこなしやすいはず。

ChatGPT用の入力支援ツールの開発、プロンプトの中身を改善するアドバイザー、自分や相手のペルソナ情報をChatGPT用のデータベースとして整備して提供する仕事など、立法や行政の分野でもChatGPTを軸にした新しい仕事がたくさん生まれそうです。


議事録データベースとチャット検索にAIを

今回ChatGPTを使って質問文を作成した中谷一馬議員の国会質問の本丸は

立法府・行政府の公開情報を学習させた対話型AIを開発し、デジタル民主主義について進化させる考えあるか

の方でした。

機密情報や個人情報などは除いたうえで、現在とても検索しづらい国会や地方議会、各行政機関の文書をデータベース化しチャット型で検索できるようにするのは、人口減少と税収減少が見込まれる日本において業務効率化の観点からも重要です。

そして、ここで挙げられている「デジタル民主主義」という観点からも重要です。

まず法律と判例、国会議事録、行政での実務運用例の3点セットでデータベースが整備されれば、先に挙げた「何を質問すればいいか」「どう回答すればいいか」の多くがチャットAIによって解像度高く作成しやすくなります。

この質問と回答は議員や役人だけでなく民衆も使えれば、日本全体で社会課題に対する視点の解像度を高めやすくなります。

言葉によるプログラミングで作業支援も可能など、大きな可能性があるのは承知している

岸田首相の答弁は業務効率化のみに注目しているように聞こえますが、民衆の政治参加意識を高めるためのジェネラティブAIの活用も意義深いはず。

次の補正予算あたりで具体的な実装予算が積まれ、世間一般にジェネラティブAIが普及するスピードに負けない政治と行政でのAI活用を世界に喧伝できれば、かつて日本が持っていたテクノロジー先進国のイメージを取り戻せるのではないでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?