見出し画像

『スマホの充電が年に1回になる!?次世代通信「IOWN」が描く未来とは!?』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.3.1

先進テックで未来の生活はもっと良くなる!」と信じて、Web3・AI・ガジェットなどのデイリーニュースから毎日ひとつピックアップしてご紹介しています。

新規ビジネスのアイディアのタネがほしい方、未来を想像してワクワクしたい方、読んでちょっといいなと思った方、ぜひフォロー・高評価よろしくお願いします!


■スマホの充電が年に1回になる!?次世代通信「IOWN」が描く未来とは!?【Bizスクエア】

映像や音声など情報を伝送する場合、通常電気信号が使われるが、これを光の信号にすることで、大容量のデータを低遅延で伝送するという通信の高速化を実現し、さらに開発が進めば、消費電力を大幅に削減できるという。

この技術で、例えば将来、スマートフォンの充電が年に1回で済んだり、車の位置情報を管理制御することで事故や渋滞をなくす未来も実現可能だという。いま「IOWN」は世界標準の獲得に向けた動きが加速している。

スマホの充電が年に1回になる!?」とはとてもキャッチーなタイトルです。

これまではバッテリーの容量を大きくすることで駆動時間を延ばしていました。しかし、バッテリーを大きくするとスマホが大きく重くなります。またバッテリーが大きくなると充電時間が長くなり、スマホの価格も高くなります。

有機系電池や全固体電池など次世代電池の開発でプロセッサーの高速化・消費電力増に対応しようとする動きはありましたが、プロセッサーなどの消費電力を圧倒的に下げる方向の工夫で対処しようとするのが上記の「IOWN(アイオン)」です。最近よく耳にするようになりました。

バッテリーを小型化できればスマホなどを小さく軽く安くできます。充電時間も短く、発熱も少なくなると良いことずくめです。

「IOWN」は、簡単に言うと電気で信号処理していたのを光に置き換える技術なのだそう。電気回路なんて言い方をしますが、これからは光回路と呼ぶのでしょうね。


発電容量が技術の限界にならない省電力技術

ここ数年で一気に動画や3Dデータなど大容量のコンテンツを当たり前に見るようになりました。YouTubeやTikTokで時間を溶かしたり、NetflixやPrime Videoなど映画やドラマもオンラインで見るのが当たり前になりました。

10年前、20年前では1本100GBのPlayStation5用ゲームをダウンロードして遊ぶなんて思ってもみませんでした。

これから先も、4Kや8Kなど高解像度化されたり空間ビデオで奥行を持ったり、一層に重いデータを扱うようになるだろうことは想像に難くありません。重いデータを処理するプロセッサーの消費電力は当然増えますし、ストレージの読み書きにかかる消費電力も当然増えます。

このままコンテンツがリッチ化していき、比例して消費電力が数倍、数十倍になっていけば、バッテリーの容量だけでなく社会全体の消費電力が数十倍になりかねません。

そうなると発電から数十倍の容量が必要になりますが、当然に限界があります。発電容量の限界がテクノロジー進化の限界になりかねません。

そこで「IOWN」のような低消費電力化のソリューションが登場したのだと考えると、時代的な必然性が高いと感じます。


CPUは過去50年で1億倍の高性能化、電力は数倍増

振り返れば、これまでのCPU進化の歴史も低消費電力化とセットでした。

上記の丁寧な調査レポートによると、CPUの性能は50年で7000万倍~1億倍も向上しているのだそうです。これは1年に1.5倍ずつ伸びての実績で、ムーアの法則通りです。2010年代前半からCPU性能の伸びが鈍化してはいますが、それでも高性能化は続いています。

50年で1億倍の高性能化に対して、消費電力が1億倍になったわけではないことは興味深いポイントです。

例えば1980年代に一世を風靡したNECのPC-9801シリーズはおおよそ40~50ワットの消費電力でした。そこから40年少々経ち、数千万倍速くなった現在のデスクトップPCは、平時で40ワット、最大出力で150ワット程度です。ゲーミングPCなどは別ですが、ピークパワーでも3~4倍程度の電力増に留まっています。

このように、これまでも高性能化と省電力化はセットで行われてきており、「IOWN」もその時代の流れの中で登場した技術だとも捉えられます。


しかしIT全体の消費電力量は爆増

単体のPCでは消費電力はあまり増えていない、性能比なら消費電力を増やさずに数千万倍も高速化している、というように見えましたが、IT関連消費電力量の全体で比較すれば、やはり消費電力量は大きく増えています。

インターネット内での流通データ量は2016年から2030年の14年間で36倍、消費電力量も比例して36倍になる予想で、さらに2050年になると4300倍にまで膨れ上がります。

もしデータ量と消費電力量の正比例が続くなら、2050年には現在の「世界全体の消費電力量」の200倍という途方もない大電力消費時代が到来してしまうことになります。

実際には発電量を200倍にすることの方が無理で、つまりデータ量が発電量の限界で頭打ちになることが予想されます。

クラウドサービスが増えてローカルPCで処理する必要がなくなったぶん、サーバ側での消費電力が増えているのだろうと思います。生成AIはまさしくサーバ側の処理結果をクライアントに表示しているだけです。

今後も未来技術が発展し続けるためには、サーバサイドの消費電力量を抑える必要があります。


AI、メタバース、ブロックチェーンの発展に必須

「IOWN」は2030年ごろの実用化を目指して開発中とのことで、もう少し時間がかかりますが、もし実現できればAIやメタバース、ブロックチェーンなど消費電力が課題になる先進技術の発展を止めず、進化を続けられるようになるのが魅力的です。

AIはGPUの演算能力依存ですし、メタバースは広大な3Dデータが必要で、ブロックチェーンはノードコンピュータを大量にぶん回してやっとスーパーファミコン程度の能力という状態、より高性能化させるにはもっとノードと通信を高速化させるしかありません。しかし、今の技術のままそれをやると非現実的な消費電力量になるのは見てきた通りです。

これら先進テクノロジー達を光回路化技術で電力増なしでさらにパワーアップできる道筋が立ち、SF映画に出てきたような「未来」の実現に近づけそうだというのが「IOWN」に感じる一番の魅力です。

AIはすごいが、未来のAIはもっとすごいはず。でも結局電力の上限を超えられない。限界突破するには「IOWN」が必要。こんなふうに捉えると「IOWN」の重要性は計り知れないと感じます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?