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『マイクロソフトの「Teams」がアバター機能を提供開始。メタバース幻滅の原因とこれから』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.4.15

■マイクロソフトの「Teams」がアバター機能を提供開始

3月27日、マイクロソフトは「Avators for Microsoft Teams」のプレビュー版を提供開始しました。同社のオンライン会議ツール「Teams」の会議に、3Dアバターで参加できるようになります。

マイクロソフトのオンラインMTGシステム「Teams」でアバター姿になれるオプションが正式公開されました。カメラのオン・オフ以外の第三の選択肢を与える、と位置付けています。

昨年6月12日に記事にした、Zoomでアバター姿になれる「NICE CAMERA」のマイクロソフトTeams公式版です。「NICE CAMERA」の方が高機能でアバターの自由度も高いのですが、マイクロソフトが公式に機能を搭載してきたのはオンライン会議でのアバター需要が確かにある証左です。

いわゆるメタバース用に流通しているアバターパーツがTeamsでも使えるようになると面白そうだなと思います。メタバースが流行ると思って立ち上げたアバター専門ファッションブランドも継続展開しやすくなります。

そのメタバース、昨年はバズワード化していましたが、体験者が増えるにつれガッカリした人も増えました。その結果急速にブームが萎んだのは多くの方の実感された通りです。

目的が不明確な空間だけ提供されても面白くない、というのがブームが萎んだ原因のひとつだろうと思いますが、裏返して今回のTeamsにアバター導入など、目的が明確なものにメタバース的なエッセンスを組み合わせたものはまだまだこれから来るんじゃないかとも思います。


「会って話す」ならリモート会議

メタバースに期待されていたことのひとつが「アバター姿でコミュニケーションする」というものです。別のキャラクターになることで人格も変えられる、なりたい自分になることを可能にすると言われています。

ただしオンライン会議というシーンでは知り合い同士で匿名性はないため、不特定多数が集まるオンラインイベントでならアバターで別人格を纏うことができます。

VR ChatやClusterなどメタバース上のコミュニケーション自体を目的にしたVRファンが集う場所では会話も生まれていたようですが、バーチャル渋谷やバーチャル大阪など観光スポットをメタバース化した空間たちでは、多くの参加者は会話をしていませんでした。

リアルな街中でもそうですが、知らない誰かと突然会話が生まれることはありませんし、偶然の出会いを求めて歩いている人はほぼいません。

会議・講演会・合コンなど会話することが目的なら、メタバースよりオンライン会議システムの方が適しています。出会いを求めて歩きまわる必要はありませんし、映像や資料を投影しながら話す機能、メモ機能などが揃っています。


友達とアバターメッセージングを楽しむBondee

アバターのカスタマイズを楽しみつつ、LINE同様に友達とショートメッセージのやり取りを楽しむなら、広いメタバース空間よりBondeeの方がよいでしょう。

LINEでも3Dアバターのサービスを開始しました。
アバター×メッセージングなら、メッセージングサービス側にアバターを組み合わせた方が適しています。


リアリティで提案するならドーム型VRディスプレイ

高松建設(大阪市)は2023年3月20日、「半球状のドーム型バーチャルリアリティー(VR)システム」を建築業界で初めて導入したと発表した。図面ではイメージしにくい建物の各部を原寸大で投映できるのが特徴だ。発注者に建物の出来上がりイメージを伝えやすくなる。

VRの「目の前に本物がある」効果を使ったプレゼンテーションを行うならドーム型VRディスプレイというソリューションがあります。

ビジネスマン相手に商談する際、VRゴーグルを被ってもらうよりドームの中に入って見てもらう方が自然でしょう。

2〜3人で同時にヒューマンスケールでの確認ができる。

複数人で同時に見られますし、実物大に投影する調整もしやすく、また年配の場合が多い意思決定者にVRゴーグルとジョイスティックの操作方法を教える必要もありません。


漠然とした空間に偶然の出会いを求めるアバターがうろつく世界は、ない。

メタバース的サービスが乱立しましたが、目的がはっきりしない空間だけ提供してもつまらないのです。

作られたワールドの出来栄えに一瞬は感動するかもしれませんが、1分で慣れます。またプレステなどでゲームをやっている人にとってはむしろチープさや画質の悪さにガッカリするでしょう。

メタバースECも、一覧性が悪い、検索しづらい、価格などで並べ替えができない、レビューが読めないなどの弊害があり、無人で商品を並べているだけなら普通のECサイトの方が5億倍使いやすいものになります。

幻滅期に入ったメタバース、改めて意義や使い道を考える時です。

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