『OpenAIサム・アルトマン氏、パスワードレス・手数料ゼロの暗号資産ウォレット「ワールドアプリ」リリース』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.5.7
■分散型ID発行の「ワールドコイン」が手数料ゼロの仮想通貨ウォレット「ワールドアプリ」をリリース
ChatGPTで一躍注目を浴びたOpenAIの共同創業者、サム・アルトマン氏の別プロジェクト「ワールド」の動きが最近活発化しています。
3月に報じられた「ワールドID」プロジェクトの延長線
今年3月16日のニュースでは「ワールドID」というプロジェクトの始動が報じられていました。
「ワールドID」が普及すれば、アプリやクラウドサービスごとに新規IDとパスワードを作っていた従来のID/PASS方式から「ワールドID」と電話番号または眼球の虹彩を使った生体認証によるログインに一本化できます。
つまり各サービスごとのID/PASSを覚えておく必要がなくなり、ID/PASSの漏洩によるハッキングが起きなくなります。
今回の「ワールドアプリ」は暗号資産ウォレットのサービスですが、「ワールドID」の具体化でもあります。「ワールドID」の認証方式にクラウドサービス側が対応するというWeb2型の認証方式もできなくはないと思いますが、Web3サービスに関してはウォレット接続することでアカウント作成とユーザー認証を行うWeb3型の方が実装が自然です。
ウォレットの脱シードリカバリーフレーズ
MetaMaskなど従来のウォレットはシードリカバリーフレーズを用いていました。これは自分で任意に付けたパスワードを記憶する方式の延長線上にあるものですが、結局記憶に頼る方法です。
シードリカバリーフレーズは絶対になくしてはいけない、人に教えてはいけない、分散型サービスは運営がユーザーのID/PASSをリカバリーを手助けできず自己管理・自己責任。
この方法は現実的には無理があります。
人はパスワードを忘れます。
パスワードが漏洩したら何でもできてしまいます。
当人が亡くなった際、遺族など第三者が一切復旧できないのは困ります。
なのにウォレットには多額の暗号資産やNFTが入っています(「入っています」は便宜上の表現です)。
「ワールド」プロジェクトの虹彩認証はいろいろ批判もありましたが、これまでWebサービスのID/PASS忘れサポートに苦労させられた経験を考えると、生体認証はシードリカバリーフレーズによる管理よりずっとマシだと考えています。
認証方式「パスキー」をグーグルが本格導入、“パスワードのない世界”が現実味を帯びてきた
GoogleアカウントをIDとして使うシーンは多いと思いますが、Googleアカウントの「脱パスワード」が進みつつあります。
簡単に言うとGoogleアカウントの認証方式に「パスキー」を設定すると、スマホ自体が「鍵」となり認証できる、というものです。
パスキーは今すぐ使うことができる「脱パスワード」ソリューションです。このサイトにパスキーの始め方の手順が非常にわかりやすくまとまっています。
パスワードを使わない認証というのはとても快適です。
ID/PASSが自動保存も、稀に手で打たないといけないシーンに出くわして慌てることがありますし、勝手に記録されていることの気持ち悪さも感じます。
パスキーによる認証にすればこれらの不安もなくなります。
唯一気を付けなければならないのはスマホをなくすことやスマホを持っていくのを忘れること。故障や電池切れで何もできなくなるのも気を付けなければなりません。これは今後大きな問題になるはずで、次の解決策が待たれます。
しかし記憶に頼らない「脱パスワード」はパスキーにしろワールドIDやワールドアプリにしろ今後の大きな潮流です。
ワールドアプリのウォレットサービスを使うのは使いたいWeb3サービスが登場してからでもいいかもしれませんが、まずはパスキーを設定してパスワードレスの認証を体験してみると快適さが実感できます。オススメ。
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